バートン・クレーンのマッチラベル

kawasusu2006-10-15


8時半起き。福岡での「チェコマッチラベル展」の展示物・販売物をまとめる。宅急便屋が引き取りに来るのを待っていたら、別の宅急便屋が箱を持ってくる。開けると、「ブックオカ」のパンフレットである。CDサイズだが、開くとすごくデカイ。表面には地図、裏面にはイベント一覧を載せる。地図には、「けやき通り一箱古本市」の出店場所も載っている。なんと21スポットで販売するようだ。イベントはメインが15、関連が7あり、あわせて22もの企画がある。それらをコンパクトに収め、大量の広告を配置した上で、見やすくて使いやすいマップをつくり上げている。このデザイナーの手腕はスゴイ。「不忍ブックストリートMAP」も見習うべき点が多数あった。この「ブックオカ」で南陀楼が関わるイベントを抜書きしておく。

チェコマッチラベル


1950〜60年代に社会主義体制下のチェコスロヴァキアで製造されたマッチのラベル。素朴でシンプルながら、とても魅力的なデザインです。今回の展示では、チェコマッチラベル蒐集家から南陀楼綾繁が引き継いだコレクションから、書籍『チェコマッチラベル』(ピエ・ブックス)に収録されなかったものも含めて展示します。知られざるチェコマッチラベルの世界をお楽しみください。会場ではチェコマッチの復刻版を販売します。


10月23日(月)〜11月5日(日)11時〜19時
アポロ計画(092-712-0904)


★第1回けやき通り一箱古本市


会期/2006年11月4日(土)11時〜17時 *雨天の場合は11月5日(日)に順延
会場/けやき通りの21の商店の軒先
出品者数/100


★フェア「福岡の読書人が選んだ絶対オススメの3冊」


会期/10月16日(月)〜11月5日(日)各店舗の営業時間内
会場/ジュンク堂書店福岡店/丸善福岡ビル店/紀伊國屋書店天神店/紀伊國屋書店福岡本店/福家書店福岡店/福家書店キャナルシティ博多店/黒木書店天神店/福岡金文堂本店/積文館書店新店町店/青山ブックセンター福岡店/リブロ西鉄平尾店/あおい書店福岡店/ブックスキューブリックヴィレッジヴァンガード大名店
南陀楼のセレクト本は、福家書店福岡店、ブックスキューブリックに陳列


南陀楼綾繁トーク「街に出て本と遊ぼう」


古本やミニコミに詳しいライターにして、「不忍ブックストリート一箱古本市」発起人である南陀楼綾繁が、いま、本の世界で起こっている、楽しい動きをお伝えします。


11月5日(日)13時〜15時
自然食品の店ふぁーむ
1500円(要予約)


以上の4つです。イベントが多すぎて、5日のトークに人が集まるか、心配です。福岡や近県の方、ぜひおいでください。当日は、いろんな本を見せながらハナシをしたいと思います。『路上派遊書日記』のサイン本も販売します。


ブックオカ」のパンフと一緒に、「チェコマッチラベル展」の会場となる〈アポロ計画〉(http://www.apollo-keikaku.com/)のDVDが入っていた。このデザイン事務所は『ふるほにすと』の生野さんの勤め先で、今回、場所を貸してくれるコトになった。サイトで社歌をダウンロード配信していて、おかしな会社だなあと思っていたが、コレにはその社歌の動画が入っているのだった。見て、手描きっぽいアニメとチープな音楽に脱力。しかも、ほかにコンテンツがあるのかと思って待っていたら、この社歌がループする! 映画のDVD用のちゃんとしたパッケージまでつくっておいて……。社長以下、社員一同、尊敬に値するフザケっぷりである。お友達になれそうだ。早速、旬公と南陀楼家を事務所にしたときにどんな社歌と映像をつくるか論議する(その前に早く屋号を決めろ)。


そのあと、ある仕事に使うため、戦前期のマッチラベルの貼込帖を引っ張り出す。10年前から古本屋や入札誌で集めてきたもの。ざっと数えただけでも30冊はある(このほか、明治期の貼込帖が10冊ぐらい)。ふだんは奥にしまってあるが、久しぶりに見返すといろいろとオモシロイ。びっくりしたのは、バートン・クレーンふちがみとふなとがカヴァーしている昭和期の歌手)のレコードの宣伝マッチがあったことだ。「威張って歩け」と「夜中の銀ブラ」のもの【図版】。味のあるイラストだなあ。そのあと、別の貼込帖を見ていたら、同じレコードの別デザインのラベルと、「ニッポン娘さん」「おいおいのぶ子さん」のラベルが2種類見つかった。コロムビア・レコードが当時バートン・クレーンを売り出そうとしていたコトがうかがえる。この貼込帖を買ったときには存在すら知らなかったバートン・クレーンに、ふちがみとふなとを通して出会い、ずっと手の中にあった貼込帖のマッチラベルを発見する。奇縁だなあ。


6時、千駄木交流館で「秋も一箱古本市」の助っ人会議。10人ほど集まるが、ほとんどが若い女性で少々ビビる。春に比べると、かなり若々しい。説明を終えて、各スポットで渡す景品をつくる。ナニがもらえるかはお楽しみ。8時には終わり、〈サミット〉で買い物して帰る。晩飯は、豚肉と厚揚げ、白菜炒め。残っていたキムチ汁を混ぜると、ウマイ。


なにひとつ面白くない《ポセイドン》を流しっぱなしにして、貼込帖の閲覧を続ける。デザイン的にも内容的にもおもしろいラベルが、いくつも見つかった。たとえば、岡崎武志さんが書いていた、鶴見の〈花月園〉のマッチラベルは5、6種類あった。これらを手がかりに調べてみたいコトがいろいろと思い浮かぶ。どこかの雑誌で、「マッチラベルで見る東京」というような連載をさせてくれないかなあ。ビジュアルで楽しいと思うんだけど。