盛岡、八戸を一日で

朝6時起き。東京は雨。傘持ち歩くのもめんどくさいがしかたない。上野駅のコンビニでおにぎり買って、新幹線に乗る。盛岡には10時前に着。カメラマンのSさんと待ち合わせ、〈さわや書店〉フェザン店で田口幹人店長の取材。著書『まちの本屋』(ポプラ社)を読んでから来たこともあり、話がいちいち腑に落ちる。同じ駅ビルにこの春、支店の〈ORI ORI〉をオープンしたということで、そちらにも案内してもらうと、新潟・内野にあった〈ツルハシブックス〉店主の西田さんに出くわしてびっくり。宮沢賢治が好きで、命日に合わせてこの辺を旅しているという。地域雑誌・リトルプレスのコーナーで、『いわてのZINE Acil』
第15号を買う。こんな雑誌、知らなかった。この号は鍛冶屋特集。

Sさんと駅ビルのそば屋で昼食。少し時間があるが、街なかに出る暇はない。バス停近くの広場で休憩。バスセンターのあったあたりを見に行きたかった。新幹線の改札口前のパン屋で、福田パンを売っていたので、定番の「あんバター」と小岩井牛乳のパックを買う。福田パンは、店で売っているものよりパンのサイズが小ぶりなようだ。外売り用なのだろうか。それを食べているうちに、八戸駅に着く。30分と、仙台―盛岡間よりも近い。

八戸は昨年1月に来て以来。駅前でSさんがレンタカー借りて、旧市街のほうへ。〈さくら野百貨店〉の駐車場に車を止めて、隣の〈はっち〉に出る。その向かいに〈八戸ブックセンター〉があるのだが、正面が工事中で入れず、裏から回ったので時間がかかった。あとで、屋台村を突っ切れば近いことを知る。八戸BCがまだ建設にかかる前に、コーディネーターの内沼慎太郎さん、小林市長とのトークに出演した。出来上がってから、どういう場所になったか気になっていたのだが、やっと見られてよかった。Oさんに取材し、全体を撮影させてもらった。八戸出身の作家ということで、三浦哲郎の『野』(講談社文芸文庫)に司修が装丁したオリジナルカバーがついたものを買う。あと、『あおもり草子』2011年10月号(特集「考現学創始者 今和次郎」)も。

そのあと、〈はっち〉で明日の一箱古本市の会場を見る。私は朝早く出てしまうので立ち会えないが、Sさんが残って撮影することに。これで今日の取材は終わり。時間は短いが、集中してやったので疲れた。そこから5分ほど歩いたところにあるワシントンホテルに入り、少し横になる。18時に高坂真さんが迎えに来てくれる。八戸在住でうみねこのフンを模様にした「フンノート」をつくっている人。地元に根を据えて活動していこうとしているのだが、八戸の現状への不満が深く、最初の一言からネガティブなことを云う。最近のハライチ岩井のような見事な腐りっぷりに笑ってしまう。もっともそこが愛されているところでもあり、会う人はみんな彼の愚痴を聞き流しつつ励ましていた。

最初に行ったのは、やきとり・おでんの〈浅坂〉という店。時代劇に出てきそうな木造一軒家でカウンターのみ。常連度が高いので一人では入りにくいが、女店主は気さくで話しやすい。焼き鳥は肉厚で、塩もいいけど、タレで食べるのに合っている。おでんもうまい。そのあと、近くのビルに入っている飲み屋に移る。ここも女店主がやっている。高坂さんの知り合いが2人合流し、10時ごろまであれこれ話して飲む。歩いてホテルに戻り、風呂に入って12時前に寝る。明日は朝早くから朝市に行くのであった。