真鍋博と「婦人公論」

昨夜、フリードリッヒ=カチャマグロさん(でイイのかな?)の「サプリメント遁走」(http://d.hatena.ne.jp/breaststroking/20040817)に、モクローくん大感謝祭にいらしたハナシが載っていた。
東京堂ふくろう書店の「坪内祐三の棚」的な趣向で、入り口横の小さめの棚を使って氏のセレクトした書籍、氏が刊行したミニコミ、寄稿したミニコミ、商業誌、果ては「非買」とシールを付けられて、学生時代に作ったミニコミや製本された修士論文(担当教官の手紙付き)が種類別に収められていた。」
(担当教官の手紙付き)は、ゼンゼン気づかなかった。今回、他にも展示した本の中に手紙や写真が挟みこんであり、ほうろうの皆さんに何度か指摘された。ま、こんな催しをやる時点で開き直ってるので、ナニはさまっていても平気ですけどね。


今週は職場での待機が多くなりそうなので、午前中、少し動くことにする。今朝は10時に東京駅に着き、「東京ステーションギャラリー」(http://www.ejrcf.or.jp/gallery/)で「真鍋博展 イラストからのコミュニケ−ション」を見る。最初の部屋は、SF小説の挿絵と装丁。星新一筒井康隆の文庫のイラストで真鍋博を知ったクチなので、一枚一枚にじっと見入る。海外SFはほとんど読まなかったので、創元推理文庫の「レンズマン・シリーズ」の装丁をやっているコトなど知らなかった。各巻にカラー口絵入り。コレは欲しい。筒井の『メタモルフォセス群島』『エディプスの恋人』の原画にトレペで色指定しているのも展示されており、細かさに圧倒される。本人が生前から出身地の愛媛図書館に、自分がかかわった本を一冊ずつ寄贈していたそうで、だから、原画と本を並べて展示できる。


他にも『ミステリ・マガジン』の表紙、未来予測図、万博関係の制作物、新宿や大阪を鳥瞰図で描いたものなど、見ていて飽きない。出口に、日記帳が置いてある。その日こなした項目を箇条書きしてあるモノだが、なんと3分〜5分刻みで書いてあるのだ。これぐらい細かい性格でないと、あんな緻密な絵を描くことはできないのかも。図録も充実していて、いい展覧会だったが、残念なのは真鍋が装丁した山川方夫の『日々の死』(平凡出版)が出品されてナカッタこと。今月末の東急東横古本市の目録で、九曜書房さんが出しているが、9975円だからなぁ、手が出ない。とりあえず、『ユリイカのカット』(トムズボックス)を探してみよう(こないだ浅草松屋で注文し損ねたが)。


大手町まで歩いて、東西線に乗る。南砂町の〈たなべ書店〉へ。公園を抜けて歩くうちに、たちまち汗が噴き出す。駅前店の均一棚からはじめ、店内、本店の均一棚、店内と回る。均一台は一冊50円〜100円とメチャ安だが、店内は定価の半額というのが、この店の特徴。それも同じ本が均一と店内で見つかったりする。今日は中町信を店内で2冊、均一で3冊。さっき、真鍋博展で見た「レンズマン」シリーズが店内で1冊、均一で1冊、ほかに、久保田二郎『ニューヨーク大散歩』(新潮文庫)50円、かんべむさし『むさし走査線』(徳間文庫)50円。安くなったら買おうと思っていた、コニー・ウィリス犬は勘定に入れません』(早川書房)が半額で1400円というのも嬉しい。大荷物を持って、仕事場へ向う。


仕事場で7時過ぎまであれこれ。そろそろ次号のコトも考えなければ。〈さっぽろ萌黄書店〉の坂口さんからメール。小樽文学館の「小樽・札幌古本屋物語」という展覧会の記念イベントとして、10月2日(土)午後2時より 石神井書林内堀弘さんの講演と模擬オークション、11月3日(水)午前10時より 文学館古書市、11月6日(土)午後2時より 古書に囲まれて朗読する会が行なわれるとのこと。うーん、どこかの雑誌で取材に行かせてくれないかなあ。

古書ほうろうに行くと、根津のカフェ〈NOMAD〉の山田さんご夫婦がいらしていた。1時間近く展示を見てくれていた。ぼくは奥で、本の値付け。今日買った『ニューヨーク大散歩』もさっそく出す。思い切ってかなりの量を入れ替えてみた。さてさて、どうなるか。


【今日の郵便物】
★「婦人公論」9月7日号 「私の書いた本」で、ライターの山本淑子さんが『ナンダロウアヤシゲな日々』について書いてくれた。取材のときのぼくのハナシもうまく生かした上で、自分の見方も出してくれている。嬉しい。写真は、カメラのヒトにいろんなポーズをさせられたが、どれもぎこちなく、結局正面からのものになっていた。さっそく、ほうろうの「モクローくんの私事」棚に並べよう。
★古本 田中小実昌『上野娼妓隊』(講談社)2000円、『海辺でからっぽ』〈筑摩書房〉1500円。こないだ見つけた〈町屋堂〉(http://www.fiberbit.net/~machiya-do/index.html)というオンライン古書店にて。今年4月にはじめたばかりらしい。名前の通り、町屋に住んでいるそうで、ご近所なので贔屓にしよう。
★古書目録 ぐろりや会、山猫屋