新潟の冷や汁を食べる昼

8時起き。新潟で買ったそば。午前中は連絡あれこれ。10月以降、置賜会津、山陰、四国、近畿、九州などに行く予定があるので、確定事項を増やしていかなければならない。マネージャーなんかいないので、結構これに時間がとられるのだ。

昼は新潟で買った鮭の焼漬けと、沼垂の〈峰村醸造〉で買った新潟の冷や汁。ご飯に豆腐と大葉を乗せて、水で溶いた味噌の冷や汁をかけるだけ。さっぱりしていてウマい。郵便局から田端図書館。明日以降、1週間で3件の著者インタビューがあるので、関連本に目を通すだけでも大変だ。と云いつつ、本を読みながら昼寝してしまう。

たまにはRYUTist以外の新潟ネタも。9月23日からシネ・ウインドで「映画監督佐藤真と新潟と」。『阿賀に生きる』ほかテレビ番組まで含む作品を上映。牛山純一と野尻抱影が観たい。同時期に砂丘館では佐藤真の展示があります。上映にあわせ『阿賀に生きる』スタッフや飯沢耕太郎椹木野衣などトークも開催。人選もテーマも興味深く、新潟の人がうらやましいです。私も期間中に新潟に行く予定なので、何本か観られるといいと思っています。シネ・ウインドで映画観るのじつははじめて。ロビーまでは入っているけど、なかなか見たい作品と時間が合わなかった。https://www.facebook.com/MakotoSatoAndNiigata/

『青春と読書』5月臨時増刊号「集英社文庫創刊40周年記念号」を〈北書店〉でもらう。著者おすすめのタイトルやジャンル別ガイドに加え、40年のクロニクル、数字で見るトリビアなど盛りだくさん。手元に置いておくと役に立ちそう。他の文庫でも節目に合わせてこういうの出してほしい。

夏葉社から新刊、山本善行編『埴原一亟 古本小説集』届く。はにはらいちじょうと読む。芥川賞候補になっているが「忘れられた作家」で、古本屋を営んでいた。私は亀鳴屋から出たアンソロジー『したむきな人々』ではじめて知った。あと、解説に出てくる単行本も一冊持っているがまだ読んではいない。夏葉社としては創業時の関口良雄『昔日の客』以上の無名な著者だ。まず「亟」が入力できないもんなあ。でも、これは味読したい短篇集ですよ。こういう本が長く読まれていくようになればいいと思う。

根津へ。〈和幸〉で日本酒と豆腐バタ焼き、鮭塩焼き定食。うまい。そのあと、トンブリンさんと待ち合わせて、彼が教えてくれた店に一緒に行く予定だったが、先に入ってみると満席でびっくり。変わった業態の店だが、ちゃんと需要があるのだ。トンブリンさんに連絡して今日はナシにする。帰宅して明日の準備。朝から新幹線で神戸に向かうのだ。

寝る前にThe Laundries『Synanthrope』を聴く。これが気に入って、過去作も聴きたいと、このバンドのサイトを見ていたら、アルバムのレーベルdog and me recordsを主宰しているのが作家の西崎憲氏だと知る。びっくり。http://www.dog-and-me.com  The Laundriesというバンド名はThe Lilac Timeの曲からとったという。私はネオアコはほとんど聴かないが、このバンドの『And Love for All』はXTCのアンディ・パートリッジがプロデュースしたので買った。「The Laundries」はその一曲。

RYUTistを知ってから、これまでのCDや動画を視聴するだけでなく、アルバムに参加したミュージシャンのことや古町の歴史を調べたりするのが癖になってしまい、大変忙しい。中学生のころから、何かにハマると起源への遡行と関係者へと興味が広がってしまう。筒井康隆山下洋輔冷やし中華愛好協会→奥成達とか。YMOムーンライダーズを聴き始めたころは、ライナーに載っている全員のことを知りたくて、音楽雑誌を隅々まで読んだ。ただ、当時は田舎在住でネットのない時代だからまだよかったと、いまでは思う。ドはまりしすぎて、他のことができなくなったかもしれないからだ。適度に情報が遮断されていたことで、音楽のほかに、小説にも漫画にも没入することができた。

ただ、今みたいに膨大なアーカイブがあり、関連性も検索一発で判明すると、かえって先が見えて冷めるのも早いのかもしれない。しかし、これだけネットが発達しても、自分で調べたことや、現場で見聞きしたことの優越性(少なくとも自分にとっての)は変わらない。身銭を切ること、時間を費やすことは決して無駄にはならないと思う。とはいえ、あまりに畑違いな世界なので面白がりつつちょっと困惑はしているのだが。