吉上恭太さんのアルバムを聴く

昨夜はRYUTistの動画を夜中まで見ていたので、目覚めたら9時前だった。卵かけごはん。午前中は連絡やデータの整理など。先日買ったまま読んでなかったマンガを読む。このところ、マンガを読む速度は落ちていて、一冊読むのに結構時間がかかるようになった。歳だろうか。きらたかしハイポジ』第1巻(双葉社)は、1980年代半ばのサブカルチャーが散りばめられていて懐かしい。鈴木英人風のイラストとか。窓ハルカ『漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ』(リイド社)は、なんだか判らないパワーがあるのだが、うまく言葉に表せない。『ガロ』系の漫画家を最初に読んだときの感触に近い。

1時頃出かけると、雲っていた空から雨が降りはじめる。谷中のカフェでランチ。カウンターに座っていた常連のおばさんたちが、携帯のメールの操作がどうのこうの話していて、『やすらぎの郷』の場面を思い出す。外に出ると雨が上がっていた。〈往来堂書店〉で、木村紅美さんの中篇が掲載されている『群像』と、『POPEYE』の本屋特集を買う。そのあと〈古書ほうろう〉へ。どちらでも秋のイベントの話を。ネット上でやりとりしているのだが、返事が滞ったりすると、直接会いに行く方が話が早い。店をやっている人は動きにくいので、私が伝書鳩代わりになる。

帰宅して、届いていた吉上恭太さんのセカンドアルバム『ある日の続き』を聴く。前のアルバムは自主制作だったが、今回はレコード会社が流通に入っているので全国で買える。ジャケットは山川直人さん、デザインは板谷成雄さん。ほとんどの曲を鴬じろ吉さんが作詞しているのは前作と同じだが、本作は参加ミュージシャンが多く音に厚みがある。最近、ムーンライダーズのトリビュート盤で知った1983というバンドの松村拓海もフルートで1曲参加している。感想はトークのときにでも述べますが、いいです。最後が、菅原克己の詩に曲をつけた「涙」というのもいい。

このアルバムのオビ文はパイドパイパーハウスの長門芳郎氏が書いている。そのあと知ったのだが、RYUTistがゲスト出演したというラジオ番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティも長門氏なのだ。うーむ、不思議と何かつながってきているな。まあ、RYUTistパイドパイパーハウスもタワーレコードに関係あるわけだが。私が〈北書店〉佐藤店長と新潟メディアシップでトークしたときのオープニングアクトが吉上恭太さんで、そもそも私が新潟に行くきっかけも吉上夫妻だったりする。28日の〈古書ほうろう〉での吉上さん、山川直人さんとのトークRYUTistの話をせよというお告げか?(なんでそうなる)。そして、今日は買い置きのもので夕飯をと取り出したのがレトルトの「新潟バスセンターのカレー」だったりします。偶然の新潟つながりとはいえ、こういう偶然を覚えておくとあとで必然だったと分かることを、経験上、私は知っています。

そのあと、『雲遊天下』次号に載せる大川渉さんと私の対談のまとめ。インタビューや対談で粗く整理された原稿を渡されると、最初はうんざりするが、読んでみて訳が分からない発言でも、どういう意図だったかを考えて整理していくと、自然と話の流れができてくる。その部分が増えていって、パズルのピースが合うようになっていくのが、座談をまとめる際の快感だ。まとめる技術よりも前に、そういう楽しみを感じることができるとうまくなると思う。

夜は『THE KILLING/キリング』の最後の4話を観る。残り1話までに本当に犯人が判らないのだが、それに加えて、刑事サイドに驚きの展開があったりして、気が抜けない。しかも、結末に至ってもすっきりしないというか、後味の悪さが残る。これはセカンドシーズンも観るしかないではないか。