谷根千で本の話

昨日から涼しくなっているので、よく眠れる。8時半に起きる。カレーの残り。午前中は企画書のまとめ。奥の部屋でいくつかの件に関する本を捜索。すんなり見つかったものもあり、一向に見つかる気配のないものもあり、3勝2敗ぐらいか。

不忍通りの郵便局に寄ってから、羽鳥書店へ。団子坂上に移転してからは初めて。前の倍以上の広さになり、打ち合わせスペースもできた。羽鳥社長と矢吹さんと、持ち込み企画について話す。羽鳥さんは話し好きなので、あっちこっちに話題が転じて面白い。

その羽鳥さんが役者の一人として出演する水族館劇場が、9月に横浜の寿町で行なう公演のチラシをもらう。今回はそれよりも前、明日からアウトオブトリエンナーレ「盜賊たちのるなぱあく」として写真展やシンポジウム、講演などを毎日やっていくという。〈古書ほうろう〉や〈古書信天翁〉も出店を出すようだ。これは今月、来月は横浜になんどか行かねばならない。なお、公演チケットもそろそろ発売するが、それとは別にクラウドファンディングも進行中で、公演チケット付きのコースもあるので、そちらを選ぶ手もある。私もあとで申し込んでみたが、なぜかクレジットカードでの申し込みがうまくできなかった。またやり直してみるが。
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そのあと、白山の〈おとら〉で森まゆみさんと会う。二人では会って話すのはずいぶん久しぶり。こちらも企画の話だが、森さんも話し好きだから、いろんな話題が出るうちに1時間以上経った。時間はかかりそうだが、いいかたちで世に出したい。

さっきから小雨が降っているが、風が涼しいのでさほど気にならない。駒込の〈BOOKS青いカバ〉を覗く。鶴見俊輔・粉川哲夫の対談集『思想の舞台 メディアへのダイアローグ』(田畑書店、1985)が面出しになっていて、手に取る。目次に「本のつくり方、出し方」「小さなメディアと大きなメディア」とあり、すぐに買うことにする。同じ本がもう一冊あったが、この本はもともと『東洋大学新聞』に載ったものが元になっているようなので、この近所の東洋大学関係者が手放したのだろうか。

霜降銀座に回るつもりだったが、雨が激しくなってきたので、不忍通りを下ったところにある中華料理屋へ。まだちょっと早い時間だが、瓶ビールとちゃんぽん。帰宅してちょっと眠って、連絡などもろもろ。デンマークのドラマ『KILLING/キリング』DVDで。

宮川サトシ『情熱大陸への執拗な情熱』(幻冬舎)読む。ネットで公開されていた回を読んでいたが、改めて読むと『情熱大陸』へのむやみな熱意が、この人がマンガを描く際のモチベーションにもなっていることを知り、その首尾一貫ぶりに感心する。ただ、この種の「自分の奇人ぶり」を描くマンガで難しいのは、そのおかしさを引いた視点から見る立場をどう設定するかだ。この作品では妻がその役割を担っているのだが、その存在がちょっと弱い気がした。ちなみに、『情熱大陸』に出る人に便乗して画面に映ることを「間接上陸」と、著者は云っているが、じつは私も間接上陸してます。そうとう情けない出かただったけど。