神楽坂のブックカフェと出版社

朝8時起き。今朝も涼しくていい。納豆と味噌汁。田端から高田馬場経由で神楽坂へ。新潮社の夜間受付で秘密の部屋のカギを受け取るときに、警備の男性に「お名前は……、ナンダ……」と絶句される。こういうことが起きがちなので、担当者は本名で伝えておいてほしいものです。

いつもの作業にかかる。3時間かけて2年分進むというのがペースになってきた。これ以上ペースアップすると、ページをめくることが面白くなくなってくるので、これぐらいがいいようだ。

1時にTさんが迎えに来て、路地裏にある〈カド〉という店へ。古民家の座敷でお膳を前にして座る。ランチの前に「昼酌セット」というのに激しく惹かれ、私だけ頼む。金宮のソーダ割とつまみ2品(から揚げと枝豆の醤油煮)で1000円。しかも、酒もつまみもかなりの種類のなかから選べる。そのあと食べたオムライスも中華風でうまい。隠れ家風だけど、値段はリーズナブル。新潮社に通っている間にもう一回は来よう。

〈神楽坂モノガタリ〉へ。はじめて入るが、「本のにほひのしない本屋」というキャッチフレーズで想像したのと全然違い、きちんと選んだ新刊を並べているブックカフェだった。私の新刊も平積みにしてくれていた。そこのカフェで台湾の高雄で年内に創刊する雑誌の編集者と、取材を手伝っている日本人編集者に会う。二人とも20代だ。インタビューされて、そのあと〈la kagu〉の階段で写真を撮られる。

部屋に戻って作業続き。17時までにあと2年分終える。次回、やっと1990年代後半に突入だ。すぐ近くにある『週刊読書人』編集部へ。もう10年ほど書評を書かせてもらっているが、編集部に来るのは初めて。Mさんに会い、今年3月の神楽坂ブック倶楽部の一箱古本市に出店してくれたお礼を云う。さっきまで私がいた部屋が、この建物の真裏にあたると云うので、窓を開けて見てみたら本当に真下にあった。出版社の建物らしからぬ、なんとなくアヤシイ建物なので、Mさんも「これはなんだろう?」と思っていたそうだ。

週刊読書人とライバル紙である図書新聞は、千代田図書館で「書評紙が選ぶ、今すぐ読みたいベスト16」という展示を開催中(10月21日まで)。両紙がなにか一緒に何かするのは今回が初めてだそうだ。9月8日には「2紙の編集長が語る、書評紙の役割」というトークイベントもある。司会は注目の出版社「共和国」の下平尾直さん。読書人編集長の明石健五さんは「バチバチやりますよ」と宣言していたが、面白くなりそう。この日に自分のワークショップを決めてしまったので、行けなくて残念。

大手町経由で千駄木へ。ちょうど乗り継ぎが良く、都バスに乗れた。雨が降る直前に帰宅。晩飯は豚コマと水菜の卵とじ。だいぶ痛みかけの食材が増えてきたので、使い切らないと。スウェーデン映画『ノーベル殺人事件』(2012)をDVDで観る。出だしはなかなかスリリングだが、中盤で失速、最後の20分はひたすら眠い。映画というよりはテレビドラマっぽかった。眠くて11時頃に寝てしまう。