一箱本送り隊・石巻ブックエイド 前夜祭

明日から石巻ブックエイドがはじまる。一箱本送り隊のメンバーはツアーバスで今夜出発するが、ぼくは先発隊として先に石巻に入る。9時の新幹線で仙台へ。かなり気温が低いと聞いていたが、たしかに肌寒い。いつもの北辰鮨で短時間でいろいろ食い、さくら野百貨店前のバス停でバスを待ちながら、伊坂幸太郎ゴールデンスランバー』(新潮文庫)を読む。まさにこの仙台駅前からはじまる小説。


石巻駅には13時すぎに到着。仙台よりさらに気温低い。長袖着てくるべきだったか。まず駅前通りのリーガルシューズでオーナーの方に挨拶。ショーウィンドーの前に古本バザー用の箱を置かせてもらうことに。歩道が狭いのがやや心配。次に石巻市図書館へ。路線バスはない。タクシーで行こうかと思ったが、涼しいので、羽黒山を越えていくことに。数百段の階段を荷物を担いで登ると、汗だくに。頂上から石巻の街が一望できる。山を下って図書館へ。館長にお会いし、スタンプラリーのスタンプを預ける。展示「絵本のなかのイタリア」の入り口に設置してもらうことに。


さらに下って、菊池旅館へ。今日はひとりで泊まる、荷物を置いて、アイトピア通りのかめ七へ。奥のコミュニティカフェ・かめ七(コミかめ)で『いしのまきらいふ』の亀井一実さんと明日の打ち合わせ。そのあと、石巻2.0の天野さんと一箱古本市の会場配置について打ち合わせ。向いのIRORI石巻に行き、街づくりまんぼうの木村さんと会う。22日に復興マルシェでも古本バザーをやるという話。


古本バザーの会場のパナックけいてい元店舗を見て、商工会議所の佐藤さんに挨拶。隣の空き地の利用範囲を教えてもらう。相澤酒店へ。ここは先月、新店舗をオープンし、一箱古本市の会場として提供したいというお話があったが、すでにパンフレットができてしまっていた。いちおう挨拶をと店に入ると、ご主人から「明日は100冊ぐらい本回してくれるんだろ?」と云われる。店の前で弁当や酒を売るのだが、その横に古本を並べたいと、高校の後輩であるふれあい商店街の佐藤さんに話しているとのこと。あのー、全然聞いてないんですけど……。あとで返事することに。


もう一度、リーガルシューズに戻って、店長の新柵ひろ子さんに挨拶。新柵さんが震災後の体験を文章に書き、それに水野由貴さんが絵をつけた『ヒマちゃんの気持ち』という絵本を見せてもらう。いまは手づくりの一冊だが、今後、出版できたらと思っているとのこと。復興ふれあい商店街へ。パナックけいていで佐藤さんと打ち合わせ。『本の雑誌』で一箱古本市のことを知り、自分たちでもやりたいと考えていたところに、我々が話を持ち込んで実現した。明日のテント設置や店主の割り振りなどを確認。さっきの相澤酒店でもバザーを行なうことに決める。そのあと、グランドホテルに入っているニュー魯曼停へ。阿部さん夫婦に挨拶。


そうこうしてる間に、19時回ってしまった。今夜は松竹という料亭の前で『ドラえもん』新作の野外上映会がある。もう始まっているというので、アイトピア通りの横丁の雲雀という中華料理屋で、油淋鶏(ユーリンチー)定食を食べる。うまい。松竹前に行くと、前のビルの壁に映画が投影されている。すぐ横が道路だが、映像も音声も問題なし。ベンチに座った子どもたちが熱心に眺めている。呼びかけ人の若月さんたちと会う。映画上映の前にドーナツを無料配布している。後ろの方では、松竹と石巻2.0による出店があり、ビールや焼き鳥を売っている。『ドラえもん』は後半の30分しか観なかったが、さすがに話の持って行きかたがうまく、思わず引き込まれる。上映終わって、坂本さんや岩崎さんを手伝って、機材の撤収。それが終わってベルギービールを飲んでると、ぽつぽつと雨が降ってくる。


歩いて菊池旅館へ。街のなかにはコンビニがなく、明日は早いので旅館の朝食も頼めない。どうしようかと思っていたら、旅館の近くに居酒屋を発見。持ち帰りのおにぎりを頼もうと入ってみる。客は常連さんばかりで、最初やや戸惑うが、明日からイベントをやることを話すと、石巻についていろいろ教えてくれる。地元の日本酒「日高見」を2杯飲み、焼きおにぎりを受け取って旅館へ。バスで来るメンバーに今日の下見の結果をメールで連絡しようと思っていたが、疲れたので明日でもいいかと、1階の風呂で汗を流し、12時前には布団に入る。雨は上がったようだ。