阿佐ヶ谷で「手脚気」を調べる

本日22:00〜 の不忍ブックストリームは、「千駄木に〈不思議〉(はてな)があった」。今月末閉店の古本・古道具の店、不思議(はてな)さん特集。店主の披岸さんをお招きし、開店からの5年間を振り返ります。見てください。ユースト、1月、2月は1回ずつしかできませんでしたが、3月からは月2回ペースに戻そうと思っています。スタジオ、スカイプともゲスト募集中です。自薦他薦かかわらず、何か話してみたいことのある人は連絡してください。
http://www.ustream.tv/channel/shinobazubookstream


昨日は昼前に阿佐ヶ谷へ。週末から東北に行き、戻ってからすぐに帰省するのだが、実家がいまだに電話回線でネットができないので、このさい、iPhoneに換えようと、その場で契約するつもりでauショップに行ったのだが、2日後からのキャンペーンで毎月の使用料が下がると聞かされて、それじゃしょうがないと引き下がる。もっとも、その場で手に入れていても電話帳やメールの設定など、いろいろめんどくさそうだ。東京に戻ってきてから、ゆっくりやるか(と考えてるといつまでもやらないのだが)。


ラピュタ阿佐ヶ谷〉へ。招待券で番号印押してもらうが、開場を待っている間にハッと気づく。いまから観る奴って、《事件記者》シリーズのもう観たのじゃないか! 受付に云うと招待券を返してくれた。3時の打ち合わせまで時間が余ったので、名曲喫茶ヴィオロン〉に行こうとしたが、記憶のある通りに見つからない。去年の夏も一度、同じ道をたどって見つからずに帰ったのだった。あとで調べると、だいたい同じ位置にあった。なぜ見つからなかったのか。


中杉通りをぶらぶら北上。喫茶店が見事に一軒もなく、途方に暮れていると、阿佐ヶ谷図書館があったので入る。DVDで《寺内貫太郎》鑑賞が続いているので、『向田邦子全集』などで、このドラマに関するエッセイや対談(演出の鴨下信一と)を読む。ドラマを観ていて、きん(悠木千帆)が、不器用な嫁の里子(加藤治子)に、「あんた、手脚気ねえ」と云うシーンが何度もある。いちどは「目脚気」とも云っている。罵倒というよりはちょっとした揶揄というニュアンスなのだが、テレビで聴くとなかなか強烈な印象だ。ぼくはこの「手脚気」という言葉は初めて聞いた。資料によれば、向田はこの言葉が気に入っていたようで、他のドラマでも使っていたそうだ。この館には阿佐ヶ谷文士村関連のコーナーがあり、『上林暁全集』で上林が、没後の織田作之助を批判している文章などを拾い読む。


中杉通りの古本屋を覗き、〈銀星舎〉で文庫を一冊買う。田中小実昌の割と珍しい本が7、8冊、安く出ていたが、残念ながら全部持ってるものだった。そのあと、Aさんと会って打ち合わせ。中央線で帰り、新お茶の水の〈丸善〉で、田中啓文『聴いたら危険! ジャズ入門』(アスキー新書)を買い、車中で早速読み始める。内外のフリージャズのミュージシャンを紹介するもので、テクニックがどうこうよりも、そのミュージシャンのどこか凄いか、面白いかを伝えようとしている。この本、じつは4人の共著者がいて、そのことが表紙やまえがきに書かれてないので、最初は戸惑う。ただ、田中さんの文体は独特なので、他の人と間違えることはない。


夜は〈ブーザンゴ〉で、不忍ブックストリートの茶話会。トンブリンさんが1950〜70年代の世界の都市の観光地図を何十枚も持ってきて話す。茂木さん、板谷さんもそれぞれ披露し、盛り上がる。次回は3月14日(水)。矢部登さんに小冊子『田端抄』について話してもらうことになっている。


今日は『進学レーダー』の書評原稿を書き、メールのやり取り多数。あいおい古本まつりと不忍ブックストリートのイベントが、同時並行的に形が見えてきた。遅くなって申し訳ないですが、あいおいは来週中には発表されるでしょう。3月24日、25日、予定を開けておいてください。


根津〈やぶさいそうすけ〉で、今日から27日(月)まで、ミロコマチコ展「どこに飛んでいたんだろう」が開催中。


明日から一箱本送り隊のミーティングのため、東松島と女川に行ってきます。日曜は仙台で、火星の庭・前野さん渾身の音楽イベント「おとのわ」を見ます。もっとも新幹線の時間があるので、最後まではいられないかも。東京に戻って、翌日から帰省します。途中、倉敷の蟲文庫さんに行きます。24日には松江で花森安治展の初日を見て、その足で東京に戻ってくるつもり。実家ではネットができないので、しばらくブログは更新できないかもしれません。メールの返事もちょっと遅くなるかもしれないですが、急ぎの場合は携帯にお願いします。