松江で花森安治展

松江市島根県立美術館で、花森安治の生誕百年を記念した展覧会が開催されます。

くらしとデザイン
暮しの手帖花森安治の世界


現在も広く愛され続ける雑誌『暮しの手帖』は1948 年(昭和23)に『美しい暮しの手帖』としてスタートしました。創刊以来30 年間編集長をつとめた花森安治は、編集のほか、取材・撮影・執筆・表紙画・挿絵・レタリング・レイアウトなど雑誌づくりの全てを手がけ、また広告のデザインやコピーの作成まで行う徹底した仕事ぶりで知られています。入稿原稿として制作された作品の数々は、どれもいまなおたいへん瑞々しく、花森が雑誌づくりに込めた熱い思いが伝わります。生誕100 年を記念し、その魅力の全貌をご紹介いたします。


島根県立美術館 http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/sam/index.html
2月24日(金)〜4月9日(月)
休 館 日 毎週火曜日 ※ただし、3 月20 日(火・祝)は開館し、翌21 日(水)休館


関連事業
NKT 文化講演会(日本海テレビ主催事業)
日 時/2 月20 日(月)午後5 時30 分〜(午後5 時開場、約1時間予定)
会 場/島根県民会館中ホール(松江市殿町158)
演 題/「『暮しの手帖』と花森安治の世界〜これからのライフスタイル〜(仮)」
講 師/天野祐吉 [コラムニスト]
その他/聴講方法等詳細は日本海テレビ(島根総局 TEL:0852-26-3151)まで問い合わせ


■ 映画上映会 アラバマ物語(DVD モノクロ上映) 【鑑賞無料】
上映作品/「アラバマ物語」(製作年 1962 年 製作国 アメリカ 監督 ロバート・マリガン 出演 グレゴリー・ペック
日 時/2 月26 日(日)
[1 回目(字幕)] 午前10 時30 分〜
[2 回目(吹替)] 午後 2 時30 分〜 (開場は各回30 分前、上映時間129 分)
会 場/美術館ホール(190 名 当日先着順)
アラバマ物語ハーパー・リー (著), 菊池 重三郎 (訳) 発行:暮しの手帖社
原作(原題:To Kill a Mockingbird)は1960 年に発表され、61 年度ピュリッツア賞を受賞したベストセラー小説。62 から63 年にかけて『暮しの手帖』に翻訳掲載、64 年に花森安治の装釘により単行本化され、以来絶えることなく読みつがれている。(会場に展示予定)


ミュージアムフェスティバル(各種イベント開催)
日 時/3 月18 日(日) 午前10 時〜終日


■ 記念講演会 【聴講無料】
日 時/3 月25 日(日)午後2 時〜(午後1 時30 分開場、約2 時間)
会 場/美術館ホール(190 名 当日先着順)
演題?/「編集者・花森安治 (仮)」
講 師/高橋一清 氏 [(社)松江観光協会・観光文化プロデューサー、元・「別册文藝春秋」編集長、元・「文藝春秋臨時増刊」編集長]
演題?/「『暮しの手帖』表紙画から見た花森安治
講 師/矢野 進 氏 [世田谷美術館主任学芸員、「花森安治と『暮しの手帖』展」(2006 年、世田谷文学館)企画者]


■ ギャラリートーク学芸員による作品解説) 【要企画展観覧料】
日 時/3 月4 日(日)、3 月24 日(土)、4 月1 日(日) 各日午後2 時〜
会 場/美術館企画展示室

2006年に世田谷文学館で「花森安治と『暮しの手帖』展」が開催されましたが、今回はそれを上回る規模になるようです。また、本展は島根以外への巡回が決まってないそうなので、わざわざ見に行く価値はあるでしょう。ぼくとしては、松江と花森の関係を示す資料がひとつでも多く展示されると嬉しいです。なお、世田谷美術館の際に続いて、花森の装釘本をちょっとだけ提供しました。3月25日のトークに合わせて帰省するつもりでしたが、よく考えたら、その日は第3回「あいおい古本まつり」の当日でした。なので、初日(2月24日)に合わせて帰省します。


先週は金、土と、春の不忍ブックストリートについての打ち合わせが1日数件あって、自転車で行ったり来たり。今年も面白いイベントが実現できそう。


木曜は〈神保町シアター〉で、村野鐡太郎監督《夜の縄張り》(1967)。田宮二郎がお得意の悪徳実業家を演じ、脚本が白坂依志夫とくれば期待してしまうが、いまいち盛り上がらず。松岡きっこが『平凡パンチ』のグラビアに載ったり、壁に同誌表紙の大橋歩の絵が飾られていたりと、『平凡パンチ』がよく出てきた。


日曜は〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉へ。特集「記者物語 ペンに懸ける」。井田探監督《君は狙われている》(1960)は劇画の読みすぎみたいな国際謀略もの。53分しかないのに、3分の1眠ってしまう。山崎徳次郎監督《事件記者 仮面の脅迫》《事件記者 姿なき狙撃者》(1959)はどちらも快調。前者は向島あたりから大森、不忍池、上野公園と移動する東京風景が楽しめる。上野公園の殺人の現場は、図書館か美術館っぽいけど、もしかして上野図書館? 《事件記者》のDVDが出ることがあれば、付録にロケ地一覧を付けてほしい。


献本いただいたもの。札幌の中尾(荒木)幸葉さんから『TABLA』第2号。加賀谷誠さん編集の冊子で、アダノンキさん、書肆吉成さんほかが寄稿。中尾幸葉「本はレールに乗って」はこの人らしい実感のあるいい文章。


式貴士『窓鴉 式貴士抒情小説コレクション』(光文社文庫、本体667円)は、同文庫の怪奇小説コレクション『カンタン刑』につづくもの。編集は式貴士研究家の五所光太郎さん。念願の二冊目が出てよかった。瀬名秀明の解説もいい。


片岡義男小西康陽『僕らのヒットパレード』(国書刊行会、本体1800円)。リレーで書いている部分(初出は『芸術新潮』)と、片岡、小西それぞれが書く章という構成が面白い。前後に対談も挟まる。カバー写真は片岡さんで、装丁は平野甲賀さん。


あす発売の『サンデー毎日』に、坪内祐三『探訪記者 松崎天民』(筑摩書房)の書評を書いています。寄り道の面白さのある同書を、どこまで魅力的に紹介できたかな。