やっぱりスゴかった、《ブラック・サンデー》

朝9時すぎに出かけて、千代田線へ。事故があったようで、途中で何度も止まってしまい、思ったより時間がかかる。六本木ヒルズの〈TOHOシネマズ 六本木ヒルズ〉。ここに来るのは初めて。この数年、各所の映画館で「午前十時の映画祭」というのをやっていて、1本1000円で観られる。


今日観るのは、ジョン・フランケンハイマー監督の《ブラック・サンデー》(1977・米)。ビデオやDVDで2度ほど観ているし、トマス・ハリスの原作も読んでいるが、ぜひスクリーンで観たいと思っていた。昨年中から来年1月に六本木でやることを知っており、待っていたのだ。席数が多く、ゆったり座れるが、朝10時にしてはけっこう入っていたかも。2時間20分ぐらいある長い映画だが、最初から引き込まれた。ラストのカタストロフに至るまでの過程が、丹念かつ的確に描かれている。原作も大好きだが、小説とは違う語り口で成功している。出演者も、アラブの女テロリストも、イスラエルの少佐(ロバート・ショウ)もいいが、ブルース・ダーン演じる元アメリカ軍人のマイケル・J・ランダーの狂気は迫真だった。


観終わって外に出ると、ちょうど昼時で人通りが多い。資本主義国の繁栄への呪詛を描いた《ブラック・サンデー》のあとで、こんなところを歩いていると、テロにあってもおかしくないような気がしてくる。


神保町へ。腹が空いたので、〈キッチン南海〉に少し並び、カツカレー。そのあと〈神保町シアター〉でチケット買ってから、近くの〈ベローチェ〉で本を読む。〈三省堂書店〉で書評候補の新書数冊と、ドン・ウィンズロウ歓喜の島』(角川文庫)、永井豪『激マン!』第5巻(日本文芸社)、ラズウェル細木『う』第2巻(講談社)を買う。


神保町シアター〉の無声映画特集。今日は成瀬巳喜男監督の《腰辨頑張れ》(1931)と《夜ごとの夢》(1933)の二本立て。伴奏は神崎えりさん。両方ともダメ夫が主人公だが、前者は陽性、後者は陰性だ。どちらも、貧しさを表すのに、革靴の底に開いた穴を紙でふさぐ描写がいい。どちらも、穴からイラストが見えるのがおかしい。あと、ラストで子どもが事故に遭うというのも共通している。いろいろと発見の多い二本立てだった。


帰って、馳星周『暗闇で踊れ』(双葉社)の書評を書く。日曜の『赤旗』掲載予定のもの。早めに書きあげて図書館に行くつもりだったが、うまくまとまらず、完成すると閉館時間になってしまった。適当に晩飯をつくって食べる。


『旅手帖beppu』第3号が届く(http://beppu.asia/)。別府で発行されているフリーペーパー。今回の特集は「いいとこみつけた」。別府タワー、油屋熊八、通りの話など。写真やデザインもよく、読んで楽しく、別府に携えていって使える。また別府に行きたくなるなあ。