盛岡と仙台で出版者ワークショップ

「出版者ワークショップ」を盛岡でやりましょう! と『てくり』の木村さんから云われ、仙台でどうですか? と火星の庭の前野さんから打診されていたのが、今年の前半。そろそろ内容を詰めましょうと云ってたところに、あの震災でした。一度は中止だろうと諦めていたのですが、両者ともぜひやりたいと云ってくれたのは嬉しかったです。一箱古本市の準備期間に入ってしまったので、やや準備に不安はありますが、参加者の手ごたえのあるテーマを設定したつもりです。年齢・性別はもちろん、出版にかかわった経験は問いません。広い意味での「本づくり」(流通までを含めて)に興味のある方なら、どなたでも参加できます。また、盛岡と仙台ではまったく別の内容になっているので、両方に参加しても面白いかと思います。東京からはWSのメンバーも数人参加予定です。


この未曾有の事態に、出版業界は大きく揺らいでいます。経済的な打撃も深刻です。しかし同時に、ウェブやテレビにはない、出版特有の力が見直された2ヶ月間でもありました。そういう状況で、地方で個人や少人数のグループが、出したい本・出すべき本を出版していくための方策を、考えていきたいと思います。みなさんの参加をお待ちしています。


盛岡はことし初開催の「モリブロ」で行ないます。

出版者ワークショップ in 盛岡


●5月15日(日)OPEN 12:00 / START 12:30 
・第一部 トークセッション「伝える技術」〜本と人と街をつなぐ
・第二部 出版者ワークショップ実践編「わたしの街の本をつくろう」
会場:岩手県公会堂 21号室
参加料金:各1,000円(各チケットの販売について)
※第二部へ参加希望の方は、moriburo@tekuri.net まで、メールのタイトルを「第二部参加希望」として、氏名・年齢・職業・当日つながる電話番号をお送りください。参加費は当日受付にてお支払いいただきます。限定30名。申し込み〆切:2011年5月6日(金)


◎ 第一部 トークセッション「伝える技術」〜本と人と街をつなぐ
<12:30 〜 14:00>
全国に広がる「一箱古本市」を考案した南陀楼綾繁氏をコーディネーターとして、出版に関わるさまざまなポジションの方をパネラーにお呼びしたパネルディスカッション。いま、本を通してなにができるか、この場を通じて考えみませんか。
【パネラー】
伊藤清彦/元さわや書店本店 店長
前野久美子/ブックカフェ火星の庭(仙台)店主
木村敦子/「てくり」アートディレクター
【司会】
南陀楼綾繁


◎第二部 出版者ワークショップ実践編「わたしの街の本をつくろう」
<14:10(第一部終了後)〜 17:00(予定)>
自分の住む街のこんな人、あんな店や歴史、文化などについて、あるいは、東日本大震災以後の生活の変化についてなど、「1テーマで1冊」の単行本の企画を、受講者に考えてもらいます。それをどんな本にできるのか、どういう売り方をすればきちんと読者に届くのかを、話し合います。本づくりのレッスンを通して、街の魅力を再発見できるワークショップです。『てくり』をつくる、まちの編集室スタッフもお手伝いします。


◯「出版者ワークショップ」とは・・・
2010年6月に開始の、ライター・編集者の南陀楼綾繁主宰のワークショップ。個人がつくりたい本をつくり、読者に手渡すまでの過程を実践しようとする場。月2回開催し、本づくりをめぐるさまざまな問題を話し合うほか、ゲストをお呼びして現場の話を聞く。受講者の出版に携わった経験の有無や年齢は問わない。


南陀楼綾繁(ナンダロウアヤシゲ)
1967年島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。古本、新刊、図書館、ミニコミなど、本に関する事ならなんでも追いかける。本好きたちが一箱分の古本を持ち寄って販売する「不忍ブックストリート一箱古本市」発起人。
著書に、
『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、
『老舗の流儀』(幻冬社メディアコンサルティング)、
一箱古本市の歩き方』(光文社新書)など。
ブログ→ http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/
ツイッター→ @syuppanmono


伊藤清
1954年、岩手県一関市生まれ。1982年、山下書店本店にパートで入社、書店業界で初めての手書きポップによる販売をはじめる。1987年、本店副店長(社員)、89年、町田店店長、1991年3月、山下書店退職。1991年7月、さわや書店入社、1992年1月、さわや書店本店店長。2008年10月、さわや書店退職。現在一関市東山町在住。在職中は『天国の本屋』、『永遠の0』などを全国で最も売った本屋として、さわや書店の名を一躍有名にした。2011年『盛岡さわや書店奮戦記』論創社刊。


■前野久美子
「book cafe火星の庭」店主。1969年、福島県生まれ。。調理師、出版社・書店勤務等を経て、2000年に夫の前野健一さんと、古書店と喫茶が融合した「book cafe火星の庭」を開店。自身がヨーロッパの都市で出会ったブックカフェという存在を仙台に根付かせた。店内でライブや美術作品の展示を行うなど街の交差点的な役割も果たし、週末には他県からも多くの来店者がある。編・著書に2011年『ブックカフェのある街』(仙台文庫)メディアデザイン刊。


■木村敦子
1968年、岩手県盛岡市生まれ。『てくり』アートディレクター、編集者。

仙台は「Book!Book!Sendai2011」での開催です。
開催日は6月26日(日)午後、テーマは「編集者・丹治史彦の仕事」に決まっていますが、まだ未定の部分があり、告知していません。
確定したら以下に載りますので、ご覧ください。
http://bookbooksendai.com/2011/


なお、盛岡・仙台とも一箱古本市が開催されますが、そのことは別に紹介します。