『Sanpo magazine』に田中啓文さんインタビュー

13日の助っ人顔合わせ会は30人以上が参加してくれました。懇親会から来てくれる方もいて、さらに二次会にも20人近く残って、遅くまで話しました。年齢も仕事も異なる人たちが、初顔合わせで7時間一緒って、そんな機会、なかなかないですよね。一箱古本市weekが終わるまで、いや終わってからも、長い付き合いになりそうです。皆さん、よろしくお願いします。


昨日は〈ファーブル昆虫館〉での奥本大三郎さんトーク。告知から時間がなかったので、予約の入りが悪かったのですが、東京新聞の情報欄に載せてもらったり、週末にあちこちでチラシをまいたりしたおかげで、蓋を開ければ30数人が集まり、集会室は立錐の余地ないほどでした。奥本さんはリラックスした雰囲気で、虫と自然についてのさまざまな話をしてくれました。聴き手の山崎範子さんがどんな話題を振っても、やわらかく受け止め、思いもつかない方向に話を広げていく。しばしば観客に「どう思います?」と訊く辺りはやっぱり先生だなあ。最後に明るい話題をと山崎さんが云ったら、「LEDというのはね……」とはじまったので、一人で悶絶笑いする。年末の〈古書ほうろう〉でのトークで、〈古書往来座〉の瀬戸雄史さんが、古本屋の未来はと訊かれて答えたのと同じじゃないか。LEDは標本の照明に適してるとかいう話だったと思う。


今日は朝から確定申告の書類に取り組み、税務署に提出する。最終日より前に提出したことがない。戻ってからは、これも遅れていた〈リブロ〉名古屋店の古本市の本に値付けして、宅急便で発送する。


大阪で発行している『Sanpo magazine』第4号届く。なんと126ページ。今回の特集は「古本ニューフェース」と「おいしい珈琲」。はじめて知る店が多く紹介されており、『エルマガジン』亡きあと、関西旅行のお供には欠かせない雑誌となっている。「古本ソムリエ氏と行く奈良古本修行散歩」の弟子は〈古書徒然舎〉の廣瀬由布さん。山本さん、女性をひきつれて古本屋回りできるなんて、おいしい企画ですね。たまには男も弟子に任命しなさいよ。目次はこちら。http://d.hatena.ne.jp/cricket007/20100313


ぼくは巻頭の田中啓文ロングインタビュー「落語とジャズと焼酎の日々」の聞き手・構成を担当しました。田中さんの小説はどんなジャンルのものでも面白く、田中ワールドが構築されています。インタビューでも触れましたが、同じ関西の作家であるかんべむさしを愛読したことを思い出しました。今回のインタビューは、収録場所に使わせてもらった〈書肆アラビク〉に、田中さんがお客さんと来たことがあるという縁で、実現できました。田中さんはどんなアホな質問にもいやがらず答えてくださる素敵なヒトでした。田中さんの小説を読んだことがない人でも、楽しく読める内容になっていると思います。


しかーし、残念なことがひとつ。届いた雑誌を読んでいたら、最後の一文がごっそり抜けていました。私が書いたシメの文章で、たいした内容ではないけど、落語で云えば「オチ」の手前で終わっているようなもので、がっくり。同誌は最初校正なしで進む感じだったので、こちらから頼んでゲラをファックスで送ってもらった。当然そのときに気付くべきだったのだが……。これから納品・発送する分には正誤表が入るようですが、以下にいちおうその部分を載せておきます。

インタビューを終えて、田中さんと別れたあと、天五中崎通商店街の〈青空書房〉に寄ったら、店の奥にいた髭面の男性に「どうも……」と声をかけられる。なんと、田中さんだった。さっき「古本屋に行かないようにしてる」とおっしゃったのはどなた? 話しながらビール飲んじゃったので、古本屋に寄りたくなったのか。私が店を出るときも、田中さんは楽しそうに本棚を眺めていた。「この棚、端から端まで買うわ!」と言いたくなるのを我慢してたのかも。


あと、増刷が決まっていた『sumus』第13号ですが、ちょっと遅れて、来週頭に到着する模様です。着き次第、〈古書ほうろう〉に納品します。少しだけ誤植を直してあります。