50人の助っ人さんのこと

再三お知らせしていますが、明日はいよいよ助っ人さんの顔合わせ会です。
http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/20100218
すでに30人以上が参加されることになっていますが、他にも参加してみたいという方がいらっしゃったら遠慮は要りません。谷中コミュニティセンターの第1会議室においで下さい。いまからだとお返事が出せないかもしれないので、事前の申し込みは不要です。説明が終わってからは、谷中の〈珎々亭〉で懇親会を行ないますので、そちらからの参加でも結構です。実行委員会からも6、7人加わる予定です。


ことし2月4日に募集を開始した助っ人さんですが、今日の段階で50人が手を挙げてくださいました。一箱古本市はいつも助っ人さんの力で成り立っていて、昨年ものべ30人ほどが手伝ってくれたのですが、それでも当日のマンパワーは十分ではなく、同じ場所で一日立つ人や、二か所かけ持ちする人が出てしまいました。今年こそはオーバーワークをなくして、無理せずに、一緒に一箱古本市を楽しく盛り上げたい。そのためには、50人はほしいと考えました。それが達成できたのはとても嬉しいです。


これだけたくさんの方々に動いてもらえるということは、私たち実行委員会にとっては大きな喜びであると同時に、非常に責任を重く感じてもいます。助っ人さんに何かをお願いするということは、たんに私たちがやるべき労働を肩代わりしてもらうということではない、と私は考えます。その作業を通して、助っ人さん一人一人がお金ではない何かを持ち帰ってもらう機会にすべきだと思うのです。もちろん、それは簡単なことではないのですが。


以前、誰かに「人に頼むと結局二度手間なので、自分でやる方が早いですよ」と云われたことがあります。実際、そういうことはよくあって、説明している間に自分で手を動かせば解決できることは多いのです。ひとつの作業を設定するためには、それがどんな意味を持ち、その結果どういうことが可能になるかをきちんと説明できなければなりません。それは面倒なことです。しかし、そういう手順を踏むことによって、初めて分かることがたくさんあります。


私たちが助っ人さんをたんなる労働力として「使う」ことしか考えなかったとしたら、時間を割いてわざわざ集まってくれる助っ人さんは失望するでしょう。そういうずるさって、案外すぐに見抜かれてしまうものです。今年せっかく50人集まったとしても、一箱古本市が終わるころには半分以下になっているかもしれません。そうではなく、今年の助っ人さんがこの先も何らかのカタチで積極的に関わってくれるような「場」をつくることが、実行委員会には求められているのです。その意味で、助っ人さんを私たちが動かすのではなく、私たちがどこまでやれるかを助っ人さんに試されていると云えます。


一箱古本市には、立場の異なる多くの人たちが関わっています。場所を提供してくれる大家さん、本を販売する店主さん、不忍ブックストリートMAPを支える広告主、そして、私たち実行委員。それらの中で、直接的な目に見えるメリット(お金とか認知度とか)が最も少ないのは助っ人さんです。でも、いちばん楽しそうに見えるのも、じつは助っ人さんなのです。「ボランティア」ということばを、私は好きではありません。それはどこか、犠牲を払ったうえで得られる喜び、というニュアンスが漂います。そうではなくて、自分ができること、やってもいいということを提供することで、一緒に一箱古本市をつくり上げていく楽しさを味わってもらいたいと思うのです。そして、いまの助っ人さんの中からきっと、新しいアイデアや動きが生まれていくだろうという予感があります。不忍ブックストリートの最大の財産は、じつは彼ら、助っ人さんなのです。


では、明日3時30分に、お目にかかりましょう。