「ミスター一箱古本市」のたすきは重かった


朝8時起き。《ウェルかめ》を観てから、仕事場へ。短い原稿を1本書く。まだほかにもあるのだが、Twitterでのみちくさ市の中継を見ていると、手がつかなくなる。12時前に出かけて、池袋へ。サンシャイン通りにできたブックオフへ。本は3階で、たしかに広い。オープンから数日経っているので、思ったよりヒトが少なかった。105円を中心に数冊買う。


雑司が谷まで歩き、みちくさ市の会場へ。天気も良く、鬼子母神境内の手創り市も開催とあって、これまでに最高の人出のようだ。商店街の店もほとんど開けており、何らかのカタチで参加しているのがいい。取材があるので、先に〈風味亭〉に入り、海老チャーハンを食べる。そのあと、会場を一回り。「古本すずめ」さんで、『新しい日本』東京編全3冊(国際情報社)を600円で。オリンピック前の1962年に出た、東京紹介のグラフ雑誌。写真が多くて、使えそう。Pippoさんのところで、読売新聞社文化部編『戦後文壇事件史』(読売新聞社)500円、隣で『HB』の最新号、塩山さんのところで、熊井啓『映画「黒部の太陽」全記録』(新潮文庫)と買う。ガレージには、前回の外市で競った二人の箱が出ているが、さすがにいい品揃え。u-sen出品の青地晨編著『続ルポライター入門』(みき書房)300円、巌谷大四『随筆 父と子』(三月書房)400円、王子出品の伊東聖子『風俗ドキュメント 新宿物語』(三一書房)400円、を買う。


出店者の「文庫善哉」さんから、12月23日(水・祝日)に〈キアズマ珈琲〉前でひとり青空古本市をやることや、「古本Tさん」たちから12月12日、13日に京島の〈ラブガーデン〉で古本市「本の庭」が開催されるとのことなどを聞かされる。また、洋書やアジアグッズを並べていた「くしゃまんべ」さんは12月中旬に王子駅近くに古本・雑貨の店兼カフェを開店すべく準備中とのこと。一箱古本市みちくさ市に出している人たちが、独自で新しい動きを見せてくれるのはとても嬉しい。


途中、NHKのBSブックレビューのスタッフと落ち合う。インタビューは後日になったので、今日は適当に歩いてくれと云われる。これがけっこう難しいんだよな。必然的に知り合いの箱を覗いて、話しかけるコトに。最後に短いコメントを撮って終了。ミカコさんがつくってくれた(というか、押しつけられた)「ミスター一箱古本市」のたすきは出すヒマがなく、あとで岡崎さんたちの箱の前でちょっと着用する。吉上智子さんに写真を撮られた。なんか、復員兵みてえ。


打ち上げに参加したかったが、時間がありすぎるので帰る。〈往来座〉と〈リブロ〉に寄り、後者で永江朗『書いて稼ぐ技術』(平凡社新書)を買う。少しは売れるライターになれるよう、この本を読んで勉強しよう。などと云いつつ、西日暮里に戻って、仕事の本を読みだすと眠くなってしまった。ダメですなあ。


ウチに帰り、旬公と晩飯を食べてから、須川栄三監督《けものみち》(1965)を観る。これまで二度のテレビドラマ版しか観てなかったが、これは心理サスペンスの傑作。2時間20分が長く感じられない。武満徹の音楽も不安さを盛り上げる。


明日は、19時から〈青山ブックセンター〉本店で、「本とともに街を歩こう」と題して津野海太郎さんとトークします。津野さんの新刊『したくないことはしない 植草甚一の青春』と一箱古本市の話題が、どこでどうつながるか、われながら楽しみです。予約なくても入れるはずなので、どうぞおいで下さい。