怒涛の広島3連戦・最終日

朝8時起き。フロに入ってから、朝食へ。部屋に戻って、荷物をまとめてから、出る。チェックアウト不要でそのまま外に出ればいいのだが、なんか忘れているようで不安。広島駅の方へ歩き出すが、途中で方向が判らなくなる。大通りに出たら、まだだいぶ先だったので、路面電車に乗る。駅のコインロッカーに荷物を入れ、集合場所へ。今朝の中国新聞に、昨日の一箱古本市の記事が出ていることを教えてもらい、キヨスクで買ってくる。


これから路面電車を貸し切ってのイベントがある。地元の情報誌『TJ Hiroshima』の冠イベントということで、「TJ Hiroshima号」。今日、落語をしていただく平々亭青馬(へいへいていぶるま)さんに挨拶。広島生まれ、広島育ちで、師匠を持たずにプロの落語家として活動しているという、珍しい存在。


11時に貸し切り電車が入線。通常運行の電車の発着を縫って、空いたホームから発車するのだ。1車両で30人ほどが入る。進行方向の前の方をステージとして、ビールケースを並べて、その上に毛氈と座布団を置き、高座の出来上がり。発車と同時に落語がスタート。電車がホームに止まるたびに、窓からヒトが覗きこむ。演目は広島にちなみ、「吉田拓郎物語」という創作落語。拓郎のことはあまり知らないぼくでも、その半生がよく判る構成になっていた。相当苦労されただろう。ただし、ギャグはダジャレが多くてちょっと……でした。終点の江波に着く直前に、噺を終えたのはさすが。


江波は、向こうに高い山のある、とても広島市内とは思えないところだった。電車基地があり、車庫内にある被爆電車に乗らせてもらう。原爆に遭ったにもかかわらず、修復されて戦後も走っていた車両だ。いまでも2両現役だというのに驚く。


復路は、岡崎さんとぼくのトーク。マイクが断線しやすくて、ちょっと喋りにくかったが、どうやら声は届いたようだ。広島の印象から入り、岡崎さんが昨日行った岩国のこと、買った本の披露など。ときどき窓からどの辺りかを確認していたが、あっという間に終点の広島駅に着いてしまった。休憩も入れて、1時間半。ちょうどよい長さの小旅行だったのではないか。


岡崎さんとまた路面電車に乗って、紙屋町東で降りる。そこで別れて、本通へ。昨日の〈圓屋〉の両隣りに、〈平和園〉と〈チャルメラ〉という中華料理屋があり、しばし迷った末に〈チャルメラ〉に入る。80すぎだろうおばあさんが新聞を読みながら、孫か娘かの店の女性と話をしている。ビールとギョーザ、チャンボンを食べる。チャンポンが野菜たっぷりでじつにウマかった。また来たい。


しょうこりもなく、またパルコ前の古本市を覗くが、さすがに三回目だから欲しい本はなかった。一箱古本市の会場で、ざっと箱を見る。ガレージに戻り、販売を頼んでいたドンベーさんと交代。今日は、器と道具のお店〈LOUTO〉(http://louto33.blog33.fc2.com/)も出店。ぼくと同じ小学校出身のご主人としばし話す。3時頃にドンベーさんの弟さんが、4つと2つの姉妹を連れてやってくる。はじめはモジモジしていた二人だが、いつもマスコットに連れているプレーリードッグのぬいぐるみを見せると、大喜び。帽子を着脱したり、腹に触ったりして遊んでいた。カワイイねえ。4時に販売終了。売り上げは、二日で1万5000円ちょっと。やっぱり本人がいないと、売り上げは極端に低いな。


荷物をコンビニから出し、あとは帰るだけ。また路面電車に乗って、広島駅へ。駅前の純喫茶〈パール〉に寄ろうと思っていたが、残り30分しかないので次の機会に。5時半ののぞみ号に乗り込む。車中ではほとんど寝て、9時半に東京着。ウチに帰り、日記を書いていると2時になった。泥のように眠い。


お好み本ひろしまは、盛況のうちに終わりました。トーク三連戦はいずれも好評で、やった甲斐はありました。一箱古本市も、路面電車イベントという試みもよかったです。地元メディアも大きく取り上げたようで、今後につながったのではないでしょうか。財津さん、加井さん、津組さんら実行委員、ボランティアの皆さん、お疲れさまでした。財津さんには「やたらと全身像をサイトに乗せたがる男」だとか、「ぜんぶ女性陣に頼っていて使えない」などとずいぶんイジってしまいましたが、あなたが先に動かなければ、ナニもはじまりませんでした。今後もみんなを引っ張っていってください。ぼくも(ときどき文句と皮肉は交えつつ)できる限り応援しますから。