怒涛の広島3連戦・初日

2日午前中に東京に戻ってからは、怒涛のような仕事。午後に『彷書月刊』用にTさんとの対談。翌日はひたすら「小説検定」の本読み。そして4日は光文社での新刊プロモーションの打ち合わせがあり、フリースタイルのマンガベスト本やミニコミの原稿もあってパニックに。夜に行くはずだった、〈古書ほうろう〉での田村七痴庵独演会には顔すら出せず。5日はいよいよ待ったなしなのだが、ざっと目を通すつもりで読みはじめた小説が面白く、この期に及んで、午後までかかって読了した。そして夕方から「小説検定」の問題をつくりはじめる。招待していただいていたマーガレットズロースのライブにも、行けるはずがなく。午前3時にようやく完成。バイク便に資料を引き渡したら、ウチに帰って数時間は眠れる。これで、昼から広島に向かって出発できる。


5時すぎにウチに帰り、10時まで眠る。フロに入って、荷物を用意して出かける。東京駅に思ったより早く着いたので、1本早いのぞみに乗ることができた。車内ではビールと天むす。以前はいつもチキン弁当だったが、最近はコレが多い。いちばん安いし、そこそこ腹が膨れるので。原稿に使う本を読み、名古屋あたりから眠りに落ちる。広島に着いたのは4時。


路面電車に乗り、本通で降りる。適当に歩いているとパルコに行きつく。建物の前で、広島の古書店5軒によるワゴンでの古本市をやっている。遠目にはちょっと少ないかなと思えたが、覗いてみると、かなりレベルの高い本が多く、しかも安いので驚く。なぜか、小泉喜美子が3冊もあり、『コメディアン』(新評社)300円、『殺人はお好き?』『暗いクラブで逢おう』(徳間文庫)各100円で、うち2冊は未所持のものだったので嬉しい。ほかに、サンリオSF文庫は300円で大量に出ており、アーサー・C・クラークスリランカから世界を眺めて』を買う。〈あやかしや〉と〈神鳥書店〉がとくにヨカッタ。


袋町に出て、前にも寄った大衆食堂〈こがね〉へ。ガラスケースからハマチの刺身、おでん鍋から豆腐とスジを取る。ビール飲みながらそれを食べ、最後にかしわうどん。なんということもない料理ばかりだが、とてもうまい。あー、幸せ。


また路面電車に乗り、3つほど先で降りる。ちょっと迷って、会場の〈カフェパコ〉にたどり着く。NPOが運営しているそうで、かなり広い店。蟲文庫田中美穂さんと、「お好み本ひろしま」のスタッフに挨拶。そのうちお客さんが入ってくる。女性が多い。岡崎武志さんやドンベーブックスさんの姿も。30人以上になる。


7時にトークを開始。田中さん、人生初のトークで緊張しているとおっしゃっていたが、傍目にはとても落ち着いて受け答えしていた。古本屋になったきっかけ、店で扱っている本やCD、ミニコミのこと、店内ライブのこと、《ウェルかめ》のモデル疑惑、苔とカメの話など。田中さんの答えは短く、ほかの人ならもう少し突っ込んで訊くところだが、あえて寸止めにして次に進むと、いい感じの流れになった。ぼそぼそと話していた田中さんが、コケのハナシになったとたん、明らかに声のトーンが高くなりテンポも速くなったのが面白い(会場にいた人みんなが判ったはず)。終わってからその場で懇親会。蟲文庫さんに憧れているらしき女子が何組か、田中さんに話しかけていた。


そこが終わってから、タクシーで〈ヲルガン座〉へ。明日の路上電車ライブで店主のゴトウイズミさんが出演されるのだが、それを見ることができなさそうなので。ほぼ満員で、中二階の座敷に座るが、頭も横幅もつっかえてしまう。あとでテーブルが空き、財津さん、加井さん、津組さんも一緒になる。今日は別の場所でライブだったというゴトウさんも帰ってきて、はじめて話をした。


まだ宵の口と思っていたら、12時回っており、タクシーで〈スーパーホテル〉へ。暗証番号を入れないとなかに入れないのが面倒だが、フロントは親切で、部屋も結構広い。LAN接続できるのもありがたい。テレビをつけると、ちょうど《探偵!ナイトスクープ》をやっている。それを観たあと、フロに入って眠る。


東京堂〉で中川六平さんのトークがあります。

◆「中川六平トークショー
 『ほびっと 戦争をとめた喫茶店ベ平連 1970-1975 in イワクニ』講談社刊 出版記念講演会

中川六平 (なかがわ・ろっぺい)
 1950年新潟生まれ。同志社大学卒業。大学時代ベ平連活動に参加。在学中、哲学者・鶴見俊輔さんと出会う。75年、東京タイムズ入社。85年退社後、ライター、編集者となる。
 著書に『「歩く学問」の達人』(晶文社)、『天皇百話・上下』(鶴見俊輔共著、ちくま文庫)がある。また、晶文社の編集者として『ストリート・ワイズ』(坪内祐三)、『月と菓子パン』(石田千)、『全面自供』(赤瀬川原平)、『小沢昭一随筆隋断選集』全6巻などを担当した。

中川六平さんは京都の学生時代、ベ平連の活動として山口県岩国市で「ほびっと」という反戦茶店のマスターを二年間していました。『ほびっと 戦争をとめた喫茶店』(講談社)は、その活動に関わっていく1970年から、去っていくまでの日々を描いた作品です。
ひとりの青年が、それまで縁も所縁もない土地「基地のある場所」へやってきて、地元で生活しているひとたちの中で自分たちの思想を表現し行動する―。それはどんなことか。<ベ平連>とは、<反戦>とは、70年代とは―。
飾らずに描かれた日常は真正面から気持ちに飛び込んできます。
当時の話から現在まで、中川六平さんのお話をぜひお楽しみください。


★11月7日(土) 15:00〜17:00(開場14:45)
◇場所:東京堂書店本店6階(東京都千代田区神田神保町1-17)
    http://www.tokyodoshoten.co.jp/
☆参加費:500円
ご予約、お問い合わせは東京堂書店1階カウンターで
お電話(03-3291-5181)でも承ります。