本郷ぶらぶら

朝8時起き。今日はイイ天気だが、気温がかなり低い。《ウェルかめ》を観てから、部屋の掃除。ウチに義父母がやってくるが、入るなり、「なにコレ、本ばっかりね〜」と云われてしまった。その後も、三人の毒入りの会話に入り込めず。


自転車で出かけて、本郷へ。こっち方面に来るのは久しぶり。ギャラリー〈ヴァリエテ本六〉で、「AUTUMN SONGS」という展覧会を見る。平面、立体、写真、陶器など11人のアーティストの作品を展示している。白石ちえこさんが、鶏卵紙で焼き付けた富士吉田の写真を出していたが、街の風景が幻のように見えてとてもいい。7日(土)まで開催。このギャラリー、以前来たときより、本棚がずいぶん増えていた。これも久しぶりに入る〈万定〉で、ハヤシライスを食べる。850円。戦前から使っているレジはいまだに健在。


菊坂あたりを適当に流し、裏道を通って、〈文教ふるさと歴史館〉に着く。今日は文化の日なので、入館料は無料だった。特別展「実録!“漫画少年”誌 昭和の名編集者・加藤謙一伝」を見る。加藤は講談社の『少年倶楽部』の編集長で、戦後の追放時代に『漫画少年』を創刊し、手塚治虫らの漫画家を起用した人。講談社の創業は千駄木、『漫画少年』の学童社は本郷弓町(このふるさと歴史館の近所)、加藤の自宅は動坂などと、文京区に縁のある人生だった。学童社は1950年以降、小石川一丁目の〈善隣学生会館〉(通称・満州会館)内に移っているが、ここは現在の〈日中友好会館〉で、小石川植物園の隣にある。「本とコンピュータ」時代、終電を逃すと、タクシーでこの建物のヨコを通って、ウチに帰ったものだ。加藤の手紙や日記を見て、名著『少年倶楽部時代 編集長の回想』(講談社、1968)を再読したくなった。展示では、文京区内の出版社についてのコーナーがあり、興味深かったが、図録(500円)では地図も含めてこの部分が載っておらず、不満。12月6日まで開催。また関連企画として、〈豊島区立郷土資料館〉では「トキワ荘のヒーローたち」が12月6日まで開催中。こっちも見ておきたい。


本郷三丁目の〈ブックスユニ〉で、石黒正数それでも町は廻っている』第6巻(少年画報社)、『たばこ屋の娘 松本正彦短編集』(青林工藝舎)を買う。東大の中を通って、弥生門から出る。〈弥生美術館〉の前を通る。先日、館長の鹿野琢見氏が90歳で亡くなったそうだが、同館には今後も頑張ってほしい。


根津に出て、不忍通りを走る。〈往来堂〉近くのお茶屋〈喜多の園〉へ。「古本屋ツアー・イン・ジャパン」(http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/8751855.html)で報告されていた店。たしかに、店頭にワゴンが出ており、そこにパラフィンを巻かれた古本が並んでいる。店の中にも、壁際に本棚があり、単行本が並ぶ。思ったより、かなり多い。本は、一人の著者につき十数点の本が出ていて、いかにも個人の蔵書という感じ。2冊500円で、「小説検定」に使える本を買う。


ウチに帰り、本を読みながら眠ってしまい、気づいたら5時すぎ。押し寄せる締め切りに頭を抱える。それを乗り越えても、年内はあといくか山がある。新刊のプロモーションもあるしなあ。晩飯は冷蔵庫にあるもので、適当に済ます。旬公が神保町で買ってきた卵をかけて、ご飯を食べる。ウマイ。