一箱の父、博多でスルーされる

朝8時起き。シャワーを浴びて、シャツなどを洗濯。部屋に洗濯機があるのはありがたし。快晴で一箱には文句ない天気。〈青木堂〉の朝定食(390円)を食べて、ぶらぶらと歩いて、けやき通りの〈キューブリック〉前へ。店主のミーティングのあと、福岡銀行の前に移動。ココに3箱出るのだが、朝の日差しがギラギラ照りつけてきて、開店前にグロッキーに。しかし、売上は好調で、12時までに1万5000円に達する。今年はなんだか出足が早い。今月半ばに一箱古本市をやる「ブックマルシェ佐賀」の人たちや、顔見知りの人たちが、挨拶しに来てくれる。


12時半ごろ、実行委員の古賀さんに店番をお願いして、ほかの箱を見に行く。並びの少し先に出ていた「古書西海堂」がすごい。戦前のクロっぽい本や雑誌、パンフレット、絵葉書などをすごい量出している。しかも極美。台湾愛書会の『愛書』2冊、『刀圭界の奇人 田中みはる君』(いもづる社、1942)などを格安で頒けていただく。店主は唐津の方で、これから古本屋をはじめるそうだ。この箱のショックがあまりに強く、そのあと一回りするも、印象の強い箱が見当たらなかった。それでも数冊は買う。


箱に戻り、しばらくすると、NHKテレビが取材にやってくる。ぼくの隣の二箱には、一箱の印象や読書についてコメントを求めていたのに、それが終わると「はい、終了で〜す」と、こちらを見もせずに撤収。きっと見た目で、取材するに及ばずと決めつけられたのだろうし、べつに取材してほしかったワケではないが、下調べとかしないんだ、ふーん、と思う。博多でもだいぶ認知されたといい気になっていたが、まだまだ存在感が薄いのだろう。


いちどビルの陰に隠れた日差しが、また復活し、耐えがたくなった頃に、場所の移動を指示され、日陰に移る。4時に終了。売り上げは2万5000円にちょっと及ばず。売れ残った一箱を宅急便で広島に送り、他の荷物を持って、いちど〈konya〉に戻る。今朝できなかった無線LAN接続だが、Mさんにキーを教えてもらい、無事接続できた。


5時ちょっとすぎに〈ヌワラエリヤ〉に着くと、表彰式が始まっている。ブックオカ実行委員会が出した賞が、ぼくの選んだ箱と重なってしまった。一緒の場所に出た「活版トラベル」さん、おめでとうございます。そのあと、懇親会。店主さんやボランティアの方と話す。明日のセミナーで話される元小学館大原哲夫さんもあとから参加。思った通り、熱く語るヒトだった、


お開きになったあと、実行委員5人と裏通りのカフェへ。そこで合流した店主さんで、藤村さんの友達という人が、むかし「乱調社」に顔を出しており、しかもぼくと時期がダブっていたらしく、出す固有名詞がすべて合致して驚く。そのうえ、いまおやりになっている仕事も、ぼくの知りあいだったりする。こういう出会いがあるんだなあ。


12時前に店を出ると、生野さんから電話。「年金バーにいるから、すぐ来なさい」というコトだったが、これ以上疲れるとあす使い物にならないので、辞退する。国体道路の、前に入った〈ナンバーワンラーメン〉へ。一組しかいなかったのに、ぼくが入ってすぐ、客が続々入ってくる。なかには、ハロウィーンでゴレンジャーの格好をした10人組なんてのも。満席で、空くのを待つ客も。オレって、やっぱり「仙台四郎」の末裔なのでは……(自分自身は儲からないが)。