神田古本まつりで新刊を買う

朝8時起き。《ウェルかめ》(ますますヒドい)を観てから、眠くてちょっと二度寝。昨夜、溜まっていたマンガを処分しようとして、二ノ宮知子のだめカンタービレ』を読み返しはじめたからだ。寝るまでに10巻近く読んでしまった。10時頃に仕事場へ。金曜から出かけるので、その準備をあれこれ。


12時に出て、神保町へ。〈神保町シアター〉でチケットを買い、〈三省堂〉の別館4階にできた三省堂古書館へ。ネット系など十数店が棚ごとに本を出している。上の古書モールと違って整然と並べられている。何か目的を持って探すときには便利かもしれない。今日はナニも買わず。下に降りて、昨日からはじまった神田古本まつりを覗く。靖国通りから〈岩波ブックセンター〉ヨコの会場に向かって流すが、減らさねばならない仕事場とウチの本の量を考えると、いまあえて買わねばという気になる本には出会えず。三一書房の本が大量にゾッキに出ており、『近代庶民生活誌』シリーズが1冊1600円と激安だったが、置く場所がないのでとても買えない。大学生のときにこの中のある巻が欲しくて、生協で分割で買ったコトを思い出した。


けっきょく古本は1冊も買わなかったが、新刊は買う。〈高岡書店〉で、西島大介『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』(太田出版)とカラスヤサトシ『キャラ道』(講談社)、〈すずらん堂〉で、山岸凉子舞姫 テレプシコーラ第2部』第3巻(メディアファクトリー)、〈東京堂書店〉で、坪内祐三『風景十二』(扶桑社)、宇野常寛更科修一郎サブカルチャー最終審判 批評のジェノサイズ』(サイゾー)、飛鳥新社編集部編『はじめての神保町』(飛鳥新社)を買った。


神保町シアター〉で、鈴木清順監督《影なき声》(1958)を。主演の南田洋子が亡くなったせいか、満席の盛況。初見では松本清張原作としてはいちばん面白い作品だと思っていたが、今回はそれほどではなく、途中20分ほど眠る。ただ、何度も出てくる操車場が田端のそれだと今回初めて知り、興味深かった。南田の住むアパートも、なんとなく場所の見当がついた。


西日暮里に帰り、荷物を持って、ウチへ。しばらく待つうち、書肆紅屋さんから再校のチェックが戻ってくる。こちらが気付かなかった指摘がいろいろあり、それらを反映させるのに1時間ほどかかった。コレで再校の著者校正は終わり。明日戻して、ようやく手から離すコトができる。


8時に〈ブーザンゴ〉で茶話会。面出しされていた村岡秀男『下町や東京昭和遠ざかる』(彩流社)という写真集を手に取ると、千駄木や谷中、下谷や南千住の1980年代初頭のモノクロ写真が多く収録されていた。こんな写真集が出ていたのか。1400円だったので購入。そのうち、人が集まってきて12人ほどに。今日のお話は、吉上恭太さん。親戚であったギタリストの伊勢昌之さんについて、残された演奏を聞かせながら話していく。自分のつくりたい音楽が明確にあったにもかかわらず、さまざまな事情でそれが実現できないことへのいらだち、クスリへの耽溺などを経て、若くして亡くなる。彼の「生きづらさ」が少しだけ判るような気がした。決して好人物とは云い難い伊勢さんにギターを習い、その後も付き合ってきた恭太さんもすごい。最後に恭太さんがアコースティックギターで数曲披露してくれた。


次回の「不忍ブックストリートの茶話会」は11月18日(水)。ゲストは『はじめての神保町』(飛鳥新社)の取材・執筆を担当したライターの濱野奈美子さんに、同書の裏話をいろいろお聞きします。


12時半ごろ、旬公が帰ってくる。今日、成田近くの農家に取材に行き、そこで売っている豚肉でしゃぶしゃぶをするというコトになっていたのだ。ブーザンゴでチーズをつまんだだけなので、空腹がたかまる。二種類の豚肉のしゃぶしゃぶは、待った甲斐があるというウマさ。夜中に食べちゃいかんのだけど。