「大乱歩展」にはいろんな発見があった

まず、告知です。

★【講座オフノート・番外篇】
埋み火の記憶を辿る 
知られざる「日本フォーク」秘史


フォーク創世記に『主婦のブルース』『受験生ブルース』等、それまで類のなかったオリジナル曲を引っ提げて鮮烈デビューを飾った中川五郎。遂にこの国に定着しなかったボーディソング、マーダーバラッドの独自の解釈に真っ向から挑んだ問題作『フルッチンのうた』で登場した古川豪。六〇年代、関西フォーク揺籃期から七七年、URCレコード倒産に至るまでの疾風怒濤を、中川五郎が被告人となって争われた法廷闘争『フォークリポート』ワイセツ裁判、その「表現と規正」をめぐる攻防の全容を、そして、この国のフォークソング受容の限界とそれを乗り越える新たな可能性を。二人の歌手のそれぞれの歩みを通して知られざる「日本フォーク」の裏面をあますことなく語り尽くす。


講師 中川五郎(フォーク歌手)、古川 豪(フォーク歌手)
司会進行 神谷一義(オフノート)


2009年10月25日(日曜日)
豊島区民センター・第二会議室
18時〜 
参加費 1500円


豊島区民センター
東京都豊島区東池袋1-20-10 
TEL 03-3984-7601/FAX 03-3984-0865
交通案内 JR山手線池袋駅東口下車 徒歩約5分
http://www.toshima-mirai.jp/center/a_kumin/


ご予約・お問い合わせ/オフノート
TEL 03-5660-6498 / FAX 03-5660-6499 
offnote@k5.dion.ne.jp


★【都市のおと】
Aurasia presents urban song collection 2009 
omnibus concert 都市のおと
新宿ゴールデン街劇場
vol.7 IT時代の昔語り[2DAYS]


2009年10月27日 (火曜日)&28日(水曜日) 


出演
有馬敲 詩朗読
岡大介 唄・カンカラ三線
中川五郎 唄・ギター 
古川豪 唄・バンジョー 


新宿 ゴールデン街劇場 TEL/FAX 03-5272-3537
東京都新宿区歌舞伎町1-1-7マルハビル1F
http://www.geocities.jp/golden_gai_gekijou/
OPEN:19:00  START:19:30
予約・3000円/当日・3500円/二日通し券・5000円


朝8時起き。《ウェルかめ》を観てから、医者へ。9時に行ったのに、もうかなり待っている。来週は東京を離れるので、薬を多めに出してもらう。西日暮里に行き、『SPA!』の書評。今回は古庄弘枝『沢田マンション物語 2人で作った夢の城』(講談社+α文庫)を。元版は2002年に情報センター出版局から出ているが、どうしていままで文庫化されなかったのかと思えるほどイイ本だ。


12時半に西日暮里駅のホームで旬公と待ち合わせ、横浜へ向かう。みなとみらい線元町・中華街駅を降りると、ポツッと雨が落ちてくる。コンビニで傘を買い、港の見える丘公園へ。神奈川近代文学館の2階ホールで、「大乱歩展」に合わせての紀田順一郎さんの講演「江戸川乱歩と少年探偵の夢」を聴く。会場はほぼ満員。スライドを使っての進行に前半眠気を誘われてしまったが、人嫌いだった乱歩が戦中・戦後にどうして社交的になったかという考察など、興味深かった。


終わって、1階の展示を観る。たくさんの人がいたので駆け足だったが、それでも数年前に池袋でやった展覧会に比べて、見せたいポイントがはっきりしており、面白かった。自筆資料を収める袋に、ひとつひとつレタリングでタイトルを書き入れるなど、乱歩の絵やデザインへのこだわりが感じられた。早稲田大学在学中に手製本でつくった『奇譚』の表紙図案もカッコイイ。会場で、ポスターや図録などで乱歩の人形+写真を担当した石塚公昭さんや、〈東京堂書店〉の佐野店長に声をかけられる。そのあと、資料室のロビーでの「昭和期の稀覯本(小説)」を観る。版画荘版の井伏鱒二『集金旅行』の美しさに息をのむ。装丁は川上澄生


大乱歩展は11月15日(日)まで開催。その次は、11月21日〜1月11日まで「生誕130年 長谷川時雨展」。評論家の尾形明子の監修。近々、藤原書店から『長谷川時雨作品集』が刊行されるとのこと。


雨がひどくなったので、タクシーで中華街まで。いつも行く店が準備中だったので、市場通りの適当な店に入る。米シューマイ、チンゲン菜炒め、海老そば、海鮮おかゆ。どれもあっさり味で美味しかった。来たルートの逆を通って、西日暮里へ。旬公はウチに帰り、ぼくは仕事場へ。


新潮社から津野海太郎『したくないことはしない 植草甚一の青春』(2200円+税)が届く。『東京人』に数回連載したものをもとに、ほとんど書き下ろした伝記。318ページあるが、仮フランス装ということもあって、重苦しくはない仕上がりだ。カバーをめくった表紙の写真がイイ。宇田川新聞さんから『木版画手習帖』(池田書店、1200円+税)をいただく。木版画イラストレーターの宇田川さんが、自身の作品を例に引きつつ、手軽にできる木版画のつくり方を指南している。オールカラーで、この値段は安いよ。編集は矢部智子さんで、ちょっとしたところに工夫が見える。手元に置いておきたい本です。


今日、明日は「根津・千駄木 下町まつり」なのだが、この雨だと中止の企画が多かっただろう。須藤公園では数日前からリサイクル市の準備をしていただけに気の毒。明日は芸工展の最終日でもあるし、早めに雨があがるとイイが。