駆け足の芸工展

緊急告知です。神奈川近代文学館で現在開催中の「大乱歩展」に関連して、明日、紀田順一郎館長の講演があります。展示は11月15日までです。

大乱歩展/文字・活字文化の日記念講演会
講師=紀田順一郎(作家・評論家・当館館長・大乱歩展編集委員
演題=「江戸川乱歩と少年探偵の夢」
日時=2009年10月24日(土)14:00開演(13:30開場)
会場=神奈川近代文学館 展示館2階ホール(定員220名)
料金=一般1,000円(友の会会員800円)
http://www.kanabun.or.jp/


なお、閲覧室ミニ展示として「昭和期の稀覯本(小説)」もやっています。古本マニア垂涎の本が並んでいるようです。
    

もうひとつ告知。いつも一箱古本市に参加してくださっている東京新聞のMさんから招待状いただきました。残念ながら、この日はブックオカなので行けません。芳賀さんは最近《タモリ倶楽部》の地図特集では必ず声がかかり、軽妙なガイド役をされています。神保町と地図のハナシ、きっと面白いと思います。

神保町ブックフェスティバル 芳賀啓氏 講演会「神保町地図物語」


 六本木、汐留、赤坂など絶えることなく再開発が行われ、東京の風景は常に変わり続けています。そんな東京を振り返ることができるのが地図。古地図や旧版地形図のオーソリティである芳賀啓さんに神保町をクローズアップして、その歴史をひもときながらお話いただきます。地図を通して、東京、江戸の街を再発見してみませんか?

日時 2009年11月1日(日) 開演14時00分〜15時30分(開場13時30分)
会場 岩波ブックセンター3F 岩波セミナールーム
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2−3
申込方法は下記を
http://www.tokyo-np.co.jp/ad/book09/


芳賀 啓(はがひらく)さん
1949年、仙台市生まれ。
早稲田大学法学部中退後、日本書院、秀文出版で中学校・高等学校の地図帳編集に従事。
柏書房で歴史地図帳や各種地図資料、一般書籍の編集に携わった後、代表取締役社長をつとめる。
2003年に一人出版社之潮(コレジオ)を設立。『帝都地形図』『多摩地形図』『明暦江戸大絵図』『寛永江戸全図』『川の地図辞典』などを編集発行。詩集に『身體地圖』(深夜叢書社)がある。


朝8時起き。《ウェルかめ》を観てから、仕事場へ。先日の「蟲文庫さんモデル疑惑」は、蟲さんのブログでも話題になっている(http://mushi-bunko-diary.seesaa.net/category/504039-1.html)。広島でのトークのつかみはコレに決まったな。関係者は《ウェルかめ》を観とくように。


仕事場に寄ってから、日暮里へ。日暮里図書館近くの立ち食いそば屋で、コロッケ卵そば。営業時間が7時〜14時になっていた。前は夕方もやっていたはず。ココは東京の立ち食いそばでトップレベルだと思うが、ほとんど話題にする人はいない。駅からけっこう遠いからなあ。台東区立中央図書館の郷土資料室で、引用した資料の確認。そのまま閲覧席で、書評の本を読了する。


鴬谷駅の坂を上り、谷中へ。今週末までが芸工展なのだが、昨日会った森まゆみさんに「早く見ないと終わっちゃうよ」と云われ、いくつか見ておくことにした。まず、新装開店した〈カヤバコーヒー〉へ。内装はたしかにシャレた感じになり、若くて小ぎれいな男女数人がカウンターにいるが、以前の店内の雰囲気は残っており、ホッとする。ココでやっていた古い写真展はすでに終了。その近くの〈さくらぎ茶屋〉で「名画ポスター展」を観るが、数枚しか展示されていなかった。はじめとの細い道を通って、〈遊遊空間ねこじゃらし〉へ。初めて来たが、木造二階建てのいい感じのギャラリーだ。吉田敬子「鋸屋根写真展」の第二会場。こちらでは、大きく引き伸ばした写真が見られる。日曜日には、もう一度吉田さんのトークが追加開催されるらしい。


坂を下り、〈やぶさいそうすけ〉へ。ベレーとハンチングの展覧会。オーナーもメンバーの一人。いくつか被ってみたいベレーがあったが、頭が大きいからなあ。〈フレンディ〉で昼飯。鶏の竜田揚げのランチ。奥さんに「地図なくなっちゃったから、持ってきてよ」と頼まれる。〈往来堂書店〉で、矢作俊彦(原作)・谷口ジロー(作画)『サムライ・ノングラータ』(フリースタイル)、小川和也『大佛次郎の「大東亜戦争」』(講談社現代新書)、書評用の文庫数冊を買う。仕事場に着くが、原稿にかかる前に、異様に眠気が襲ってきて、ちょっと寝てしまう。本の雑誌社のHさんから電話で、文庫増刊への原稿依頼。それはありがたいが、二週間で十数冊を読みなおさねばならなくなった。


3時半に出て、神保町。〈神保町シアター〉へ。鉄道特集はかなり来ている。今日は川島雄三監督《新東京行進曲》(1953)。おそらく川島特集でもめったにかからない作品で、ぼくは初めて観た。冒頭は空撮で、銀座の泰明小学校が写り、地上に降りてからも、銀座、秋葉原などの街並みや、都電、国電が出てくる。東京を描いた映画として貴重だが、ストーリーもなかなか。いかにも川島らしいヘンなところはあまりないが、柳沢類寿の脚本は偶然の積み重ねをシレッと多用しており、楽しく観られる。主演の高橋貞二は堂々としており、精悍な感じ。若死にしたコトを小津安二郎が嘆いたというが、たしかにもっと歳をとれば凄い役者になったのかも。もっと観る機会があってもいい映画だと思う。終わって、小川町の〈大勝軒〉でつけ麺。これぐらいの時間に行くと、空いていていい。


千代田線で千駄木。〈千駄木倶楽部〉で光文社のKさん。早くも再校が出てきたので、受け取る。ほかにチラシのことやプロモーションのこと。宣伝部があまり動く気なさそうな感じなので、結局、自分でやるしかないかも。各地の新刊書店さん、古本屋さん、よろしくお願いします。仕事場まで歩いて戻り、連絡いろいろ。「小説検定」の本を読んでいたら、10時すぎたのでウチに帰る。


東京新聞夕刊に「宅八郎評論家が殺害予告容疑」という見出し。宅八郎mixiである男性を名指しで「殺す」と書いて、警察に被害届を出されたのだという。宅八郎には生きづらい時代になった。それにしても、この見出しはヘンだなあ。「評論家・宅八郎が」もしくは「オタク評論家が」とするべきじゃないか。「村上春樹作家が」とは書かないだろう。