『月刊のこぎり屋根』0号創刊!
8時起き。《ウェルかめ》を見たあと、洗濯をする。2人暮らしに戻ってから、洗濯物の量が多くなった。10時によみせ通りの〈旭プロセス製版〉へ。のこぎり屋根が印象的な工場だが、この一角で、吉田敬子さんが撮影した各地ののこぎり屋根の写真展を開催中。写真は少しだが、ひとつひとつ興味深い。あのカタチは採光のためだったんですね。ちょうどやってきた谷根千工房の山崎範子さんに、『月刊のこぎり屋根』0号をもらう。山崎さんは『谷根千』終刊以降にやりたいこととして、この『月刊のこぎり屋根』の発行を挙げていた。有言実行のヒトである。0号はわずか4ページだが、吉田さんのカラー写真が魅力的で、雑誌としても面白くなるだろうという気がする。発行は工房内の「のこ屋根編集室」。1号は来年発効の予定で、「目下、スポンサー募集中!」ということです。この「鋸屋根写真展」は25日(日)まで、〈旭プロセス製版〉と上野桜木の〈ねこじゃらし〉で開催中。後者では昨日、吉田敬子さんのスライドトークがあり、盛況だったそうだ。
もうひとつ、谷根千工房の企画を紹介しておく。恒例の「D坂シネマ」、今回のテーマは「仕事の結果」。10月20日(火)、22日(木)、24日(土)、25日(日)の4日間、それぞれ別の記録映画を上映します。ぼくは谷中の生活や、東西線の映画をやる22日に行くつもり。場所は〈映画保存協会〉です。詳しくは、http://www.filmpres.org/archives/580
いったん西日暮里に行き、11時に旬公と出かけて新宿へ。豚飼育プロジェクト完遂のご褒美というコトで、伊勢丹で靴を買ってあげることに。広い売り場を旬公が回るあとについていったが、自分の身なりのあまりにも貧乏くささが周囲から浮いていることに気づいてしまう。なんか親近感の湧く格好のヒトたちがいるなあと思ったら、台湾か香港からの観光客だった。結局、欲しいのがなかったというので、アクセサリー売り場に行き、ピアスだったかを買う。旬公と店員が会話するのをほとんど夢うつつで聞き、夢うつつでカードで払う。伊勢丹別館の上にあるレストランでハンバーグを食べ、今度は無印良品へ。寒くなったので、上にはおるものを旬公に選んでいただく。あー、疲れた。山手線で西日暮里へ。
車内で、『文献継承』15号(金沢文圃閣)を読む。楠田五郎太という図書館人について、先行論文を載せ、それを書物蔵さんが批判的に検証している。まったく知らなかった人だが、二本いっしょに読むと、興味深い人物だと判ってくる。ただ、書物蔵さんが見出しで遊んでいるのが、気になった。「ゴロウタン」というのも、そういう呼びかたがされていたと思ったら、書物蔵さんがつけた愛称なのだ。堅苦しくなりがちな図書館史を面白く、判り易くという書物蔵さんの意図は判るのだけど、本文がまっとうな論文調なだけに、ブログを読んでない人には、このタイトルと見出しの軽さが奇妙なものとして映るのではないか。いや、「ゴロウタン」を使いたいなら、本文に自分がそう呼んでいるコトを書くなり、いつものブログ調で進めれば構わないと思うんですよ。これまで書物蔵さんが『文献継承』で書かれた文章とかなり感じが違うので、ちょっとメモしておいた。もう一本、われらがu-senくんこと松田友泉くんが「マンガ研究の文献 古本・収集・閲覧」を寄稿。独学者の真摯な叫び(ルサンチマン込み)というところ。マンガ研究での私家版や同人誌の重要性が指摘されている。あれっと思ったのは、「『本流!マンガ学』所有のもの」、「公開される意思があるため」という表現で、前者は「所載」が適当で、後者は主語がはっきりしない。悪いね、細かくて。金沢文圃閣は、谷沢永一編解題『近代 性・風俗・軟派文献 書誌解題集成』全4巻を刊行。これ、パンフレットもらってたかなあ? ぜひとも見たいものだ。
アマゾンで注文していた、岡崎武志『あなたより貧乏な人』(メディアファクトリー)が届く。『進学レーダー』の書評で取り上げるのですぐ読みはじめたが、一気に読了。貧乏についてのエピソード集だが、さすがに面白いものばかりを引いている。いかにも貧乏エピソードの似合う人から、一見そういう話に無縁そうな人まで、いろいろ。10代に読んでもらいたい。第三章で、女性の貧乏話が少ないとあるが、手塚能理子『ビンボー自慢』(潮流出版)をお忘れなく。手塚は『ガロ』の編集者で、現在は青林工藝舎の社長。渡辺和博と並んで、「明るいビンボー」を世に知らしめた先駆者だと思うのだが。『完本シンボーズ・オフィスへようこそ』(フリースタイル)の「貧乏」がテーマの座談会にもゲストで出ていて、そこでも笑えるエピソードが満載なのです。そういえば、昨夜は〈コクテイル〉で、本書刊行記念の岡崎さんのトークがあったのだが、行けなくて残念。
夜は旬公と、すずらん通りの〈鳥ぎん〉へ。焼き鳥、しし唐、アスパラを焼いて、五目釜めし。久しぶりでうまい。メニューの紙が変わっていた。微妙に値上げしたかも。ウチに帰ると、旬公は疲れ切って先に眠ってしまった。ぼくも、土日に動きすぎたから、ぜんそくが出ないように気をつけないと。