朝の神楽坂はディープだった

朝8時起き。《ウェルかめ》を観てから、仕事場へ。朝のBGMは、湯浅湾[港]。秋の一箱で「たけうま書房」さんから買ったのだが、歌詞と歌の力強さに魅了される。とくに1曲目がいい。


文教堂書店〉でK社のKさんと待ち合わせ、借りていた資料をお返しする。時間があるというKさんと一緒に、〈風俗資料館〉(http://pl-fs.kir.jp/pc/top.htm)へ。2人まで入れる展覧会の招待状をいただいたので。ナニしろ、ここは会員制の図書館で、一日入館料が5,500円なのだ。今日は中原館長は不在で、若い女性が受付にいた。館内で展示されている「小妻容子秘画帖〜豊艶の濫り〜」は、むっちりした女性の緊迫画を好んで描く画家の画集の原画展。お尻の張りを執拗にとらえようとしたデッサンがスゴかった。


前回も見た『ぬれきしんぶん』(作家で縛り師の濡木痴夢男氏の個人通信)を眺めていたら、唐沢俊一が自分のSM雑誌コレクションを「脳天気」としたことへの怒りが書かれていた。あとで検索したら、唐沢氏の日記(http://www.tobunken.com/diary/diary20001124000000.html)でもそのコトに触れられていた。しかし、濡木氏は心情的な怒りだけでなく、唐沢氏があるSM雑誌と別の雑誌を完全に混同しているコトを指摘するなど、間違いを正してもいる。その辺をネグっているのは、フェアじゃないな。


Kさんに本や雑誌、スクラップブックを一通り見せ、「そろそろ行きましょうか?」と云うも、食い入るように雑誌に見入っていて返事もせず。もしかして、ツボだった? その後、2度も声をかけると、なごりおしそうに雑誌を棚に戻した。受付の女性に名前を聞かれたので、少し話す。先日刊行の『令嬢訓育画報』はかなり話題になっているようで、「昔の雑誌の復刻だと思いこんだ方から電話をいただいたりします」とのこと。そう勘違いするのもムリのない出来なのだ。ココでしか売ってないそうだが、せめて〈タコシェ〉あたりには置いてほしいと思う。


〈ムギマル2〉に入ろうと思ったが、まだ営業前。〈ベローチェ〉で雑談したあと、Kさんと別れて、矢来町方面へ。今日は妙に暖かい、というか暑い。交差点を新潮社方向へ曲がり、〈キイトス・カフェ〉を過ぎた先、隣にそば屋のあるビルの2階に〈クラシコ書店〉(http://www.clasicoshoten.com/index.html)が見つかる。10月4日にオープンしたばかり。5、6坪ぐらいだろうか? 古本は、生活に関する本や雑誌が中心。雑貨は輸入物のスナックやお茶など。店主はご夫婦らしい若い男女だった。菅野拓也『現代若者文化考 古、ミック・イメージソング・深夜放送・etc.』(築地書館、1981)600円、を買う。新潮社や〈シアター・イワト〉に来たときに寄る店ができたのはヨカッタ。


神楽坂から東西線で早稲田へ。腹が減ったので、久しぶりに〈三朝庵〉に入る。きつねそばと天丼のセットを頼むが、1000円もするワリにはなんかショボイ。まあ、この店に期待するのはムリなんだろうけど。〈立石書店〉を振り出しに、「小説検定」の資料を探して歩くが、あまり見つからず。〈古書現世〉のワゴンで松原治『私の履歴書 三つの出会い』(日本経済新聞社)100円、と店内で講談社社友会編『緑なす音羽の杜に3』(講談社)1000円を買う。後者は1、2を〈古書往来座〉で買っていたが、3冊目があるとは知らなかった。さまざまな部署の社員の回想が載っており、とてもいい資料だ。


三楽書房〉のシャッターが半分閉まっていたが、中にいるアキヒロくんに合図して開けてもらう。春に店の奥さんがお亡くなりになって、本格的に店を受け継ぐことになったとのこと。いろいろ先の展開も考えているようなので、期待したい。高田馬場まで歩き、山手線で西日暮里に戻る。


4時、入谷駅の交差点でHさんと待ち合わせ、近くの喫茶店で、『彷書月刊』12月号の特集用のインタビューを収録。久しぶりにネットを一切見ないという人と話したら、なんか新鮮だった。主な情報源が『彷書』と塩山さん編集の雑誌という偏り方がすごい。西日暮里まで戻り、久しぶりに〈はやしや〉でチューハイを飲む。


ウチに帰り、ニュースを見たら、札幌の古書店の棚が崩れて、店員と客の子どもが怪我をしたと。《報道ステーション》では、神保町〈悠久堂〉の若店主が本の積み方を指南していた。