雨降って地固まった日

本日、一箱古本市を開催します! 秋の一日、たっぷり楽しみましょう。

朝8時起き。昨日夜の息苦しさは消えたが、安心はできない。9時前に医者へ。行きつけのN医院は休診だったので、千駄木駅近くの医者へ。さほど待たず診てもらい、ぜんそくの薬を出してもらう。〈古書ほうろう〉で薬を飲んでから、専従スタッフ用の荷物を持って、〈アートスペース・ゲント〉へ。ココには7組が出店。北方人さん、とみきち屋さん、orz文庫さん、及川さんなど知り合い多し。小布施から「まちとしょテラソ」チームも参戦。前半の専従は岩井さん。てきぱきしている。いつもの段取りを済ませ、11時に開店。フランスものの多い「Photogramme」さんから『ブニュエル 映画、わが自由の幻想』(早川書房)、北方人さんから平塚市博物館村井弦斎展の図録を、それぞれ1000円で買う。


そろそろお客さんが集まりだしたかなと思ったあたりに雨が降りだす。最初はポツポツだったが、ちょっとずつ強くなる。しかたなく中断して、ゲントの中に本を入れさせてもらう。このまま降り続けたらどうするか。ほかのスポットに電話すると、〈ライオンズガーデン〉と〈コシヅカハム〉以外は販売停止中だという。気をもむうちに、空が明るくなってきた。このままイケそうなので、12時すぎに再開する。その後はイイ天気になったので、よかった。


〈ライオンズガーデン〉へ。ココは16箱。「料理専門古本屋onakasuita」さんはオリジナルの鍋つかみを売っていた。隣の「谷中姉妹舎」で、明治の商標やマッチラベルの絵柄のトートバッグを売っている。2000円。日暮里の繊維街でこういう柄の布が手に入るらしい。本を入れるのにちょうどいい大きさなので、購入。「脳天松家」さんでは、封筒入りの絵葉書セットを100円で。「寝床や」さんでは、矢野誠一文人たちの寄席』(文春文庫)200円と結城亮一『あゝ東京行進曲』(河出文庫)300円を買う。


ここで光文社のKさんと待ち合わせ。昼時でどの店も満員。〈千駄木倶楽部〉で、ボルシチを食べながら打ち合わせ。Kさんがレイアウトしたものを受け取る。なんと310ページ近くに達している。年表などを入れるともう少し増えるかも。新書にしては厚めの方だ。細かい点やタイトルなどを打ち合わせ。そのあと、Kさんを連れて、もうひとつの会場へ。〈C.A.G〉+〈Negia〉は、二店の前にそれぞれ3箱ずつ。「たけうま書房」で今回もCDを選ぶ。湯浅湾[港]800円、BOBBY CONN[The Golden Age]1000円。後者は「今回いちおし」と云われて買う。
 

三浦坂を上がり、宗善寺へ。ここは13箱。入りがけのところで、高野ひろしさんがいつものペンギン写真の撮影をしており、写真の展示もやっていた。高野さんの箱から、埴谷雄高編『スポーツ、わが小王国 楽しみと冒険6』(新潮社)を350円で。塩山芳明さんの「嫌記箱」からは『月ノ光』第22号(特集「天皇物語」)を500円で。今回初参加の「junglebooks」(http://jbooks.exblog.jp/tags/JUNGLEBOOKS/)さんは、「エロス」をテーマにした本や雑誌で箱をつくっていて、インパクトが強かった。『寝室手帖』1965年3月号を500円で買う。三崎坂に戻り、大円寺。菊まつりのなかで、2箱が販売中。向かいは谷根千工房のテーブルだった。


最後に〈コシヅカハム〉。ココは8箱。「もす文庫」さんからは例によって新作缶バッジ。「やまがら姉弟文庫」では別冊宝島『東京できごと史1945〜1985』を200円で。〈ドンベーブックス〉さんから『エルマガジン』2007年10月号(特集「書店カルチャー」)を400円(?)で。すぐ近くのすずらん通りでは、書家の北村宗介さんが路上での書道ライブをやっている最中。よみせ通りまで出たところを見る。いちど西日暮里の仕事場に寄り、休憩。


ゲントに戻ると、専従が交代して、石井くんの教え子の女子大学生2人になっていた。素直なイイ子たちで、「一緒に写真撮っていいですか?」と訊かれてにやけてたら、ミカコさんに目撃されておりあとで冷やかされる。もういちど箱を覗き、北方人さんから『つげ義春流れ雲旅』(朝日ソノラマ)を激安の300円で、とみきち屋さんから『東京人』1988年11・12月号を買う。後者は同誌最初の古本屋特集で、坪内祐三さんが編集部にいた時期のもの。とみきち屋さんの箱はいつも見ているが、ぼくが買ったのは今回が初めてだそうです。4時半近くなっても客足が途切れず、このまま終わるのが惜しいぐらい。あとのこともあるので、強引に打ちきって撤収。ほうろうに荷物を届けると、中村正さんの「メリーさんの奇妙な果実 〜第2章〜」をやっている。店の前に小さな小屋が出現していた。


5時半に西日暮里駅向こうの〈八天将〉へ。横に長い配置で、50人近くの店主、スタッフが打ち上げに集まった。飲みだしてしばらくして、各賞の発表。南陀楼賞は「谷中姉妹舎」さんに決定。賞品として、新書の見本をスグにお送りすることに。そのあとはさまざまに盛り上がり、前に店主で出たSさんの相談にマジメに答えているうちに、奥の方が大騒ぎに。気づけば、宮地、石井、坂東あたりが泥酔。12時前にお開きになるが、まだまだ終われず、〈八剣伝〉へ。実行委員プラスNEGIさんで、あっちこっちに話題が飛ぶ。2時に終わって、ウチに帰る。薬を飲んだので、ぜんそくが出ずに一日過ごせたのはヨカッタ。


ともあえ、今年も二人でほぼすべてを企画し実現させた青秋部こと石井・中村コンビに拍手。サポートしてくれた助っ人さんや春の実行委員にも感謝。来年春は、いよいよ通算10回目という大きな節目を迎えます。みなさま、どうぞよろしくお願いします


今年春に引き続き、モンガ堂さんに一箱古本市リンク集をお願いしたところ、さっそく取り掛かってくれた(http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20091011)。充実したリンク集にしたいので、トラックバック、コメントなどで情報提供ください。ぼくにメールくれてもOKです。


【10月12日追加】青秋部ブログから各賞の発表を転載しておきます。

南陀楼綾繁賞   谷中姉妹舎
■古書ほうろう賞   だいこん洞
オヨヨ書林賞    本棚やどかり
■青秋部賞      junglebooks
 

■売上金額
第1位  朝霞書林     ¥45,000
第2位  とみきち屋    ¥38,940
第3位  あずき・きんとき ¥32,550


■売上点数
第1位  どすこいフェスティバル 111点
第2位  とみきち屋        82点
第3位  古書北方人        77点

 
となりました。なお、全49箱の合計売上金額は、644,370円、点数は1,887点でした。あの数時間で、これだけたくさんの本が新しい持ち主のもとへ旅立っていったのかと思うと、ちょっと感慨深いです。 (I&N)


「どすこいフェスティバル」さんの111点はスゴイ。2、3位はゲント前に出店の2箱が独占。よく売れてたもんな。