《私は猫ストーカー》と不忍ブックストリートMAP

昨夜はムシムシして寝付かれず、山崎豊子『運命の人』第4巻(文藝春秋)を読む。1、2巻が新聞社と官庁を描いて生々しかったが、この4巻は妙に悟りきった感じであんまり面白くない。モデルになったヒトが実際そういう生き方していたとしても、小説としての盛り上がりには欠ける。そう云いつつも、最後まで読ませる筆力はさすが。


5時前に寝たが、8時に目覚めてしまう。《つばさ》を観てから、仕事場へ。数日不在にしていたので、郵便や宅急便などがたまっていた。講談社の女性雑誌『Grazia』で「旅に出たくなる本」というテーマでエッセイを書きました。ぼくは「銀座にタイムトラベル」ということで3冊選んでいます。他の方もイイ本を取り上げていますので、よかったら立ち読みしてください。


今日の《私は猫ストーカー》上映会に関して、携帯に電話が何度も入ってくるので、落ち着いて仕事ができない。あきらめて、本を読みながらかかってくる電話に対応。東京新聞に載ったスローラーナーの電話が土日に留守番だったため、ふれあい館に電話が何本も入っているとの苦情がふれあい館から来た。しかし、新聞に連絡先をいくつも載せてもらうのは無理だし、そう云われても困る。


早めに出かけて、〈往来堂書店〉で釣り銭の500円を両替してもらい、ふれあい館へ。館の人と打ち合わせして、早めに地下ホールに入れてもらう。5時半には、不忍ブックストリートの有志、スローラーナー、晶文社洋泉社の人たちが集まり、会場の設営と、配布チラシや受付の準備にかかる。地下は携帯が入らないので、古書ほうろうの山ちゃんにぼくの携帯を渡して1階にいてもらう。すでに多くの人が待っているので、5時50分に開場。どんどん入り、6時半には150席が完全に満席。関係者は立ち見してもらう。


簡単に挨拶して、上映開始。最初のうちは受付にいたので観られなかったが、後半からは再見できた。お客さんの反応、きわめて良し。半分ぐらいが地元の人なので、どこを映しているかがすぐに判るようだ。脇役の小さなギャグでもよく笑いが起きていた。マスコミ試写会ではなく、一般客にこの映画を観てもらうのは今日が初めてだということで、鈴木卓爾監督もプロデューサーの越川道夫さんも、この反応に満足していたようだ。ぼくも家のDVDで観たときより、今日の方が楽しめた。


終わってすぐ、鈴木監督、原作の浅生ハルミンさんと壇上に上がり、トークショー。上映前に聞いたのだが、鈴木監督とスタッフはロケハンやロケのあいだ、「不忍ブックストリートMAP」のコピーを持ち、それに書き込みながら撮影をしていったそうだ。路地や狭い道まで歩いてもらうことを目的につくったこの地図を、こんなに活用してくれたコトがすごくうれしい。そんなハナシや、ハルミンさんの猫ストーカーのハナシなどをして、9時に終わる。すぐ撤収にかかり、9時半には館を出る。残った人たちで、映画のトップシーンに通りが出てきた、〈車屋〉の2階で打ち上げ。11時半に店を出たら、かなり激しい雨が降っていた。


ともあれ、今回の上映会は大成功に終わりました。鈴木監督、ハルミンさん、スローラーナーの越川プロデューサーをはじめ、手伝ってくださった皆様、ありがとうございます。そして、7月4日(土)から〈シネマート新宿〉で上映される《私は猫ストーカー》の大ヒットを祈願します。ぼくももう一度、スクリーンで観るつもりです。