笑いが欲しくて……

8時起き。数日ぶりに陽が照っている。9時すぎに仕事場へ。書かねばならない原稿があるが、今日のトークのために少し古いことを思い出しておこうと、このブログの2004年末の日記を読み返したら、忘れかけていた記憶がよみがえってくる。わずか5年前のコトだし、人からは同じような生活をしていると見られるかもしれないが、ずいぶん変わったなあとしみじみした。


11時半に〈古書ほうろう〉へ。先に出ていたジュンコちゃんと待ち合わせ、池袋の書店を案内する。〈リブロ〉で高橋哲雄『本、註多きがゆえに尊からず 私のサミング・アップ』(ミネルヴァ書房)を買う。装丁は和田誠。レジでフリーペーパー『KAZIE KAZINE』を見つける。以前愛読していて、取材もしたコトがあるが、まだ続いていたとは。119号に達していたとは立派だ。〈往来座〉で、『日本経済新聞にみる広告三大史』(日本経済新聞社)を見つけて買う。こんな本あったのか。カバーなしだが1200円は安い。うどん屋で、かしわ天ぶっかけうどんを食べたあと、〈ジュンク堂書店〉。『山下洋輔の文字化け日記』(小学館文庫)、烏賀陽弘道『「朝日」ともあろうものが。』(河出文庫)、森銑三著・小出昌洋編『落葉籠』上巻(中公文庫)、天野郁夫『大学の誕生』上巻(中公新書)、小畑健(漫画)・大場つぐみ(原作)『バクマン』第3巻(集英社)、川島よしお『おちけん』(双葉社)。中公新書を1冊買ったので、サービスカウンターで冊子『中公新書の森 2000点のヴィリジアン』がもらえる。やっと手に入れた。それにしても、ジュンコちゃんを案内がてら、ずいぶん買ってしまったものだ。


ビックリガードをくぐって反対側に出て、上がり屋敷会館へ。ここまで来るだけでずいぶん汗をかいたが、この会場には冷房がないので、熱気が充満している。そこに30人以上のお客さんと10人以上の「わめぞ」スタッフが入るのだ。そんな状況で、「シークレット・ワメトーク」開始。向井透史さんの司会で、〈火星の庭〉前野久美子さん、〈ジュンク堂仙台ロフト店〉佐藤純子ちゃん、そしてぼくが、一箱古本市や仙台の状況について話す。今日はマジメに一箱の経緯を話そうと思っていたのだが、つい、セドローくんが突っ込んでくれるような云い方をしてしまう。だって、笑いが欲しかったんだもの……。書肆紅屋さんが公式レポートを書いてくださるそうだが、ぼくの発言には多少の誇張があったことをあらかじめお断りしておきます。


【6月8日追記】あの場で話せなかったことを少しだけ補足。「不忍ブックストリート」については、ぼくが発起人だけど、関わっている人たちの動機や考えはそれぞれ違うはずです。だからこそ、面白いとも云えるでしょう。それと、ぼくのブログは2004年6月にはじまっているのだが、12月26日の「不忍ブックストリート」結成宣言より前、7〜8月に〈古書ほうろう〉で「第一回モクローくん大感謝祭」を開催していることが大きかったです。店内で蔵書を販売するとともに、自分が書いた雑誌などを展示、さらにはトーク「古書目録の遊び方」(河内紀向井透史佐藤真砂)まで行なっている(http://www.yanesen.net/horo/info/1358/)。個人的には、このあたりに「一箱古本市」のアイデアの萌芽があったように思う。ぼくのコトだけじゃなくて、古本をめぐる状況の変化は、短期的にはこの五年、長期的にはこの十年間に起きていると考えている。そういった見取り図は、『本が好き!』連載をまとめる光文社新書で示すつもりだ。だから、年内に出したいものだ。また、具体的な事例は『彷書月刊』連載で取り上げてきた。こちらもある人がコピーを読んで検討してくれるコトになったので、出せればいいと思う。


会場に次の予定が入っているということで、5時に終了。後ろの窓から陽が照りつけてきて暑かったので、外に出ると涼しく感じる。池袋西口の〈土間土間〉で打ち上げ。30人以上参加。こういうとき、積極的にほかのテーブルを回って交流を図ることができないタイプなので、もっぱら豆惚舎くんやu-senくんと話す。今日もu-senくんをいじってしまい、あとで反省する。でも、彼は、『ぼのぼの』のシマリスくんみたいに「いぢめる?」と云いながら責められるコトを期待しているような眼をしているのだった。例によって、三次会に行くようだったが、三日続きの飲み会でさすがに疲れた。まだまだ元気なジュンコちゃんに「自力で帰ってね」と云い渡し、先に帰る。