九十九里で砂にはまる

朝8時起き。《つばさ》を観てから、仕事場へ。そこから「小説検定」一本勝負。だいたいメモの通りに進んだので、2時には原稿アップ。資料を引き取りにきたバイク便に渡し、スグに出かける。東京駅で降り、〈R.S.BOOKS〉を覗く。京橋のりそな銀行ATMや〈八重洲ブックセンター〉に寄ってから、高速バスに駆け込む。1本早いバスに乗れた。1時間眠って目覚めたら、延々と田園風景が。あるところで、「インターネットで発信する町 ◎◎」という仰々しい看板があり、ゆるキャラのイラストが添えられている。うんうん、発信しているのね、で、なにを?


エエ市のバス停の向かいにある大きなホームセンター&スーパーの前で待つうち、旬公が車でやって来る。以前ほど、手に汗握る運転ではなくなっていた。そのまま九十九里浜へ。「ここでよく仕事やってるの」と波打ち際まで車で乗り込む(それができる唯一の砂浜だとか)が、砂にタイヤを取られて立ち往生。ぼくが後ろから押しても動かず困っていると、犬をトラックの後ろに積んで散歩させに来たおじさんが手伝ってくれ、脱出できた。


この通りにはやたらと飲食店が多い。100メートル中に中華料理屋が3軒あったりする。すごいぞ、エエ市。最初に入った魚料理の食堂はもう閉まっていて、〈R〉というお好み焼屋へ。角川映画とかアニメのポスターが貼られていて、おもちゃや看板もそこここにあるという『日曜研究家』テイストの店。呼び出しのインターフォンは、ファミコンのリセットボタンだ。しかし、料理はうまい。シラス入り卵焼きがとくにウマかった。隣にヤンママ同士の客がいて、すごい会話が飛び交っていた。

旬公ホームに着く。外に柵ができていて、そこに豚小屋からブタを連れ出す。3頭のブタ、夢、秀、伸とご対面。それぞれに個性があって、カワイイ。豚小屋にいる時も、風呂場の窓から見れるので、旬公に呼ばれて何度も覗きに行く。旬公にとっては、無料のストリップ小屋が家の中にあるみたいなもんで、これじゃ、仕事が手に着かないだろう。


パソコンを持ってきたので、遅れていた原稿を書き、旬公のパソコンから送信。そのあと、ゲラを読んでいたが、眠くなったので、布団を敷く。エンタメノンフ文芸部の部長、宮田珠巳さんが以前発表した『通学路』という短編を読むが、あまりに上手いので驚く。風景描写に味があるのはさすがだ。この路線でもっと書けばいいと思うのに、本人はまったく別のテーマを書きたいのだとか。12時前に眠る。