カープ至上主義の居酒屋

朝8時半起き。1階のレストランでバイキングの朝食。部屋のキーが見当たらなくなり、部屋まで戻ったり、受付で探してもらったりするが、結局ポケットに入っていた。恥ずかしい。外に出ると、かなり激しい雨。コンビニでビニール傘を買う。


とくに行くところを思いつかないので、路面電車に乗って広島港まで行ってみることに。途中で乗り換えても、料金が150円というのはスゴイ。道や店の並びが、だんだん郊外っぽい感じになってきて、そのうち終点の広島港へ。ターミナルビルはけっこう大きい。少し外に出てみるが雨なので、早々に、また路面電車に乗って引き返す。袋町で降りて、〈ブックオフ〉へ。この前も来たが、100円均一の棚が広い。「小説検定」に使える本を7、8冊買い、「空中一箱古本市」の会場へ。屋内だから開催にはモンダイないが、やはり雨だと極端に人出が落ちる。それでも、島根県出身の在広島の男性や、出身地の高知で『路上派遊書日記』を買ったという女性などが話しかけてくれる。


合間を見つけて、財津さんと〈カフェ エスプレッシーボ〉へ。袋町のブティックなどが並ぶ一角、通称「裏袋(うらぶくろ)」にある。この「裏袋」が11月7、8日に行なわれる本番の一箱古本市の舞台になるのだ。このカフェもブッククロッシング・ゾーンで、棚には本が並んでいる。財津さんに話を聞く。なるほど、という履歴だった。秋の一箱には、関連企画として路面電車を借り切ってのイベントがあり、ぼくも参加するのだが、提示されたプランをひとひねりしたくなってしまうのは、編集者のサガ。なんか、面白いコトになりそうです。その後、昼飯を食いに入った〈讃岐屋〉のぶっかけうどんがウマかった。


3時すぎに雨があがってきて、終わりごろにはすっかり晴れる。皮肉なものだ。古本けものみちの売上は38点 1万7700円。まあ実質は昨日一日の売上ですね。残った本のうち一部をブッククロッシング用に寄付し、残りは送り返してもらう。皆さんと秋の再会を約して、会場を出る。


また路面電車に乗り、広島駅の一つ手前で降りる。古い市場が見たかったのだが、日曜なのでほとんど休み。その手前に〈源蔵 本店〉という飲み屋というか食堂を見つける。三月に来た時に紙屋町のバスセンター内の〈源蔵〉には行くべし、と教えてもらったのに、見つからなかった(改装中の食堂フロアにあると、あとで知る)。その本店なのだ。ナカに入ると、おばちゃんがつかつか近づいて、じっと顔を見る。ココに座ったらまずいのかとびびるが、「何を飲む?」という催促だった。瓶ビール、鳥もつ煮、シマアジ刺身(身が締まっている)。テレビの前のおじさんたちが、競馬のハナシをしていて、一段落つくと、次はカープの試合の中継でワイワイ云っている。客も店のおばちゃん(4人もいる)も、カープ選手の挙動のひとつひとつにコメントを述べている。さっきとは別のおばちゃんが話しかけてきたので、「広島球場って新しくなったんですか?」と訊くと、「広島の人じゃないの?」と異星人を見るような目つきで、説明してくれた。来るときに新幹線から見えたのが、新しい市民球場なのだった。


駅で土産物を見てぶらぶらして、6時の新幹線に乗る。新大阪までは爆睡。ポメラで日記でも書こうと思ったら、電池切れで起動せず。文庫本を読んで過ごす。東京駅には10時すぎに着。ウチにたどり着いたのは11時。もっとゆっくりして、いろいろ見てきたいという気持ちもあるが、1泊2日ぐらいだとあまり疲れなくてイイ。