広島「空中一箱古本市」に参加

朝6時半起き。今日は《つばさ》を観られないのが残念。べつにすごく面白いワケではないが、生活習慣になってるので。今朝はえらく冷え込む。予報を見ても、広島は曇りのようだ。不忍の一箱古本市で評判だった赤いポロシャツを着ようと考えていたが、寒そうなので、長そでで出かける。


8時すぎののぞみで出発。途中まで爆睡したが、隣の中年四人組がやたらハイテンションになっていてうるさい。山本善行さんのブログで知った、『宮地嘉六と街を歩く 小説・随想集〈広島・関西編1〉』(休山舎)を読む。初めて読む作家だが、呉市やその近くの島での労働者生活を描いていて興味深い。「煤煙の市」の末尾で、機械文明の発展によって、職工が機械以下の価値しか認められなくなってしまう、だからこそ、「機械のなし得ない技術」つまり芸術への憧憬が高まっていると、宮地は書いている。なるほどなあ。多くの若者がプロレタリア芸術運動に走った理由は、これだったのか。この本、内容は素晴らしいが、挟み込まれた正誤表のほかにも、誤植がいくつかあった。「失張」→「矢張」、「目分」→「自分」などは、OCRで読み込んだための誤植だろう。続刊に期待したいので、あえて苦言を呈す。


12時に広島駅着。路面電車に乗って、袋町へ。3月に来た時に、この辺をうろついているので、動きやすい。広島市まちづくり市民交流プラザで2日間行われている「まちづくり市民交流フェスタ」の企画の一つである、「空中一箱古本市」へ。南棟と北棟をつなぐ渡り廊下での開催。出店者は一日10箱ぐらいなので、ちょっと少ない気がしたが、お客さんはけっこう来ていた。ぼくの「古本けものみち」も、午前中に結構売れていた、この辺は『本が好き!』の次々号で書くので、はしょります。


4時に終わり、荷物を片づけて、みんなで打ち上げへ。途中、ホテルに連れて行ってもらい、チェックインする。流川という歓楽街の中にある、加井さんの行きつけだという〈魚菜屋〉へ。飲み放題のコース料理で、これでもかと魚が出てくる。どれもウマイ。あれこれ話していると、代表の財津正人さんが眠り込んでしまった。無事開催できた解放感からだろうか。財津さんを見送り、まだ飲み足りない4人で別の店へ。マスターが今日の一箱に本を出した店。オススメだというゴボウのから揚げ、たしかにウマい。それをつまみながら、梅酒を飲む。さすがに眠くなってきたので失礼するが、日本酒の熱燗をクイクイ飲むツグミさんと中国新聞の守田さんはさらに飲みに行ったとか。ホテルに帰り、フロに入ってから原稿を読み、12時すぎには眠る。