ふちがみとふなととコール&レスポンス

朝8時起き。《つばさ》を観てから、仕事場へ。午前中はメールでの連絡をやっているウチに過ぎる。新しく出てきた案件、やりたいのだが、さてどうしようか。広島の一箱古本市に出す本を発送。昼すぎに、猛烈に眠くなり、しかたなく(実態はいそいそと)千駄木に帰って、2時間ほど眠る。その後、原稿を読んだりしてから、5時半に出かける。


千代田線で新お茶の水。〈丸善〉で、清水義範パスティーシュ100 6の巻『翼よ、あれは何の灯だ』(ちくま文庫)を買う。コレで6冊が完結。まだ途中までしか読んでないので、一気に読み終えたい。『本の雑誌』も買い、総武線の中でめくる。海外文学特集で、トヨザキ社長がガイブン編集者を突撃表彰するという企画をやっていて、国書刊行会樽本周馬さんが表彰されていた(写真は髪の寝癖がスゴイ)。トヨザキ社長が喝破した通り、すべてにおいて「限度ばなれした人物」である。


飯田橋から神楽坂を上がる。〈シアターイワト〉前にはもう20人ぐらいの列が。並んで待つうち、吉上恭太・智子夫妻が来たので一緒に入る。ココでのふちがみとふなとライブは去年もやったのだが、予約していたのに用事が入り、なくなく〈古書ほうろう〉の宮地夫妻に譲ったのだった。その時がすごく良かったため、今回も満員の盛況だ。客入りの時にステージ横で五人ぐらいのバンドが、ときどきインストで演奏している。今日の主催の〈ムギマル2〉の早苗さんの姿を見ないなあと思っていたら、演奏が一段落したときに弦楽器奏者が立ち上がりそれが早苗さんでビックリ。この人、ミュージシャンでもあったのか。ビールを飲みつつ1時間待つうちに、客席はぎゅう詰めに。〈アンチヘブリンガン〉夫妻、谷根千工房の山崎さん、NEGIさんなど知り合いの顔も。


ふちがみとふなと登場。休憩をはさんで、2時間以上のステージ。定番の曲もあったが、最近の曲、はじめて聴く曲が多くてうれしい。とくに、上野茂都さん(客席に見えた)作の「渡り鳥、職場に帰る」が最高。若い客が多いせいか、反応がストレートで、それを渕上さんがすぐ反映させていく。ライブ盤を出さないのがポリシーのふちふなが、もし出すとすれば、今日のライブは第一候補だろう。最後の二曲は、「前は嫌だったけど、最近凝っている」という渕上さんの希望で、客とのコール&レスポンスが。「マングース」では掛け声、最後の曲では全員にパラフィン紙が配られ、即席ブーブー・コーラスをやった。たまにはこういうのも愉しい。アンコールでやった「うたう人」は絶品で、聴きながらいろんなコトを考えてしまい、しみじみしてしまった。もう一度拍手で呼び戻され、「風呂敷仮面」をやって、終演。


大勢の客が出ていくので、渕上さんたちや早苗さんに挨拶するヒマもなく、外へ。小雨が降っている。吉上夫妻と〈伊太八〉で、ギョーザと正油チャーシュー麺。二人と別れて、神楽坂駅から地下鉄に乗って帰る。寝る前に、『月刊少年サンデー』創刊号を読む。まだ少ししか目を通してないが、王道のマンガ雑誌をつくりたいという熱意が感じ取れる。島本和彦の『アオイホノオ』は、この雑誌にふさわしい。別冊冊子が二冊付いていて、その一冊が『あだち充エッセイコミック全集』というもの。アニメムックか何かに描いたエッセイマンガなどを集めたものだが、このヒトの身辺雑記的な感性のなさを改めて知る。つまんないんだ。『陽あたり良好』のおまけマンガは何度も繰り返し読んでいるので、懐かしい。


白水社の『出版ダイジェスト』の「再読愛読」欄にアラン・ベネット『やんごとなき読者』について書きました。3回掲載なので、今回で終わり。白水社の本をいろいろ見直すことができて、楽しい仕事でした。


今週金曜の和光大学「雑誌研究」は、課外授業として神保町ツアーをやります。同行したいという方は、ご連絡ください。終わってからは、学生と喫茶店に行きます。そちらに参加したい方もご連絡を。