一箱古本市、二日目の開催です!

おはようございます。
本日、一箱古本市の二日目を開催します。
ちょっと曇ってはいますが、雨の心配はなさそうです。
販売時間は11時〜16時までです。
本日は千駄木側の10スポットで開催、モデルコースはこちらです(http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/20090427)。
たくさんの方のおいでをお待ちしております。
では、会場でお会いしましょう!

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その28時間後。
一箱古本日の二日目も無事に終わりました。この日の10スポットはけっこう距離があって、坂の上り下りが大変だったと思いますが、お客さんはそれをものともせず、次々に来てくださいました。全体の売れ行きも、ほぼ昨日と同じでよかったです。


とにかく、二日とも晴天だったのが、本当にありがたかったです。雨の場合の対策は取っているとはいえ、それを実行に移さなくて済んでよかった。自転車で何度も会場を往復したので、熱中症気味になりましたが。


汐見地域活動センターでの打ち上げイベントのあと、助っ人さん・実行委員の打ち上げ宴会があり、一同ハジけました。さらに古書ほうろうに移って10人ほどで飲みました。ぼくは2時に限界を迎えて帰りましたが、みんな朝までいたのでしょうか?


いつものお礼になりますが、店主の皆さん、場所を貸してくださった大家さん、助っ人の皆さん、プレゼンターの方々、実行委員のみんな、そして二日間来てくださったお客さんに感謝します。


今日はさすがにグロッキー気味なので、この辺で。各賞や売上金額・冊数の報告は明日、しのばずくん便りに載せるつもりです。

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朝7時半起き。今日も快晴。昨日よりは少し気温が低いようだが、雨は大丈夫。8時に「しのばずくん便り」に開会宣言をアップ。9時半に集合場所の千駄木の郷へ。ウチから歩いてスグなのが、助かる。運ぶ荷物が多いので、助っ人の仲間・伊藤夫妻に手伝ってもらう。職員の方にラウンジを開けていただき、会場の準備に入る。10時前に店主さんが続々と到着。ココから出発するのは、旧安田邸と映画保存協会。


千駄木の郷の出店場所は、外側の通路。ベンチやラウンジ入口を使うことになっていたのだが、職員さんが長机を出してきてくれる。出店箱数は8箱。「本曜日堂」「ガター&スタンプ」「欠乏書房」「モンド部」「books joujou」「わかば屋」「久原堂」「古本けものみち」。ジャンケンの結果、ぼくの隣は「モンド部」、反対側の隣が豊崎由美さんらの「ガター&スタンプ」になる。11時に販売開始。旬公に店番を頼んで、自転車で回る。


旧安田邸は4箱。「柏舎」はここの管理グループで、前回に続き、建築や都市関係の本を出品。次にファーブル昆虫館。端っこで3箱だが、「トンブリン」「アホエク堂」「ぶらり文庫」という強力なメンツを配置。「アホエク堂」は相変わらずアホアホな本を置いている。『あげてよかった あるBG19歳の日記』(主婦と生活社)800円は、日記本コレクターとしては持っておかねばと買う。


裏道を通って、映画保存協会へ。昨年は雨で蔵の中で販売したが、今回は公園でやっている。「とみきち屋」「鉱石書房」など5箱。女性二人が着物で参加の「どすこいフェスティバル」は、オリジナルの文庫カバーを販売。中身の本にイメージを合わせたデザインになっている。中の本のタイトルを当てたら100円引きというので、継ぎが当たった着物のようなデザインのを『放浪記』と云うと、アタリだった。いいカバーだし、5円玉をつないだしおりというのも芸が細かいので、購入する。「onakasuita」は料理書専門古書店として、昨年秋からオンライン販売しているとのこと。「あたまるブックス」は栃木から3時間かけて犬のあたまるくんとやって来たという。映画保存協会と千駄木の郷のあいだの道に、助っ人のYさんが立ってくれていた。あとで人から「椅子を用意すべき」と云われたが、その通りで申し訳ない。


藪下通りを抜けて、根津神社まで来ると歩行者で大混雑。どうにかやり過ごして、クラフト芳房。「屋根裏の散歩会」と「BOOK LOVE」の2箱。前者の人たちが発行したという泡坂妻夫の事典が欲しかったが、3500円はちょっと手が出ず(あとで回った人に聞くと1500円になってたらしい。だったら買ったのに……)。次に根津教会へ。「ゆず虎嘯」「LIBRE TONSURE」など7箱。「あり小屋」で、日夏耿之介『明治大正の小説家』(角川文庫)300円を購入。「yom yom古書部」の2人が大きなおにぎりを美味そうに食べている。数軒先の米屋で売っていると聞き、行ったらもう品切れだった。


Gallery Jin+classico前へ。「ボン・ボン・テレン」「くちぶえブックセンター」など8箱。「こちどり」の姉妹が目に入ったので、知らんぷりして通り過ぎようとしたが、がっちり捕獲され、いつもの記念写真を。これで何枚目か? そして、いま〈Leprotto〉になっている元〈青空洋品店〉前の長屋へ。ココで青空のあずさんや旦那のやっている〈COCOLOYA〉、〈日光珈琲〉、古本屋の〈analog books〉の出店が出ている。彼らは日光市今市の古い建物で営業している仲間だ。〈analog books〉は古本関係の本を出していて、ぼくの『路上派遊書日記』もあったのでサインして箱に戻す(あとで売れたと聞いて、ホッとする)。あずさん、元気そうでなにより。新作のTシャツが欲しかったが、どうも体に収まるサイズではなさそうなので断念。


ギャラリーKINGYOへ。「人力旅人の本棚」「はなうた」など5箱。店名を忘れてしまったが、箱の前に庄野英二『鹿の結婚式』(創文社)600円があり、外函に収まった本の風情が愛らしいので、買う。「嫌記箱」の塩山芳明さんが、しゃれた展示をやるギャラリーの前で新、妙に店番しているのが笑える。ホントは、こちどりさんと並べるつもりだったが、強烈すぎる組み合わせなのでバラしたというのは、内緒のハナシだ。往来堂書店へ。「歴史と音楽堂」「トカゲ書林」など4箱。往来堂は今回、外壁工事をしていて、箱数が少ないのが残念。いつもはもっと客の多いスポットなのだけど。


古書ほうろうの前で、台東区の本をつくっているという編集者からの取材を受ける。ここは「犀角商店」「お湯書房」など8箱。「とんち書房」のやみたけさんは、隣の「犀角商店」こと晶文社の『ミニコミ魂』の共著者なのだが、本人は果たしてそのことを伝えたのだろうかとあとで心配になる。昨日はなんだかグズっていた隊長ことケンゴくん(5歳?)が、今日はにわか店主になり、すべて100円で本を売っている。「4冊で100円だよ〜」と連呼され、思わず、パール・バック『大地』全4巻(新潮文庫)を買う。あと、「蜻蛉行」が歴史の研究書を出していて、その中に『図説 韓国の古書』(日本エディタースクール出版部)600円が。訳者のムン・ヨンジュさんは『本とコンピュータ』時代に世話になった留学生なのだ。


千駄木の郷に戻ると、和光大のアサミ、モリモトの二人が店番中。他のスポットを覗きに行かせ、その間店番を。今回は新しい本ばかりなので、売れ行きはいいが、単価はあまり高くない。隣の「モンド部」がCDを置いていたので、尋ねるとジャケットのデザインを担当したのだという。[ululuと家]というタイトルで、ululuなる男性がボーカルと大半の楽器をやっている。試聴してから買おうとしたら、タダでくれた。その直後にご本人がやってきたので、バツが悪い。ウチに帰って聴いたら、かなりイイ。一度ライブを観たいものだ。


そのうち、ゆゆさんのテルミンライブ(2回目)が始まる。ラウンジは満員になり、道行く人も、音を聞いて覗きこむ。店主の我々も、本を売りながらテルミンの音色に耳を傾けていた。知っている曲が多いのは、老人ホームという場所を意識してか。最後にやったピアノ、ギターとの演奏は、かなり盛り上がった。そうこうしているウチに、4時になる。学生に片づけを手伝ってもらい、他のスポットの売上シートを回収して、ほうろうへ。


いちど根津に行き、あずさんと〈analog books〉さんに挨拶してから、打ち上げイベント会場の汐見地域活動センター(本郷図書館2階)へ。根津のふれあい館に比べると狭いけど、今日の各スポットから近くて助かる。どこをうろついてたのか、司会のオヨちゃんが最後に登場。黒岩比佐子さん、豊崎由美さんらに賞を出していただく。わりとサクサク進み、7時前には片づけをして、打ち上げ宴会の会場へ。団子坂下の〈F〉という居酒屋で、とにかく人数をたくさん収容できる点で選んだのだが、人手が足りないのか手際が悪いのか、酒や料理が出てくる前に時間がかかる。それでも、二日とも無事に終わった解放感で、みんな盛り上がり、最後はなんだか挨拶大会に。みんなを見送って、地元の10人ぐらいと無理やり残らせた吉井さんやNEGIさんらと、ほうろうの店内で飲む。昨日今日の、ここには書きにくい裏話をしきりと。2時ぐらいまで飲んでいたが、体力の限界を感じ、先に帰って眠る。


2日間とも天気に恵まれるということが、こんなにすべてをうまくするのかという、今回の一箱古本市でした。もちろん、その裏には、雨が降ったときや不慮の事態に備えて、十分な準備を行ってきたという自信みたいなものがあります。その自信をもたらしてくれたのは、多くの人々の力です。


新しく実行委員になってくれた茂木さん、吉上さん、吉井さん、佐久間さん、中濱さん、桐谷さん、及川さん、主代夫妻。ぼくにメールで無理やり引き込まれたにもかかわらず、途中で逃げ出すことなく、役割以上の仕事を全うしてくれました。自分たちで「これをやりたい」「これは必要」とどんどんプランを出してくれたのも嬉しかった。宴会の時に吉井さんに云われて気づいたけど、ぼくより10歳近く年上の方も多く、社会人としての常識を備えていることも、ありがたかったです。


今年も40人近くが助っ人さんとして参加してくれました。一箱と云えばこの人、みたいな常連さんもいれば、興味を持って今回初めて参加してくれるヒトもいました。当日は人数が足りないので、希望に沿うことができなかったり、一日同じ場所にいてもらうことになったりしましたが、それでもきちんと責任を果たしてくれました。そのうち、一人ひとりともっとゆっくり話したいと思っています。


店主さんにも感謝。毎回出店している常連さんが、初参加の店主さんをフォローする姿があちこちで見られました。店主兼助っ人というヒトが、しだいに多くなっているのも、この一箱古本市の誇るべき特徴だと思います。


そして、従来の実行委員たち。青山に移転したあと、ほとんど関わってないのに、いまだに仲間だという意識を我々に持たせ、司会はこいつしかいないと思わせるオヨちゃんには、人徳があるのかも。守本さんは、今回ウェブ担当を茂木さんに一任しつつ、要所要所をシメてくれました。青秋部は結婚、就職という新展開があったにもかかわらず、若さで頑張ってくれました。とくに中村さんはMAP関係の業務を一人でこなしてくれました。ぶつぶつ文句を云いつつ、MAPとイラストだけは手を抜かなかった内澤旬子と、いつもデータ処理とそのデザインが完璧な板谷さんにも感謝。往来堂の笈入さんは、いつも沈着冷静な判断で頼れる兄貴です(歳下ですが)。そして、今年は店の方が正念場なので、実行委員の仕事はあまりできない(それが新実行委員の参加につながった)と云いつつも、やっぱり、さまざまな拠点として、あるいは、引き継ぎという名目の新しい仕事を押し付けてしまった古書ほうろうの宮地さん、ミカコさん、山ちゃん、神原さん。本当にすいません。


あまり大っぴらには云いませんでしたが、今回の一箱は、開始から5年目の節目であり、同時に何人もの新たな人たちが関わることで、これまでのやり方を維持できるか(あるいはいい方に変えていけるか)という試金石のような回でした。それが成功したかは、これからしばらくの間、検証していく必要があるでしょうが、でも、このかたちでやってみてよかったと本当に思います。来年の春には、また状況が変わり、それに合わせて新たなやり方を模索しなければならなくなるかもしれませんが、それにも対応していけるんじゃないかなという気持ちを持てました。みなさん、ありがとうございました。