儲けそこなったタルコフスキー(南会津の)

朝8時起き。《つばさ》を観て、昨夜の残りで朝飯。久しぶりに旬公と一緒に仕事場へ。『SPA!』の書評、今回は下関マグロ『まな板の上のマグロ』(幻冬舎文庫)。単行本(『露出者』メディアワークス)が好きで、『レモンクラブ』で書評を書いたこともあり、かなり早く書き上げる。原稿には入れられなかったが、本書には意外なヒトが出てくる。


1983年頃、スワッピング雑誌に自分の電話番号を載せたマグロさんの部屋には、女性からバンバン電話が掛かるようになった。

僕は、これがなにか商売につながるんじゃないかとおぼろげに考え始めていた。かなり大きなビジネスチャンスがあるという予感があった。しかし具体的に何をどうしていいかわからなかった。そこで当時『元気マガジン』(白夜書房)という雑誌の編集長である山崎邦紀氏を訪ね、あれこれ聞いたのだ。山崎氏はわけのわからない若僧に丁寧に応対してくださった。


山崎さんの答えは否定的だったが、その後しばらくして、「テレクラ」が爆発的な流行を見せ始め、マグロ氏は儲けそこなう。相談する相手を間違えたのだ。ダメですよ、「南会津タルコフスキー」(塩山芳明命名)にそんなコト訊いても……。それにしても山崎さん、カネにつながらない体質は25年前もいまとまったく同じだったんだなあ(ヒトのことは云えないが)。


『ウィスキー・ボイス』第35号到着。創刊十周年記念号で、表紙は柳原良平。特集の「私の一冊」が読ませる。「読者の広場」でもバーテンダーに「私の一冊」を訊いていて、半村良の『新宿馬鹿物語』『雨やどり』を挙げている人がいるのが、なんとなく嬉しい。となりの店のオーナーに「水商売に携わるなら読んでおけ」と云われたのだという。『酒とつまみ』を挙げているヒトも。


原稿で取り上げることもあり、〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉へ映画を観に行くことに。12時半に阿佐ヶ谷に着き、駅前の中華料理屋でつけ麺。超シンプルな麺ばっかりのもので、けっこう好き。ラピュタ中平康監督作品を、《夏の嵐》(1956)、《野郎に国境はない》(1965)と2本続けて観る。例によって爆睡。ラピュタではこの特集の後、5月31日から警察映画の特集をやる。《刑事物語》シリーズもたくさんやるので通わねば。


西日暮里に帰り、〈ときわ食堂〉でチューハイと定食。〈古書ほうろう〉と〈ブーザンゴ〉に寄ってからウチに帰り、原稿を一本読む。


しのばずくん便り」(http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/20090427)に一箱古本市のモデルコースをアップしました。トンブリンさん作成のgoogle map付きです。


4月29日(水・祝)の〈ブーザンゴ〉でのフリーペーパー・トークは残り2名さまとなりました。当日は入れませんので、予約を願います。【おかげさまで埋まりました。受付終了します。4月28日追記】