いつも頼まれない事ばかり夢中になって

朝7時起き。早めに仕事場に行き、資料を読む。俵浩三『牧野植物図鑑の謎』(平凡社新書)に目を通すつもりが、読み出すとメチャメチャ面白く、最後まで読んでしまう。牧野富太郎のことはほとんど知らなかったが、超人学者にありがちのズボラさとエグさを併せ持った人だったことが判る。弟子の、「世の中に『頼まれた事は少しもやらずに、頼まれない事ばかり夢中になってやる人』という方があるとしたら、その第一人者は牧野先生であろう」という一文が、わが身に突き刺さる。それに対する(でもないけど)牧野の弁明はこうだ。

私のズボラは質の悪いズボラではない(ハゝゝゝ)、一方でズボラと見える時は必ず一方で精励して持ち前の凝り性を発揮して居る時である。丁度、天秤の様なもので、一方の下がった時は必ず一方が上がって居る。其の真相を洞見する明がなく、無闇に私をズボラな人間とけなしつけるのは、其の一斑を見て全貌を知らざる皮相の観察である。


まあ、なんと、ヌケヌケと図々しい屁理屈であることか。しかし、オレもときどきこんな言い訳してるような気がするな。


12時に自転車で日暮里図書館へ。リクエストの本を受け取り、〈又一順〉で昼飯。ひっきりなしに客が入ってくる。西日暮里に戻り、また資料読み。


『ぐるり』4月号到着。今号から情報欄を少し間引いて、記事ページを増やしている。このほうが雑誌っぽくて賑やかだ。ぼく担当の巻頭インタビューは、近田春夫さん。『僕の読書感想文』(国書刊行会)の方法論について、かなり詳しく話していただいた。『考えるヒット』についてもハナシが出ている。なんと18ページもあるぞ。


往来堂書店〉の笈入さんから、高円寺で「一箱市」をやるという知らせが。5月5、6、16、17日の四日間、〈座・高円寺〉(http://za-koenji.jp/)のオープニングイベントの一環らしい。〈茶房・高円寺書林〉(http://kouenjishorin.jugem.jp/)らが主宰。4月1日から参加受付開始とのこと。ブログのチラシを見ると、「一箱古本市」となっているが、正式名称はどっちなの?


ちょっとヨコになって眠り、5時半前に眼を覚まして、〈千駄木交流館〉へ。実行委員の会議。店主は現在99箱で、100箱は確実だ。これからの作業日と作業内容の確認をしていったら、あまりの量にうんざりする。でも、実行委員がそれぞれ分担してくれるのでかなり気が楽だ。終わってから、いつも空いているのでお気に入りの、よみせ通りの某店に8人ほどで入り、飲む。《アド街ック天国》の月旦しきり。10時にお開きとなり、千駄木へ。