寝不足で大阪へ

12時過ぎに一度寝たのだが、久しぶりに大阪に行くので興奮したのか、2時頃に目が覚めてしまい、そのまままったく眠れず。しょうがないので、トークのレジメに書き込んだり、『大阪人』『エルマガジン』を眺めて過ごす。7時に布団を上げ、コーヒーを飲んでから出発。


8時20分ののぞみ号で東京駅発。東京からの新幹線に乗るときは、いつでもチキン弁当に缶ビールと決めている。今日もそうしたのだが、弁当の内訳がいつもと微妙に違う。唐揚げの下に敷かれているレタスと柴漬けが消え、ポテトサラダに変わっている。それと、お口直しのつもりなのか、妙なキャンデーみたいなのが入っている。値段が上がっても内容が不変なのがこの弁当の取り柄だと思っていたので、なんかイヤだ。キャンデーは食べずに捨てた。近田春夫『僕の読書感想文』(国書刊行会)を再読。気持ちのいい文体で、車内で読むのに最適なり。


1時間ほど眠り、米原で起きたら、新大阪で人が列車に接触(「触車」という妙な表現を使っていた)したとかで30分ぐらい止まる。新大阪にもそれぐらい遅れて着く。時間が迫っているので、とりあえず御堂筋線に乗り、なんばで千日前線に乗り換えて、玉川という駅へ。「cafe de poche」の(というか『京都〇七五』のというか)伊東さんに駅前まで来てもらい、〈週末古本書庫suwaru〉へ。一人で向かっていたら、ぜったいたどり着けなかった。道路に面した店で、往来からそのまま入っていく感じがいい。本もいくつかのテーマで分類されていて、よく揃っている。古い日本映画のビデオが多いが、これは非売品とのこと。伊東さんに話を聞いているうちに、『Sampo magazine』の西川さん来る。受け持ち交代という感じで、伊東さんは仕事へ。織田作之助『聴雨・蛍』(ちくま文庫)と、井筒和幸監督《ゆけゆけマイトガイ 性春の悶々》(1975)のDVDを買う。


こんどは西川さんに案内してもらう。タクシーを拾って、中崎町へ。この辺には続々と新しい古本屋やブックカフェができている模様。〈caramba〉は店の前半分が雑貨で、後ろ半分が古本とカフェ。二人でやっているそうだ。幻想文学や探偵小説の単行本、マイナー系マンガが目に付く。いがらしみきおの近作2冊を買う。次に〈珈琲舎・書シアラビク〉。木造一軒家で昔の職人さんの家みたいな入り口だった。手前が古本・新刊とカフェ、座敷に上がると人形の展示が。もう残り時間が少ないので、西川さんに駆け足でハナシをお聞きし、棚もざっとひと眺め。しかし、その中に小沼丹『山鳩』(河出書房新社)が。持ってないんだよ、これ。開いてみるとかなり安い。といっても、古本ソムリエに話したら怒られるような値段だが。でも、いいんです、読みたいんだから。手持ちの現金が少なく、西川さんに一時借りて、あとで〈calo〉で返すことに。


電車だと不便だということで、またタクシーを拾い、肥後橋の〈calo〉へ。石川さんに挨拶。ガケ書房の山下さんも来て、ちょっと打ち合わせ。『山からお宝』にも書いている樋口さんが来ていて、お菓子をいただく。貴島公さん来て、昔の関西のフリーペーパーのファイルを貸してくれる。ありがたし。4時に会場をつくると、どんどんヒトが入ってくる。ぎゅう詰めで立ち見も5、6人。ちょっと遅れて、トークスタート。山下さんは最初緊張していたみたいだが、日々書店の店頭に立っていて、この際話してきたいコトがたくさんあったらしく、積極的に話題を転換してくれる。すごくやりやすい。後半には例によって、フリペ発行者のプレゼンテーションタイムをやる。こちらから指名しないと立ち上がらないのに、話し出すとみんなオモシロイ。ベスト・キャラクター賞は『よくがある』のSさんに差し上げたい。


6時半に終了。片づけをしてから、近くの韓国料理屋へ。前にも来たことがある。20人すし詰めで、飲んだり食べたり。BOOK ONNの中嶋大介さんがもうすぐ上京して、フリーで仕事をすることになったそうだ。いよいよか。『エルマガジン』の稲盛さんとも久しぶりに話したが、いまはエルマガ・テイストの単行本を編集しているそうだ(ガケの山下さんも参加)。トークでも出たけど、関西でのエルマガの求心力はスゴかった。それが消えたショックから、どう立ち直るかを、関西の人たちは模索し始めているように感じた(この辺はいずれ『本が好き!』の連載で考えてみたいものだ)。


10時頃に解散。昨夜ほとんど寝てないので、さすがに眠い。肥後橋駅近くのホテルまで、石川さんや貴島さんたちに送ってもらい、別れる。チェックインして、風呂に入ってからすぐ眠る……も、まだコーフンしているのか、3時に目が覚めてしまい、今日西川さんにもらった『京阪神珈琲の本』(エルマガジン社)を眺め、『僕の読書感想文』を最後まで読む。なんだか、あと2日ぐらい滞在して、久しぶりにイヤというほど古本屋を巡りたくなった。今日も帰山健一さんと「あれはイイ」と話したポメラで日記を書と、妙に長い文章になってしまった。


それでも眠れずに、小沼丹『山鳩』から2篇読む。6時になってしまった。朝8時から開いている古本屋があったら、スグにでも出かけるんだがなあ。