20年ぶりの矢口博康

昨日は午後にずっと引きずっていた原稿がようやく書きあがり、そのあともう一本あげてから出かける。新宿三丁目の〈ピットイン〉。「アルタードステイツ・3デイズ」の最終日で、「シカゴ」カバープロジェクトがこの日の趣向。アルタードステイツの3人にホーンセクションとボーカルが加わる。なにしろ洋楽オンチなもので、シカゴなんてまともに聴いたコトがなく、メロディーを知っている曲はわずか2、3曲。それでも手だれのミュージシャンが難曲に挑んでいる様子はとてもエキサイティングだった(一緒に行った吉上恭太さんによればかなり忠実なカバーだったとのこと)。ただし、2人いるボーカルのひとりは、英語をしゃべれるという理由だけで連れてこられたとおぼしく、高校生が学祭でガナってるようなヒドさだった(もう一人出るはずが直前に行方不明になったという事情はあるにしても)。


今日来たのは、サックスの矢口博康が参加しているから。この数年、めったにライブに出ず、出たとしても気がついたらすでに終わっていたりして、大学生の時に鈴木さえ子のライブだったかで見て以来20年以上、矢口さんの生のプレイを見られずにいる。『ぐるり』の連載「ふたたびの音」では、ライブを見てから書くことを原則にしているが、矢口さんの時だけはCDを聴いただけで書くしかなかった。久しぶりに聴いた矢口さんのサックスは、クールでカッコよかった。ノリまくってソロを吹いているときも、どこか上品な感じがあるのが、このヒトらしいよなあ。いつか、本人がリーダーになってのライブを見たいもの。


2セット目でシカゴの5枚目のアルバムを全曲カバーし、アンコールでも3曲やったので終わったら11時前。とりあえず、今日やった曲が入っているアルバムを聴いてみようか。


今朝は、先週に続いて和光大学へ。昨年もやった、津野海太郎さんの授業のゲストで、フリーペーパーについて話す。今日はゲストのゲストとして、『東京トーフ屋散歩手帳』の豆惚舎(ずぼらしゃ)のYくんに話しに来てもらった。文字を詰め込まないことに確信的なつくりに、津野さんも感心していた。終わって、Yくんの友達と一緒に、学食で昼飯。そのあと鶴川駅の〈ドトール〉で雑談。


二人と別れて新宿へ。西口にできた新しい〈ブックファースト〉へ。地下一階はゆったりと広く、回遊できるようになっていて、なるほどブックファーストは以前からこういう店をやりたかったんだな、と思う。ただ、いまのところはジャンルに沿って並べるのに精いっぱいで、客の流れを誘導するような並べ方にはなってないという気も。リトルマガジンのコーナーがあるのは便利。地下二階(人文や専門書)に行くと、いきなり上とは雰囲気が変わり、良くも悪くもフツーの本屋っぽくなる。水村美苗日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』(筑摩書房)、山根貞男マキノ雅弘』(新潮選書)、サラ イネス『誰も寝てはならぬ』第10巻(講談社)を買う。西日暮里に戻り、仕事の続き、いろいろ。


こないだ古本市が終わったばかりの仙台「Book! Book! Sendai」ですが、12月末には第二弾として連続トークイベントが開催されます。ついに海月書林さん、セドローくんが仙台に見参!
http://bookbooksendai.com/

◆ブックトークその1◆
「小冊子『ふきながし』のつくりかた」


 2008年12月23日(祝日・火)
 時間:14:30スタート 16:00終了
 入場料:1500円+1ドリンク
 ゲスト:sifflez(スィフレ)*ふきながし発行ユニット
 場所:書本&cafe マゼラン
 定員:10名


◆ブックトークその2◆
「ハルミンさんと海月書林さんのおんな古本談義」


 2008年12月28日(日)  
 時間:16:30スタート  18:00終了
 入場料:1500円+1ドリンク
 ゲスト:浅生ハルミンさん(イラストレーター) 市川慎子さん(海月書林
 司会 向井透史さん(古書現世
 場所:stock gallery & atelier
 定員:20名


浅生ハルミンさん:イラストレーター エッセイスト
 1966年、三重県生まれ。デザイン事務所勤務および現代美術家としての活動を経て、現在はイラストレーター。NHK-BS「こころがこどもになる」オープニングタイトルのアニメーションや、リビングセンターOZONEで行なわれた「日本人とすまい・家事」展のイラストレーションを手掛けるなど、多方面で活躍中。またエッセイストとして古本情報誌『彷書月刊』の連載をまとめた『ハルミンの読書クラブ』、ネコを追う日々を綴った「私は猫ストーカー」の著書がある。
浅生ハルミンさんブログ「私は猫ストーカー」passage http://kikitodd.exblog.jp/


市川慎子さん:古書店
1978年、愛知県生まれ。インターネット古書店海月書林」店主。独特なセレクトによって新しい古本の楽しみ方&オンナコドモの古本を提案し、多くの若い古本読者を開拓している。古本と雑貨と旅の小冊子『いろは』を発行(2003年創刊、現在5号まで刊行)。著書『海月書林の古本案内』(2004年/ピエブックス)、『おんな作家読本 明治生まれ篇』(2008年/ポプラ社)、その他『もめん随筆』(中公文庫)の解説などを執筆。
海月書林 http://www.kurageshorin.com


◆ブックトークその3◆
コトバと出会う「ときたま」上映&トーク


 2008年12月30日(火)
 時間:14:30スタート 16:00終了
 入場料:1500円+1ドリンク 
 ゲスト:土岐小百合さん 飯沢耕太郎さん
 場所:book cafe 火星の庭
 定員:30名


◇土岐小百合さん:コミュニケーション・アーティスト
 「コトバと出会い,自分と出会い,世界と出会う」をモットーにコトバのスナップショット『TOKIのことば』を作り続ける。1993年より「週刊『TOKIのことば』」を発行。2007年11月末で約650号に。また、コトバはガチャ(バッジやシール)やTシャツなどになって街へ繰り出している。2006年よりコトバと人の映像『onときたま』シリーズを開始。参加者は370人を超す。
http://www.tokitama.net


飯沢耕太郎さん:写真評論家
1954年宮城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。日本を代表する写真評論家として幅広く活動中。
90年代初期、季刊写真誌「deja-vu」編集長を務める。著書『「芸術写真」とその時代』(筑摩書房)、『日本写真史を歩く』(新潮社)、『写真の現在』(未来社)、『荒木!』(白水社)、『写真について話そう』(角川書店)、『フォトグラファーになるには』(山内宏泰氏と共著/ぺりかん社)など多数。5000枚以上のコレクションを持つ有数のキノコ切手コレクターであり、『世界のキノコ切手』(プチグラパブリッシング)、詩集『茸日記』(三月兎社)もある。