一箱だよ、おっかさん

kawasusu2008-10-12

8時起き。カーテンを開けると、まぶしい日差しが。最高の一箱古本市日和になりそう。8時半に光源寺に集合。青秋部の石井・中村の指示に従って、場決め、テント設営、テーブルの配置などを行なう。その場で判断することも多く、気がつけば店主集合の10時になっていた。ココに出す店主は26箱。複数人での参加が多いので、ぜんぶで50人はいるか。塩山芳明さん、モンガ堂さん、こちどりさん、『ぐるり』の五十嵐さんなど知った顔が多し。その隣では、砥ぎ猫さん、〈不思議〉をはじめ、雑貨、骨董などを販売する「かんのん楽市」が開催。〈立石書店〉が古本出していたり、お堂の軒先に妙な人形がぶらさがっていたり、水族館劇場のセットに「物怪観光」という人が作品を出していたり、となんだか怪しいミクスチャーな雰囲気。


11時に販売開始。あとのことは助っ人さんに任せて、箱を見て回る。「カリプソ文庫」さんの箱で、田中小実昌の『上野娼妓隊』と『ベトナム王女』(旺文社文庫)ほかを抱えて会計してもらっているヒトがいた。いい本出すねえ〜。「たけうま書房」は細野晴臣特集ということで、本人の著作や微妙に関わっている本を出していた。たけうまさんと云えば、毎回CDがすごくて、今回も細野が(あるいは細野から)影響を受けているミュージシャンのCDが並んでいる。レイモンド・スコット3枚、マウス・オン・マーズ、ヒューイ・スミス、大友良英と買い込んでしまった。いつもツボを刺激するセレクトで、シマウマさんにはぼく専門のCDバイヤーになってほしいほどだ。「ぐるり古本部」では、『プレイガイドジャーナル』の創刊号から三年間のバックナンバーを見た瞬間、即時に「これ、買うから」と云う。この時期の号はめったに見ない。しかも、発行人の村元武さんが持っていたものなのだから、なおさら欲しい。


それから自転車で団子坂を下り、大円寺の「菊まつり」を覗いてから、ライオンズガーデンへ。ここでは能登からやってきた「BOOKRIUM」さんと再会。好きな本にはかなり強気な値段をつけている。柳生弦一郎のイラスト集がめちゃくちゃよくて、買いそうになったのだが、5000円だったので踏みとどまる。この値段でも欲しいヒトは買うだろうな。平野威馬雄『ともだちという名の我楽多箱』(濤書房)を買う。装幀は横尾忠則。宗善寺へ。ココも常連が多い。『野宿野郎』の最新号を買う。「あいうの本棚」は酒のラベルやマッチ箱などをパッケージングして売っている。オリジナルのブックカバーを買う。


戻って、谷中コミュニティセンターの前の広場でやっている「谷中まつり」を覗く。町会の屋台が出ていて、ステージが組まれてダンスとか戦隊ショーもやっていて、思ったよりもハデなイベントだった。そばめしを買って仕事場に行き、ちょっと休憩。と思ったら、谷中を散歩している両親と弟一家から電話があり、ふたたびライオンズへ。旬公も含めた8人で、込んでいる〈ブーザンゴ〉にむりやり入れてもらい、甥っ子の中学生活の話など。こないだまで小学校低学年だったような気がするが、早いなあ。もっとも、まだ小学生の延長みたいな子どもなのだが。それにしても、ふだんは出雲で正月ぐらいしか揃わない一同が、千駄木のブックカフェに一緒にいることがなんだか不思議。上野に向う彼らを見送るのと交代に、G社のTさんがやってくる。そのままブーザンゴで話していると、今度は〈火星の庭〉の前野さんも。仙台での計画を聞いているうちに、4時半になっていた。慌てて店を出ると、晩鮭亭さんに会う。


光源寺に戻ると、盛り上がっている。もういちど箱を見て、また買ってしまう。5時に終了。打ち上げに残る店主さんに手伝ってもらって、机やテントを撤収。打ち上げの食べ物などを並べていると、暗くなってくる。そのまま外にテーブルや椅子を出して、打ち上げに。ちょっと寒い。今回は売り上げや賞の発表はなし。せっかく残ってくれた店主さんもいたので、マイクを使って感想を聞いたりすればよかったかな。終わりの方に戻ってきた塩山さんと数人で、うだうだと飲む。10時ごろにお開きになり、ゴミを持ってウチに帰る。いつものことだが、やり方を毎回変えるので、至らない点がどうしてもあったが、天気に恵まれたのでうまくいったと思う。


では、南陀楼賞を発表しておきます。宗善寺に出店された「とみきち屋」(http://yomuyomu.tea-nifty.com/)さんです。箱のなかに小さな仕切りがあり、「クラシック音楽の森」「ロシアの広場」などに分かれていました。一コーナーせいぜい10冊で、ひとつの世界を表現していたと思います。とみきち屋さんには、次にどこかで会ったときに何か差し上げたいと思いますので、声をかけてくださいね。