「妄執、異形の人々3」マラソン、完走しました

朝8時半起き。さすがにちょっと眠い。朝飯を食べたりして、10時前に千代田線で出かける。渋谷駅からいつものルートを通って、〈シネマヴェーラ渋谷〉へ。この道もずいぶん慣れたなあ。会員は8回来ると1回タダになるのだが、すでに11回に達していた。いつも1000円出していたことに気付き、今日はその特典で無料入場する。


まず、小川欽也監督《生首情痴事件》(1967)。チープで陰惨な映画づくりで知られる大蔵映画の1本。タイトルの書体からして、おどろおどろしい。裸の女の乳首を隠すときの不自然な演技、何度も挿入されるがほとんど効果をあげてないパートカラー、ラストで繰り広げられるドタバタのような殺し合い。すべてがスゴすぎる。映画は見世物なんだなあと、つくづく思う。もう一本は堀内真直監督《海人舟より 禁男の砂》(1957)。海女と漁師で生活する村の物語だが、なんだかよく判らない。30分ぐらい眠って、そのあと最後まで観るが、どうして「禁男」なのかがさっぱり不明。べつに女護ヶ島というわけでもないし……。特集の最後としてはすっきりしない作品だった。


というワケで、8月23日から毎週の土日月を費やして観た「妄執、異形の人々3」マラソンを無事完走。塩山芳明さんに「あんなくだらないのよく通うよな」と云われ、自分でも少しはそう感じつつ、意地になって通った。一つの映画館の特集を全本観たのは、たぶんこれが初めてだと思う(かなり通ったつもりでも、普通は数本取りこぼしがある)。その特権的立場(なんの?)から、この特集のベストとワーストを挙げておく。


ベスト5
1位 小森白監督《大虐殺》(1960、新東宝
2位 田中登監督《丑三つの村》(1983、松竹映像=富士映画)
3位 山本迪夫監督《悪魔が呼んでいる》(1970、東宝
4位 石橋義正監督《狂わせたいの》(1998、石橋プロダクション)
5位 牧口雄二監督《毒婦お伝と首切り浅》(1977、東映
次点 向井寛監督《東京ディープスロート夫人》(1975、東映
  

ワースト3
1位 金井勝監督《無人列島》(1969、かない・ぷろ)
2位 井上梅次監督《暗号名 黒猫を追え!》(1987、プロダクションU)
3位 佐々木浩久監督《実録外伝 ゾンビ極道》(2001、徳間ジャパン)


ベストは順位が付けにくいけど、インパクトの大きかったものから上位にしました。次点の《東京ディープスロート夫人》は再見なので。ほかにも、三隅研次監督《とむらい師たち》、野田幸男監督《青春トルコ日記 処女すべり》などがよかった。何よりも上映作全25本中24本が未見であり、ぼくにとっては発見の驚きに満ちた特集だった。来年には「妄執、異形の人々4」をやってほしい。極力通うつもりだ。


誤解なきように書き添えれば、この特集は19日(金)まではやっている。なかでも《丑三つの村》はあと2回やるので、未見のヒトは駆け付けるとよろしい。


山手線で西日暮里へ。書評の原稿を書く。このブログで触れた本について書けというご指名だ。書き出しがうまくいったおかげで、2時間ほどで完成。そのあと、明日の打ち合わせの準備。旬公が帰ってきたので、すずらん通りの〈鳥ぎん〉で釜めしを食べる。


秋も一箱古本市の店主さん、あと2、3人応募があるとちょうどイイ感じらしいです。後悔しないように、いまのうちに迷わずメールを! http://d.hatena.ne.jp/seishubu/