上野図書館から《ガス人間第1号》へ

今朝は10時前まで寝坊。天気がイイので、出かけるまで布団をちょっと干す。千代田線で根津まで出て、言問通りを上がる。上野桜木町にしばらく前に開店した〈群言堂〉を覗く。世界遺産で有名になった石見銀山のある島根県大田市に本店があり、地元の町おこしのシンボル的な存在。このショップでは、服がメインで、あとは器とか山陰の産物とかが売られている。マンションの地下だが、テラスもあり、広い。ココでライブとかやったら楽しそうだなあ。島根県人つながりというコトで、貸してくれないかしら。


さらに歩き、〈国際子ども図書館〉で「チェコへの扉」展を見る。故・千野栄一さんのコレクションをもとに、チェコの絵本の起源から著名作家と画家、取り上げられたテーマなど、丁寧に見せており、とても勉強になる。欲しい本もずいぶんあった。図録が出ているから買おうと思ったら、見本だけで現物が置いてない。受付にあるのかと思って下に降りたら、「会場で聞いてください」とのこと。戻って尋ねると、「印刷会社で販売しているので、紙に書いて申し込んでください」と。??? とっくに出来ているのに、なぜココで売らないの? 商業出版物でもないのに。しかも、送料300円取るなんて、ふざけてる! あとで、行ったヒトに訊いたら、前は会場で売っていたとのこと。なんかのトラブルか? それとも売り切れて増刷しているのか? だったら、そう書いておくべきだ。


館を出て、上野公園の中を歩いていると、ポツポツ雨が降り始め、駅につく頃には大雨に。園内に、国立博物館に入るために座り込んでいた人たちがいたが、ずぶ濡れになったのでは。京浜東北線横浜駅へ。駅地下にある〈有隣堂〉で、柳広司ジョーカー・ゲーム』(角川書店)、葛井欣士郎『遺言 アートシアター新宿文化』(河出書房新社)、前川公美夫編著『頗る非常! 怪人活弁士・駒田好洋の巡業奇聞』(新潮社)を買う。この店、シブい新刊ばかり並んでいた。まだ時間があるので、喫茶店へ。奥の席に、近くの店の休憩なのか、制服を着たおばさんが6、7人いて、わいわい云っていた。駅に戻り、Mさんと待ち合わせ、『彷書月刊』の取材なり。


東海道線に乗って、品川で乗り換え、渋谷へ。映画の次の回まで時間が空いたので、最近気になっていた〈なぎ食堂〉に行こうとするが、近くまで来ているハズなのに見つからない。迷っているうちに、またも大雨に。〈シャノワール〉で雨宿りする。道玄坂に出て、〈シネマヴェーラ渋谷〉へ。ロビーで『ジョーカー・ゲーム』を読む。おお、おもしろいぞ。今日の映画、まずは本多猪四郎監督《ガス人間第1号》(1960)。有名な映画だが、初めて観る。土屋嘉男演じるガス人間が勤めているのが上野図書館、というのは、冨田均『東京映画名所図鑑』(平凡社)で知っていたが、その上野図書館がいま国際子ども図書館になっていることをすっかり忘れていた。なんだ、さっき行ったトコロじゃないか。すごい偶然。もう一本は、佐々木浩久監督《実録外伝 ゾンビ極道》(2001)。これはイマイチだった。《仁義なき戦い》フリークなのは判るけど、ソレだけじゃあなあ。


帰りの電車で、『ジョーカー・ゲーム』読了。柳広司の作品としては、凝ってない方に入るだろうが、サスペンス度は無類だ。チェスタトンの『木曜の男』を彷彿させる。ところで、帯に書店員の絶賛コメントを並べるのはもうやめない? 自分の店のPOPならナニ書いても自由ですが。千駄木駅を出ると、また大雨が。降ったり止んだりの頻度が激しすぎるぞ。


『積んでは崩し』、〈東京堂書店〉および〈三省堂書店〉神保町本店は品切れになったそうです。他のお店でお買い求めください。9月6、7日の「外市」用でも販売します。増刷分のデータ、昨日入稿しました。納品は9月8日(月)頃になる模様。ウチで置いてみようという新刊書店、古書店、その他のお店がいらっしゃれば、メールでご連絡ください。すでに取り扱っていただいているお店からの追加注文も承ります。kawasusu@nifty.com