川口浩を張り倒したい

昨夜は涼しかった。朝9時起き。仕事場で『進学レーダー』の原稿。昼過ぎに書き終わり、西日暮里の郵便局へ。近くの寿司屋がランチをやっているので入ってみると、マグロ漬け丼とざるそばのセットというのが、なかなかウマかった。仕事場に戻り、こんどは『SPA!』の原稿。書き出しがなかなか決まらず、4時頃に完成。


『積んでは崩し』を50冊入れた紙袋を持って、池袋へ。空模様が怪しいが、降りだす前に〈往来座〉にたどり着く。瀬戸さんに納品すると、その場でPOPつきで並べてくれた。田中小実昌の単行本2冊(片方がカバ欠、蔵書印ありで500円)を買う。店を出るとほどなく雨が降り出すが、瀬戸さんから傘をもらってたので助かった。そういえば、コミケのときも傘を持たずにいて退屈男くんが傘をくれたんだった。


新文芸坐〉で、特集「映画を通して社会を見る」。どうもコジツケっぽい特集なのだが、その分、バラエティに富んだ作品が並ぶ。今日は「追悼・市川崑」ということで、《吾輩は猫である》(1975)と《処刑の部屋》(1956)。前者は仲代達矢演じる夏目漱石がよく似ていて、面白く観たが、原作の主要場面を網羅するために2時間10分という長さになっていてツライ。前半でかなり眠ってしまった。後者は、反抗のための反抗を重ねる青年を川口浩が演じる。親も教授も仲間さえも軽蔑し、あざ笑う。そのときの川口の顔(とくに口元)の憎たらしいことといったら! 若尾文子でなくても、張り倒したりナイフで刺したくなってくる。ところで、本作では中村伸郎がジャーナリズムにもてはやされて授業さえまともに行なわない教授を演じているが、3年後に公開された須川栄三監督の《野獣死すべし》でも、ほとんど同じ役どころだった。もっとも、《処刑〜》では川口浩に殴られるだけですむが、《野獣〜》では仲代達矢に爆殺されてしまうのだった。


終わって、山手線で西日暮里へ。仕事場のマンションの前の路上に、旬公の帽子が落ちていたので、ナニかあったのかと不安になる。たんに自転車で帰るときに、気づかなかっただけなのだが、いつもと違うことがあると妙に心配になるのだった。川口浩みたいに自信家にはなれないなあ。


そういえば、昨日、〈古書ほうろう〉の宮地さんに教えてもらった『サザザさん』という自主制作アニメがスゴイ(www.youtube.com/watch?v=gDZH9xCPoFo)。活動弁士坂本頼光さんが絵も音楽もすべて一人で制作し、その映像をライブで流しながら声を当てていくというもの。「登場人物がみんな水木(しげる)キャラなんですよ!」と云われたが、実際見てみると、義父は殿山泰司で、上役は大泉滉で、犬は小池朝雄じゃないか。ホリエモンが出てくるなど、制作時の時事ネタも入っている。これ、第1話らしいが、続きもぜひ見てみたい。願わくばライブで。旭堂南湖さんの紙芝居と対バンするのもイイかもしれない。