10年ぶりのコミケは意外に涼しく

kawasusu2008-08-17

予想通り、昨夜は妙に目がさえてしまい、3時過ぎにようやく眠る。6時に起きて、うどんで朝食。夏のコミケといえば、暑さだけが記憶にあるので、タオルやシャツの替えをミニカートに詰めて外に出ると、あら、案外涼しい。千代田線で日比谷、有楽町線で新木場、りんかい線で国際展示場と乗り換えるたびに、コミケに向かう人が多くなってくるが、暑くないので助かる。しかし、西2ホールに入った辺りから、空調がまったく利いてない感じで、暑さがこみ上げてくる。


ブースに着くと、『積んでは崩し』が一箱届いていた。10年ぶりなのでなにから準備していいか、判らない。和光大のヤマモト(女)や武藤良子さんが着てから、本の配置やつり銭の計算などを行なう。武藤さん、机から下げる各販売物のポスターを書いてきてくれる。いい感じなり。意外に早く準備が終わり、雑談するうちに10時になり、販売開始。シャッターが開くと、涼しい風が流れ込んでくる。こんなに涼しいコミケは初めてだ、壁際のサークルに並ぶ客が、「最後尾」の札を次に来る人にスピーディーに手渡す様子に、武藤さんと感嘆。慣れてるんだなあ。


11時ごろまでは売れ行きはポツポツ。今柊二さん、久世番子さん、串間努さんが来てくれる。ちょっと席を外し、西ホールでめぼしを付けていたミニコミを買い、ついでに東ホールへ。しかし、東側の人出はすさまじく、空調もあまり利いていないので、早々に徹底(島本和彦の同人誌が欲しかったが、行列に並ぶ気力なし)。戻ると、和光のアサミ(女)やヤマシタ(男)がやってきて、かわるがわる店番を。書物蔵さんも友だちと来てくれる。退屈男くんも来たので、武藤さんと地殻のブースを冷やかしに行ったりしてると、3時になる。


『積んでは崩し』34冊、『大阪京都死闘篇』10冊、『キクロク』11冊が売れたところで撤収。もうちょっと売れて欲しかったが、出足が少し鈍かったか。お客さんの様子を見ていると、表紙の写真への食いつき方はすごく、とりあえずかなりの人が手に取ってくれるのだが、中身が書評だと知るとそのまま戻す場合が多かった。逆に、和光大生の人生初ミニコミがこれだけ売れたのは、和光大出身の人たち(けっこういた)が買ってくれたこともあるが、こんなネタ(津野海太郎vs松枝到)でミニコミをつくるヤツがほかにいないからだろう。武藤さんの『大阪京都死闘篇』が10冊にとどまったのは、それがエッセイという形式だからに尽きる。ほかの場所ではきちんと売れる本なのだが。コミケでは(旅ジャンルなら別だが)エッセイは受けない。改めて、やはりコミケ向きのテーマというはあるな、と痛感。冬コミには、もっと「オンリー・ワン」度の高いミニコミをぶつけたいものだ。


会場の外に出ると、雨が降っていた。水上バスで浜松町に行き、駅まで歩いて、適当な居酒屋に入って打ち上げ。例によって自由奔放な武藤さんが、バンバン食べ物を頼み、学生もそれに釣られる。まあ、こんな野人のような……いやいや、自由でマイペースな大人がいることを知っただけで、学生にはイイ社会勉強です。退屈くんは学生に何を訊いてもインタビュー口調になっていた。早めに入ったので、6時半にはもう店を出て、電車に乗って西日暮里に帰ってくる。〈古書ほうろう〉での近藤十四郎ライブに顔を出そうと思っていたが、ソファに横になるなり2時間ぐらい眠ってしまう。帰りに〈ブーザンゴ〉でコーヒー飲んでひといきついて、ウチに帰った。


今回もいろんなミニコミを買ったりいただいたりしましたが、紹介は改めて。10年ぶりのコミケは、いろいろとオモシロかったです。しばらく、学生と一緒に、毎年2回参加したいなと思っています。


明日は、〈古書ほうろう〉での十番勝負、お相手は栗原裕一郎さんで「声に出して読みたい盗作」をお届けします。予約なしでも入れるので、時間のある方はぜひどうぞ。栗原さんは9月にジュンクでもトークしますが、そちらとは内容はほとんど重ならないはず。コミケの翌日でカラダがつらいけど、がんばりまっす。