神保町の大雨

今日も暑い。午前中に原稿を1本書き、神保町へ。休憩時間に入った退屈男くんとすずらん通りの〈ドトール〉で会う。〈東京堂書店〉の隣にこんなのできてたっけ? 最近、すずらん通りの様子が把握できなくなっている。そのあと、東京堂の1階で、大内田鶴子ほか『神田神保町とヘイ・オン・ワイ 古書とまちづくりの比較社会学』(東信堂)と、川合道雄『戦時下の博文館と『新青年』編集部』(近代文芸社)を買う。前者には、不忍ブックストリート青秋部の石井清輝くんの「『ブックタウン』という試み」が収録されている。石井くんからはかなり定価の高い本だと聞いていたが、2500円なので一般書並み。ひょっとして予告のときよりも定価を下げたのか?


3階に行き、畠中さんに『積んでは崩し』を納品。来週月曜日から販売してもらいます。リトルプレス棚に、だんだん畠中色が強まってきているのが嬉しい。『Sanpo magazine』創刊号、『HB』第4号、たばこと塩の博物館編『広告の親玉 赤天狗参上! 明治のたばこ王 岩谷松平』(岩田書院ブックレット)を買う。これから週刊で出すという、新入荷案内のフリーペーパー『週刊 三階』創刊号をもらう。「階段を昇るとそこは三階だった」というよく考えるとアタリマエみたいなキャッチフレーズも、畠中さんらしい。一緒に、三省堂下の〈放心亭〉でハンバーグランチを食べる。


畠中さんと別れ、〈書泉グランデ〉で高田里恵子『男の子のための軍隊学習のススメ』(ちくまプリマー新書)を買う。店を出たとたん、大雨が降り出す。数軒先まで走り、〈クライン・ブルー〉へ。窓際の席が空いていたので、本を読みながら雨が止むのを待つ。ひどいどしゃ降りがやや落ち着いたので、外に出て、何軒か回り、〈神保町シアター〉へ。今日から特集「豊田四郎東宝芸映画」がはじまった。谷崎潤一郎原作の《猫と庄造と二人のをんな》(1956)を。流されるままに生きる森繁久彌をはさんで、山田五十鈴香川京子が女の意地を張り通すハナシ。山田五十鈴の45度にひんまがった口元と、香川京子の延々と続くヒステリーに驚嘆。史上まれにみるヒステリー映画ではあるまいか。母親の浪花千栄子、猫のリリーの演技もなかなかで、おもしろい映画だったが、2時間16分は長すぎだなあ。見終わって外に出ると、雨が上がっていた。西日暮里に戻り、明日の準備をしてウチに帰る。


明日はいよいよ、コミケでブースを出します。「西 な―15b」の「けものみち計画」です。何度も書いてますが、新刊3点を販売します。合計しても1800円とお買い得なので、まとめてのお買い上げを期待します。初めてコミケに来るヒトは、午前中は動きが取れないので、12時以降においでください。人の多さと利かない冷房にげんなりするだろうと思いますが。売り上げが順調に行けば、終了のちょっと前に引き上げて、水上バスで浜松町に行って打ち上げを行なう予定です(打ち上げ部長は武藤良子様)。そこへの参加も歓迎します。


毎日新聞のウェブニュースを見ていたら、コミケ第1日目の来場者は17万人、2日目は18万人だったという(http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20080816mog00m200014000c.html)。最終日の明日はそれ以上が予想されているそうだ。つまり、3日間合計で約53万人が押しかけることになるのだ。それに対して、先日の東京国際ブックフェアは、4日間で、出展者を含め約7万人。コミケのほうが倍のスペースを使っているにしても、ブックフェアの4日間で、コミケ1日の半分の人数にも達しないのだ。恐ろしい。先日、「同じ会場でも東京国際ブックフェアコミケでは、熱気もエアコンの利き方もまったく違う」と話したのだが、そのことが数字で証明されている。


明日は早いので、そろそろ寝ないとマズイのだが、オリンピック番組(野球で日本が負けたらしいが、どうでもイイ)の延長で、フジテレビの《33分探偵》がまだ始まってくれない。堂本剛主演のドラマだが、あの手この手でくだらなさを追求していて、毎回観てしまう。明朝は携帯の目覚ましだけで、果たして起きれるだろうか? 1997年冬にコミケに出たときは、まだ結婚する前で、前日に旬公の横浜のアパートに泊まっていたのだが、目覚ましに気づかず、起きたのは8時すぎ。青くなってタクシーに乗り、湾岸道路を経由して会場に向かったら、意外にもラクラク時間内に到着した、ということを、いま突然思い出した。では、明日。