『ぐるり』で山川直人さんインタビュー

秋の「ブックオカ」でのフリーペーパー展で紹介するフリペのセレクトがそろそろ締め切りなので、この数日、知り合いのミニコミ、ギャラリー関係者にメールで教示を乞う。何人もの方から知らないフリペを教えていただいた。ナカでも、〈蟲文庫〉の田中美穂さんに教えてもらった倉敷の『Krash japan(クラッシュ・ジャパン)』がスゴイ。サイト(http://www.krashjapan.com/)はデザインが凝りすぎてて、誌面のイメージが湧きにくいが、さっそく今日届いたのを見ると、A4判・オールカラーですべての記事が日英併記。日本国内だけでなくロンドンやニューヨークにも送っているようだ。なんといっても、デザインが「クウネル―Arne」系じゃないのが、いまどき新鮮。やっぱり、オモシロイひとはおもしろいフリペを知っているなあと、感心しきり。まだまだ募集中なので、これはというフリペがあったら教えてください。自薦・他薦は問いません。


『ぐるり』最新号が届く。1号置きに巻頭インタビューを担当していて、今回は、ぼくが漫画家の山川直人さんに話を聞いた。『コーヒーもう一杯』など心にしみる作品が多いが、履歴も含めて、ここまで詳しいインタビューが載ったのは初めてなのでは? また漫画家のインタビューが『ぐるり』に載るのも初めてだ。話の中に、「小山清」が何度か出てくるのだが、これがまた、山川さんらしいエピソードなのだ。ぜひ読んでください。今号では、〈古本酒場コクテイル〉の狩野俊さんが、編集者の中川六平さんのことを。狩野著・六平編集の晶文社からの本が、もうすぐ出るのだ。


夕方、新宿へ。京王百貨店の古本市。けっこう丹念に見たつもりだが、雑誌2冊しか収穫なし。〈紀伊國屋書店〉5階で開催中の「紀伊國屋書店と新宿」フェアを見る。ゆまに書房の『コレクション・モダン都市文化』をはじめ、モダン都市関係の出版物が並んでいる。マイナーな出版社の刊行から時期のたった本まで、丹念に集めている。このフェアに合わせて、新宿歴史博物館の図録『田辺茂一と新宿文化の担い手たち』が復刊されたと聞いた(これは持ってる)が、そのほかにも同館の図録が数点復刊されていた。その中から『ステイション新宿』を買う。


歌舞伎町のほうへ。大久保公園では吉本興業のテントイベントが開催中。この辺りまで来るのは初めてだな。6時半にライブハウス〈ウルガ〉に入る。もう開演してる時間なのだが、まだ開場さえしておらず、なかでしばらく待つ。客の姿はまったくナシ。カウンターで本を読んで待つ。7時にようやく始まる。最初は歌い始めてまだ一年という朴訥な感じのおじさんで、打ち込みのリズムをバックにエレキギターで歌う。ロックというよりはムード歌謡という雰囲気。次の曲を紹介するのに、いちいちシチュエーションを説明するのが可笑しい。それで曲名が「ダーリンになれたなら」なんだもん。最後になぜか水原弘の「黒い花びら」をカバーしてた。すべてが一生懸命なので、ほほえましい。次はアコースティックギターの弾き語りで、パンクを通過してアジアにいたるという感じ。パワフルだし歌もうまいけど、どうもうけつけない。終わって、後輩っぽい若者から「最高でした!」と云われて、「うん、開いてただろ?」と答えるやりとりに、寒い空気を感じる。しかも、あとでぼくよりたった2つ上だと知って、もっと寒くなる。同世代とはとても思えん。最後に近藤十四郎さん。廣政隆士(ギター)、尾形慶次郎(ベース)とのトリオ。おなじみの曲ばかりだが、このトリオだとずいぶんシャープな曲調になっている、このメンバーが、8月17日(日)に〈古書ほうろう〉で、「新生 水の底楽団」としてデビューするのだ。9時すぎに終わり、外に出ると、道路の反対側から音楽が聴こえてくる。そっちを見ると、ある店の素通しガラスの向こうで、誰かが歌っていた。〈Nakid Loft〉ってココにあったんだ! 山手線で西日暮里に帰る。