田川さんの鼻歌映画は必見!

11月に開催予定の第三回「ブックオカ」で、フリーペーパーについての対談(お相手は未定)をすることになり、それに合わせて、フリーペーパーの展示を行なうことになりました。そのセレクトをお手伝いすることになり、いろいろ集めています。自薦・他薦は問いません。みなさんのつくっている、もしくは、愛読しているフリーペーパーを教えてください。主催者側のリクエストは、いちおう「アート系フリーペーパー」ということですが、あまりジャンルにはこだわりません。おもしろければ、手書きのものでもかまいませんし、ペーパーでも冊子体でも、無料配布していればOK。ただし、会場で現物を配布できるようにしたいので、現在発行中のものに限ります。南陀楼までメールくださるか、コメント欄へ書き込んでください。そのあと、どこかで入手するか、現物を送っていただくかします。ただ、最終的に展示させていただくかどうかは、ぼくの一存で決めさせてもらいます。今月中に情報いただければ幸いです。


昼過ぎまでに仕事の区切りを付けて、出かける。千代田線・明治神宮前駅近くの某ビルへ。伊勢真一監督《ゆめみたか〜愛は歌 田川律〜》の試写会。そういう映画が進行中だということは数年前から聞いていたが、ドキュメンタリー映画というのは一歩外すと目も当てられないことが多いので、正直、見に行くのを躊躇していた。知っている方が出ているのに、つまらないと云うのはつらい。


ところが、意外にも(失礼!)、このドキュメンタリー、とてもよかった。田川律という、ナニが本業だか判らないあいまいな存在を、そのまま映し出している。喋る田川さん、うたう田川さん、料理する田川さん、舞台監督する田川さん。どれも生き生きとして、ちょっと笑える。86分という適度な長さも、シーンごとの編集もよく、ダレずに最後まで観た。田川さんはとにかく全編、鼻歌を歌いつづけている。お寺の坊さんの息子であり、高田渡ら親しき人が彼岸にわたった時期の撮影とあって、やたらと墓地が出てくるし、死が重要なモチーフとなっているが、それがぜんぜん暗くない。最後に出る「ほな サイナラ」という字幕は、このまま田川さんが亡くなってもおかしくない感じだが、万が一、ほんとにそうなっても、笑って見送れるという気がする。田川律というひとを、知っている人も、知らない人も楽しめる映画になっていると思う。


ひとつだけ気になったのは、田川さんと監督である伊勢さんの交流の様子が、そのまま画面に取り込まれていることだ。なにも、伊勢さんの知人やお父さんの墓にまで、田川さんを付き合わせることはないでしょう。そういった監督の思いを入れ込まなくても、じゅうぶんオモシロイ映画になったと思うのだが。


この映画は都内では、明日、7月16日(水)の14:00からと19;00から、下北沢〈北沢タウンホール〉で、7月25日(金)の19:00から吉祥寺〈武蔵野公会堂〉で、7月27日(日)の13:00からと16:00から〈小岩コミュニティホール〉で、8月5日(火)19:00から〈大泉学園ゆめりあホール〉でそれぞれ上映される。トークあるいはライブつきだ。その後、関西でも上映会があるらしい。〈ヒナタ屋〉の「りつ、つくる」の常連さんは、ぜひ見に行ってください。
http://www2.odn.ne.jp/ise-film/works/yumemitaka/yumemitaka.htm