スサミ・ストリート通信

8時起き。今日も雨かよ。いい加減うんざりしてくる。西日暮里に行き、雑用あれこれ。11時半に出て、神保町へ。雨は上がっている。〈アツマル〉で久しぶりにカレーうどん。ここのダシのズルズル感は好きだなあ。彷徨舎に図版の資料を届ける。編集部のネコはオモチャを追って、元気に走り回っている。こんな環境で平気に校了直前の追い込み仕事ができる編集部の皆さんに幸あれ。


日本特価書籍〉で、藤木秀朗『増殖するペルソナ 映画スターダムの成立と日本近代』(名古屋大学出版会)。仕事の資料である。相変わらず、スゲー本出すなあ、この版元は(いつか取材したい)。〈東京堂書店〉で、浅羽通明『昭和三十年代主義 もう成長しない日本』(幻冬舎)、岩本素白『素白随筆集』(平凡社ライブラリー)、添田知道『流行り唄五十年 唖蝉坊は歌う』(朝日新書)を買う。『流行り唄五十年』は「朝日文化手帖」(いい本たくさん出してる)の復刻で、小沢昭一が解説を書き、「小沢昭一が歌う唖蝉坊」なるCDが付いている。コレはお買い得なり。3階で畠中さんを探すも、見当たらなかった。


西日暮里に帰り、〈ナガハマ〉でコピー用紙を買い、ふれあい館でチラシの増刷。帰りに〈不思議〉に寄り、取り置いてもらっていた、『エルヴィスが死んだ 小林信彦のバンドワゴン1961→1976』(晶文社)を受け取る。ちょっとヒトには云えない安い値段にしてくれた。不思議さん、ありがとう。いくらかって?  各自想像してください。ともあれ、コレで晶文社小林信彦ヴァラエティ・ブックは全冊揃った。〈古書ほうろう〉でMAPを受け取り、事務所でチラシの折り込みをやる。宅急便を発送したあと、〈いま福〉でちょっと一杯。至福。


道灌山通り、通称「スサミ・ストリート」の昨今。駅前のカレーハウスは早くも苦戦中。腹が減ったときに二度ほど行ったが、また行きたくなる味じゃないんだよなあ。噂を聞いたほうろうの神原さん(メンバー随一の天然キャラ)が、「みんなが話しているから駅前のカレー屋に行ったらすごくマズかった、店もすさんでいた」と云うので、よくよく聞くと、10年前からあってあそこだけは誰も行かない、24時間開店の食堂だったのには笑った。また、数年前からしゃぶしゃぶ屋だったところに、最近、飲み屋が開店。あまり入る気はそそられず(大人数で貸切に使えるか?)。開店してすぐに「本店が多忙だから」というスゴイ理由で休業していた〈ザクロ・カフェ〉も再開した模様。なんだかよく判らない店が多いのが、スサミ・ストリートの特徴だ。〈いま福〉だけだな、希望の星は。


夜は日暮里の〈膳工房〉でカレーを食べ、千代田線で表参道。旬公行きつけの喫茶店でコーヒーを飲み、〈イメージフォーラム〉のレイトショーで、パールフィ・ジョルジ監督《ハックル》(2002、ハンガリー)を観る。「しゃっくり」がテーマというので全面的にそれが出てくるかと思っていたら、そうでもなかった。旬公は相当気に入ったみたいだが、ぼくはあんまり……。《タクシデルミア》でも出てきた、ぼくの大嫌いな生物が何分にもわたって出てくるし(その間、ずっと目を閉じていた)。