馬男と鹿男の夜

kawasusu2008-03-20

朝8時起き。雨がけっこう激しく降っている。旬公と団子坂下の〈ドトール〉。最近一部を値上げしたせいか、客の姿が少ない。千代田線で西日暮里に行き、事務所で少し雑用してから、また電車に乗って根津へ。お彼岸なので墓参りの人が多く、道が歩きにくい。〈谷中ボッサ〉前で高野ひろしさんと待ち合わせ、お店のAさんと話す。一箱古本市week中に、この店で高野さんの写真展を開催させてもらうことが急遽決まる。4月25日(金)〜28日(月)で、25日夜には高野さんのトークも行なう予定です(聞き手は南陀楼)。詳しくは近々お知らせします。


日暮里まで歩き、久しぶりに〈一力〉でギョーザとラーメン。うまい。仕事場に戻り、一箱古本市weekの参加企画の情報をまとめる。MLやメールでバラバラに届いているので、ひとつの文書に集めるだけで一苦労。数えたら大小あわせて40以上の企画があった。まさかココまで広がるとは思わなかった。地元のお店が積極的に賛同してくれたおかげだ。


そろそろ出る『オール讀物』4月号の「OH!マイヒーロー」という欄に原稿を書いた。ちょっと変わったヒトを取り上げたのだが、そのヒトが出演したテレビドラマに主演した俳優が、同じ号の対談に出ていて、しかも、ちょっとだけテーマがかぶっている。編集のIさんから「すごい偶然です」と知らされていたのだが、こういうグーゼンがあるから雑誌はオモシロイ。


8時に千駄木の〈ペチコートレーン〉での近藤十四郎さんのライブへ。広い店ではないが、客がぎっしりで立つスペースもなく、カウンターの席の後ろに立つ。奥のヒトが出るためには全員が動かねばならないという混雑ぶり。近藤さんは地元の有名人だが、それにしてもすごい人気だ。今日はギターのヒトとのデュオで、いつもよりもガンガン攻めていた。途中、窓の外に馬の頭のシルエットが見え、客が大騒ぎする。なんと、〈古書ほうろう〉の山崎さんが昨日、水族館劇場が置いていった馬の頭をかぶってきているのだ。そのまま店内に入って、リズムに合わせて首を振っている。馬男、一瞬だけ近藤さんよりも大人気だった。休憩を挟んで2時間たっぷりやる。終わってからウチに帰り、一時間遅れで録画しておいた《鹿男あをによし》を観る。最終回だ。あー、おもしろかった。最後まで拍子抜けせずに観られたテレビドラマは久しぶりだ(『週刊文春』での亀和田武ほどには熱狂してないつもりだが)。しかし、あのヒミコだけはちょっとなあ。学芸会みたいだった。毎週、鹿の乱舞するエンディングを楽しみにしていたので、しばらく録画映像を保存しておいてときどき二人で観よう。


萩野正昭さんからメールで、先月、カメラマンの北川英雄さんがお亡くなりになっていたとのこと。ずっと病気で入院されていたそうだ。北川さんは萩野さんと東映時代からの仲間で、『季刊・本とコンピュータ』のアジア取材にスタッフとして参加していた。ぼくはソウルと北京に一緒に行ったのだが、ふだんは何にも興味なさそうな顔していて、いざビデオカメラを握ると、対象に一気に肉薄していくところが、いかにも「映画屋」というカンジで好きだった。ソウルの東大門市場で服屋が密集しているビルにみんなで突入したよなあ。懐かしい。萩野さんも「妙な愛すべきヤツだった」と。写真は、北京で杉浦康平さんと呂敬人さんが対談したときのもの。2003年だったかな。右側でカメラを構えているのが北川さん。ご冥福をお祈りします。