オレの知らないところで世界は動く

kawasusu2008-03-19

昨日は単行本の打ち合わせと、書評の本を読むだけで一日終わってしまった。今日は朝から西日暮里で『SPA!』の原稿。デザイナーのIさんの事務所で「不忍ブックストリートMAP」の色校(再校)をチェックしたり、旧安田邸に書類を出しに行ったり、電話やメールをしたりと、「一箱古本市week」関係の事務がやたらと多い。


高橋美礼さんから、こんど「けものみち」の押入れに設置する「引き出し式本棚」の設計図がファクスで届く。一昨日、第一案が届いて、ぼくは「もうコレ、最高!」などとハシャいだのだが、実際にそれをつくる瀬戸さんから改善案が出たらしく、細かい変更点がある。何一つできない発注者は、置いてけぼりだ。オレの知らないところで世界は動いているんだなあと思う。


写真はたまたま机の上にあった『サイゾー』と『週刊現代』の最新号、白い服着たサトエリと赤いロゴが共通していて、まるで姉妹誌みたいだ。前者には、旬公のインタビューも登場。コレも手ぬるかったかな、東川端さん?(http://d.hatena.ne.jp/thigasikawabata/20080318)。


ちょっと疲れてヨコになったら、眠ってしまった。7時前に旬公と〈古書ほうろう〉へ。着いたら、店の前でなにやらやっている。雨の中、水族館劇場のメンバー二人が大道芸をやり、それをお客さんが取り巻いている。歩道に面しているので、通りすぎるヒトが一瞬ぎょっとした顔になり、足早に歩いていく。ぞろぞろと店内に入り、「さすらい姉妹『鞍馬天狗』」が始まった。各地の「寄せ場」で演じられてきたこの劇は、話そのものは単純、というか、いっそ陳腐と云ってもいいほどベタなのだが、役者ひとりひとりが異物のごとき個性を持っている(とくに鞍馬天狗役の山谷の玉三郎!)し、空間の使い方が大胆なので、まったく飽きさせない。「あの幕をめくってナニか出てくるぞ」と予想していても、その予想を裏切るタイミングでヒトやモノ(巨大な馬とか)が出てくる。見慣れたほうろうの店内で、一大スペクタクルが繰り広げられるのを楽しんだ。


劇が終わり、休憩を挟んで、水族館の桃山邑さんと旬公のトーク。最初あまり話が転がらず、ちょっと心配したが、途中から面白くなってくる。水族館の役者に発声練習をさせるなどの訓練をしない、というのには納得。役者としての平均値が揃ってないところに、この劇団のオモシロさがあるように思う。終わってから、お客さんも残って打ち上げ。未来社から朝日新聞社に移った小柳さんも来ていて、久しぶりに話す。桃山さんや役者さん、水族館を応援している〈バンバンバザール〉の山田さんらと話し、楽しかった。12時にお開きになり、ウチに帰る。今年の大観音公演は2回は行きたい。

2008年春 水族館劇場新作公演
Noir  永遠の夜の彼方に


ごらん、海と闇とがひとつに溶けている。永遠にたどりつくことのない流民の国から、黒い天使たちの口笛がきこえる。大観音に還った水族館が、終末すら過ぎ去った時代の闇奥から燃えるつぶてをなげつける。忘れられた海底炭鉱の坑道を、錆びついたトロッコが縦横無尽に走り抜ける!誰かを呼んでいるまぼろしが死者の都を鐵の牙城へとかえてゆく!


駒込大観音境内特設蜃気楼劇場 鄢の牙城
東京メトロ南北線 本駒込駅下車 徒歩3分。
都営三田線 白山駅下車 徒歩5分。
東京メトロ千代田線 千駄木駅下車 徒歩7分


5/23(金)、24(土)、25(日)、30(金)、31(土)
6/1(日)、5(木)、6(金)、7(土)、8(日)、9(月)
全公演桟敷自由席 夜7時スタート
※入場整理券は全公演、毎夕5時から、当日、前売の区別なく先着順に配付します。


木戸錢 前売3,500円 当日4,000円 中高生 2,500円
※今回の公演はすべて期日指定です。最終週の混雑緩和のために、ある程度座席を制限します。
当日券も若干ご用意しますが、確実にご覧になりたい方は前売券をお求めください。


水族館劇場
http://www.suizokukangekijou.com/