いろんな場所で読む『文学鶴亀』

kawasusu2008-03-02

朝8時起き。荷物をまとめて出かける。大須の商店街までは歩いて5分ほど。喫茶店に入ろうと探すが、チェーン店以外は見つからず、けっきょく以前も入った大須観音近くの〈モカ〉(だったか?)に入る。コーヒー頼むと厚切りのトーストが付いてくる。せいぜいネバって出るが、まだ9時半。大須観音の境内にはベンチがなく、もう一度、喫茶店に入るのはつらいので、その辺をぶらぶらと歩く。大須公園でやっとベンチを見つけ、そこに座って、武藤康史『文学鶴亀』を数篇読む。


10時半に〈猫飛横丁〉を店主に代わって友人のKさんがあけてくれるということだったが、遅れると連絡があった。もう歩くのは疲れたので、店の壁に寄りかかって、『文学鶴亀』を読んでKさんを待つ。〈猫飛横丁〉はほぼ10年前にいちど来たきり、いつ来ても開いてなかった。その当時の店主は、現店主の奥様で数年前にお亡くなりになったという。昨日の飲み会でそんなコトを話しているうちに、今日、特別にあけてくれるコトになったのだった。以前よりも未整理の本が増え、棚が見にくくなってはいたが、相変わらず、映画・演劇の本が充実。田辺茂一『裸像との対話』(富士書院)1500円、コロッサス編『大特撮 日本特撮映画史』(朝日ソノラマ)カバ欠で1000円、石上三登志+今村昭『ギャグ&ギャグ』(講談社)600円、を買う。時間外に開けてくれたKさんに感謝。その近くの〈ノムラ書店〉(文庫の均一が80〜100円と安い)で数冊買う。『文学鶴亀』で「狐」の書評を引きながら、その刊行が寿がれている里見トン『文章の話』(岩波文庫)も200円で買えた。さらに歩いてから、〈宮田楼〉でひつまぶしを食べる。


大須観音から地下鉄で丸の内。問屋街の真ん中にある〈YEBISU ART LABO〉へ。大阪府所有(?)の古いビルを、カフェや雑貨店などと一緒に安く借りているという。手前が古本とアートブック、奥がギャラリー。BOOKMARK NAGOYAの中心になったIさんとKさんに挨拶。買いたい本は多かったが、持ち歩ける自信がないので諦める。地下鉄で名古屋駅に出て、新大阪行きの新幹線に乗る。車中でも少しずつ『文学鶴亀』。


4時に新大阪に着き、梅田へ。以前も泊まった堂山町の〈ホテル・イルモンテ〉にチェックイン。今日は〈ちょうちょぼっこ〉の営業日だと電話してみるがつながらず、〈calo bookshop〉に行こうと思ったらしばらく休み、〈ワイルドバンチ〉は定休日と、行動の目算がすべて外れる。それで思い立って、阪急の中津まで歩いてみる。〈古本喫茶 伽羅〉の均一で、佐々木久子『酒と旅と人生と』(集英社文庫)を100円で。雑誌『酒』の編集長だったヒトのエッセイ。


阪急で梅田に戻り、大阪第三ビルをめざす。地上に出たら大きな道が渡りにくく、地下に入ると方向が判らなくなってと、いつまで経っても梅田近辺の地理がわからない。ようやくたどり着いたが、古本屋はすべて閉まっていた。諦めて歩いていたら、近くに「お初天神」通りを発見。前に2度入った居酒屋〈松屋〉に落ち着き、ビールや酒を飲みつつ、どて焼きや鯨のサエズリを食べる。片手にはやっぱり『文学鶴亀』。いい気分でホテルの近くまで戻り、〈末広書店〉に行くが、4階の古書スペースは8時までだった。1階を一巡りして、ホテルに戻る。誰かに付き合ってもらういつもとは違い、一人ぼっちの大阪も、ナカナカいいものだ。明日から学校図書館の取材が始まる。


前回に続き、今回も「わめぞ」の外市には行けずに残念。盛り上がったようですね。


写真は中津辺りを歩いていたときに見つけた祠。道路の中央に堂々と建っている。なにか「ワケあり」風だ。