『文学鶴亀』刊行と小川美潮の新CDを言祝ぐ

昨日は午後から旬公と一緒に千葉の旭市というトコロに行った。日暮里から京成で千葉まで行き、そこからJRで15駅という遠さ。佐倉までは以前行ったことがあるが、そこから先は未知の領域だ。駅までKさんが迎えに来てくださり、そのあとドトーのごとく、いろんなヒトに会う。旬公の講演がきっかけで知り合った皆さんで、ぼくはたんなるオマケなのだが、みんな歓迎してくれる。連れて行ってもらった田んぼの中の焼肉屋は、激ウマでした。旬公はこの地であることを計画していて、ぼくは正直云って半分反対しているのだが、なんかちょっとオモシロいんじゃないかと思い始めている。けっして、焼肉に懐柔されたワケではないが。帰りは深夜バスで東京駅まで。


今日は昼過ぎまで仕事して、出かける。出掛けにポストを見たら、国書刊行会からメールビンが届いている。武藤康史『文学鶴亀』だ! 編集担当のTさんが送ってくれたもの。さっそく山手線の車内でページを開く。すると、「映画監督・西村潔」というタイトルが目に入ってビックリする。なぜならコレから、この監督の映画を見に行くのだもの。なんという偶然と、さっそくその文を読む。なるほど。ほかの文章もポツポツ拾い読みしているうちに、渋谷に着いてしまった。この本については、多くのヒトが待っているので、その楽しみを削がないために、コレ以上は書くまい。ただ、間違いなく素晴らしい本です。人名索引を見ただけで、ワクワクしてきたもの。あと、ひとつだけ絶対みんなが驚く事実あり(ああ書きたい)。


シネマヴェーラ渋谷〉へ。今日から特集「東宝アクション!」。今日は坪島孝監督《国際秘密警察 火薬の樽》(1964)と、西村潔監督《豹(ジャガー)は走った》(1970)。前者は007のパロディ的なシリーズで、古い言い方だが、どうもマンガ的。途中でまたしてもぐっすり眠る。しかし後者は快作。主役の加山雄三は大根だが、殺し屋役の田宮二郎がイイ。佐藤允彦の音楽も宮間利之とニューハードの演奏がゴキゲン。この特集、西村潔作品では《死ぬにはまだ早い》(1969)、《ヘアピン・サーカス》(1972)をやる。後者は一度観ているので、前者を観たいんだけど、ちょうど関西取材の日じゃないか! 残念無念。この映画館、3月に若松孝二、4月にマキノ雅弘(フィルムセンターの特集とダブらないとか)の特集を組むので、来ないとなあ。


渋谷からの山手線は強風のため遅れる。代々木で乗り換え、高円寺へ。あづま通りに移った〈十五時の犬〉に初めて行く。式貴士『カンタン刑』『イースター菌』『連想トンネル』『吸魂鬼』『怪奇日蝕』(いずれも角川文庫)が1冊350円だったので、全部買う。先日、光文社文庫で刊行された『カンタン刑』(ベストセレクション)を読み、式貴士の長くて有名な「あとがき」を読み返したくなったからだ。ほかに、村松友視『黄昏のムービー・パレス』(平凡社)800円を買う。地方の名画座の訪問記。読みたかった本。


7時半に〈JIROKICHI〉に入ると、満員で立ち見になる。小川美潮さんの誕生日ライブ。板倉文(g)、吉森信(p)、Ma*To(key)、大川俊司(b)、whacho(perc)、Mac清水(perc)、オイラー小林(ds)の総勢8人という豪華なメンツ。「スプラゥトゥラプス」というバンドがコアになっているようだ。変拍子ありスローありで、じつにカッコいいバンドだった。とくに吉森信のピアノがすごい。アンコールで「私が尊敬しているミュージシャン」と呼ばれたのが、隣に座っていた女性だったので驚く。トミ藤山さん(http://www.tomifujiyama.com/japanese/index.html)といい、1964年にラスベガスに単身乗り込んで歌ったというブルースシンガーだった。アメリカでヒットしたという曲を美潮さんのコーラスでやったが、声もギターもいい。こんな歌手がいたなんて。美潮さんに挨拶し、なんと15年目という新しいCD、小川美潮ウズマキマウ[宇宙人]を受け取って、外に出る。総武線お茶の水まで行き、千代田線で帰ってくる。とにかく寒い一日だった。


広尾の〈古書一路〉さんから展覧会のお知らせ。しばらく行ってないので、久しぶりに寄るか。

高田洋三 個展  「箱の島」


会 期:2008年2月23日(土)〜3月30日(日)期間中の金・土・日のみOPEN
     ※3月7日(金)、8日(土)は休み
時 間:13:00〜19:00


■高田洋三・トークイベント  3月14日(金) 19:00〜
ゲスト:近藤ヒデノリ(Tokyo Source編集長)
参加費:500円(ワンドリンク付き) 


会 場:古書一路  東京都渋谷区広尾3−8−13 ハイツヒロオ102号
    MAP:http://home.k01.itscom.net/ichiro/tenpo.html 
お問い合わせ:古書一路(堀江)
     TEL/FAX:03-3406-6645 
     E-mail:kosho-ichiro@e08.itscom.net