ワイズマン映画のタイトルは直球

午前中は西日暮里で仕事。きりがつかなかったが、12時すぎに出かける。水道橋で降りて、〈アンチヘブリンガン〉へ。ランチタイムなので、ほぼ満員。窓際に本棚ができている。ラグー(ミートソース)のスパゲティを食べ、コーヒーを飲む。歩いて2分のところにある、〈アテネ・フランセ文化センター〉へ。ココで映画を観るのは、15年ぶりぐらいか。昔のままの建物で、階段で4階まで上がるのも以前の通りだが、ナカはさすがにパイプ椅子ではなく座席になっていた。ただし、真ん中辺りの席は傾斜が逆になっていて、前の人の頭が高くなってしまうのだ。なので、字幕が下に出ると見にくい。


いまやっているのは「フレデリック・ワイズマン特集」で、今日観るのは《肉(Meat)》(1976・米)。牛が飼育され、屠畜されて肉になり、出荷されるまでの過程を撮ったドキュメンタリー。冒頭で、日本人団体が工場に見学に来るシーンがあるのだが、おぼつかない英語で通訳する日本人の男に、職員の白人女がさげすむような目で応対するのが印象的。2時間近くあるので、途中寝てしまったが、経営陣と組合の交渉とか、何百頭もの羊を屠畜場に追い込む一匹の山羊とか、細部がいちいちオモシロイ。ワイズマンの映画は初めて観るが、《ストア》《競馬場》《臨死》《州議会》など、直球のタイトルで、たぶん手法も一貫しているのだろう。この特集は3月15日までやるので、せめてあと2本は観たいもの。ちなみに《肉》はもう一度、3月5日(水)19:00〜に上映される。


終わって、女坂を降りて、錦華通りへ。〈石田書店〉で『東宝映画100発100中! 映画監督福田純』(ワイズ出版)を買う。この週末から〈シネマヴェーラ渋谷〉ではじまる特集「東宝アクション!」で、福田純の監督作品が何本か上映されるので、その予習のつもりで。久々に彷徨舎へ。ネコが走り回っている編集部で、近いうちにやる特集のネタ出し。面白くなりそうではある。田村編集長からこんなイベントの案内をもらう。「雑誌や新聞で取材してくれるところを募集!」とのことです。

ギグメンタ2008/美学校1969年の現在


赤瀬川原平中西夏之、菊畑茂久馬、木村恒久、松沢宥、小杉武久鈴木清順小沢剛会田誠など多彩なジャンルにわたる気鋭の講師陣が教鞭をとり、雑誌「ガロ」の編集者南伸坊を始め平出隆林英哲村上龍佐野史郎渡辺和博など、多彩な人材を育成・輩出してきた美学校は、アートシーンのみならず漫画、デザイン、舞台芸術、音楽、映像、文学、出版などの様々な分野に影響を与えてきたにも関わらず、これまでその影響力の大きさが顧みられることはありませんでした。本展は、70年代から現在までにつながる「美学校文化」を見渡す初の試みとなります。


【企画名】Ψフラグメント(松澤宥と最終美術思考工房)展 / 『ガロと美學校』展 / 一過性であるがゆえに / 「カムイ伝」と「肉体の叛乱」〜60年代<反逆>のマトリクス〜 / フィギュアが産まれる環境 / 逆襲として69年〜熱い若者たちの季節〜 / MORI-森 / 黒い絵本カーニバル / <寛ぎと慟哭の夕べ>美学校40周年記念演奏会 / 美学校2008/40周年記念展
【参加作家】 赤瀬川原平 / みうらじゅん / 根本敬 / 泉靖紀 / 平口広美 / 久住昌之/ 南伸坊/ 町田久美/ 室伏鴻 / 会田誠/ 小林嵯峨/ 細江英公/ 黒田育世/ 間島秀徳/ 大野慶人/ 土方巽/ 白土三平/ 中村宏 / 中西夏之/ 亀村佳宏/ 森下隆/ 松澤宥/ GROUPE DU VENT(風組)/ 野口暁/ 赤土類/ para ROUND(伊丹裕+中村祥士)/ サエグサユキオ/ TOPPER/ 王×児×狼×(ill existence)/ 御厨貴/ 内海信彦/ ホシノマサハル/ 久住卓也/ 佐々木良枝/ 文井秋/ 荒井良二/ メチクロ/ 韮沢靖/ 植地毅/ 相馬大/ もとはし遥/ 小野のん子/ 田尻麻里子/ 中西美穂/ 谷川まり/ 涓東節江/ 蔭山ヅル/ イトー・ターリ/ 山岡佐紀子/ 井上玲/ ほか
【関連企画】レクチャー≪晩生 「自立」の現在≫ / パフォーマンス小東亜共栄軒08


会場 アートコンプレックス・センター / 東京都新宿区大京町12-9 / TEL:03-3341-3253
イベント展示期間 2008年4月1日(火)〜4月13日(日)pm11:00〜pm20:00(イベントに関してはそれぞれ公演等の時間をご確認ください。)
入場料 無料(公演、講演、ワークショップ等のイベントには入場料、参加費が必要となります。)
http://gigmenta.org/


〈高岡書店〉で『映画秘宝』最新号と、すぎむらしんいち(画)、リチャード・ウー(作)『ディアスポリス』第7巻(講談社)を買い、西日暮里へ。旬公と〈お茶とごはんや〉に行くも休みで、隣の〈藪そば〉でけんちんとじそばを食べる。